乳酸菌でアンチエイジング!効果が期待できる市販ヨーグルト6つ

乳酸菌でアンチエイジングと言うと、なんだかサプリメントの宣伝のようにも聞こえますが、実は公的な機関がアンチエイジング効果のある乳酸菌を見出して、民間と協力して乳酸菌食品として利用する道筋をつけたのです。

現在までに得られた確かなデータは動物実験止まりですが、人においても臨床試験をして有効性を確かめる方向性で研究は進んでいるようです。

乳酸菌で皮膚と骨の老化が抑制された

動物実験では「老化促進モデルマウス」と言う実験動物が用いられました。人工的に老化が早く起こるようにしたマウスです。これに乳酸菌を与えて、与えなかった物と比較して実験しています。

その結果、乳酸菌を与えなかった対照群では多く見られた脱毛・皮膚の潰瘍・目の周りの腫れと言う老化による症状は、乳酸菌を投与した群では全く見られなかったそうです。

骨密度も上がったのは健康に大きな影響を与える

人間でも老化に伴って骨密度が下がると、骨折しやすくなるなど健康やその後の生活の品質に大きな影響を与えてしまいます。

動物実験では、乳酸菌を投与した群では、骨密度が15%あまり上昇したという結果が得られています。同じレベルで人間の骨密度が上がってくれれば、骨粗鬆症のリスクが下げられますから期待したいところです。

人間では若い時の骨密度に対して、80%未満になると要注意、70%以下になると骨粗鬆症ということになります。

この動物実験では、乳酸菌を与えていないマウスの骨密度は38.5mg/cm2でしたので、仮にこれが70%に相当する数値だとすると、若い時は55.0mg/cm2だったことになります。

それに対して、乳酸菌を与えたマウスでは、44.4mg/cm2でしたので、若い時の80.7%とぎりぎりではありますが、要注意にもならないレベルの骨密度がキープできたことになるのです。

農研機構が見出したクレモリス菌

この老化抑制に役立つ乳酸菌を発見したのは、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(通称:農研機構)です。

菌株は、ラクトコッカス属ラクティス種クレモリス亜種(通称:クレモリス菌)H61株(通称:乳酸菌H61株)です。クレモリス菌と言えばカスピ海ヨーグルトでよく効く名前ですよね。

国内で販売されているものとしては、フジッコのカスピ海ヨーグルトに使われているFC株と、グリコのおいしいカスピ海に使われているCHCC2907株です。

▼左:フジッコのカスピ海ヨーグルト、右:グリコのおいしいカスピ海
カスピ海ヨーグルトとおいしいカスピ海の商品イメージ

フジッコのFC株は大学と共同で単離培養したものですが、グリコのCHCC2907株は、デンマークのクリスチャン・ハンセン社の菌株を購入しているようです。CHCCは”Chr. Hansen Culture Collection”(クルスチャン・ハンセン生物資源バンク)の略です。

その2907番株と言うことですね。グリコの菌は、もともとチーズスターターとしてクリスチャン・ハンセン社が分譲(※)していたものを、グリコがカスピ海ヨーグルトに応用したようです。
(※:生物資源として細菌の菌株を販売することを「分譲」と言います。マンションみたいですね。)

クレモリス菌というと、カスピ海ヨーグルトのイメージから、粘りのある菌体外多糖を作り出すと言う印象が強いですが、その粘り気には菌株ごとに大きな差があります。

ほとんど粘りを感じられない程度のものもあれば、KVS20株のように、作り出したヨーグルトが手でつかめるぐらい粘り気の強くなるものもあります。この乳酸菌H61株の菌体外多糖は、どちらかと言うと粘りが少ないもののようです。

カスピ海ヨーグルトの定義は曖昧ですが、このH61株もクレモリス菌ですから、これで作られたヨーグルトもカスピ海ヨーグルトと呼んで良いかもしれませんね。

すでに商品化されているので通販で買える

農研機構は研究開発を行う公的機関ですので、直接商品を作ったりはしていません。民間と協力して商品を作っているのです。

2017年8月現在、普通のヨーグルトとドリンクヨーグルトが発売されていますし、ヨーグルトの方はふるさと納税のお礼の品にもなっています。

JAが開発したドリンクヨーグルト

茨城県の常陸農業協同組合(JA常陸)は、この乳酸菌H61株を使ってドリンクヨーグルトを製造、販売しています。商品名は「のむヨーグルトLilia(リリア)」です。

▼のむヨーグルトLilia(リリア)
のむヨーグルトLilia商品イメージ

150mL入り(税込み210円)と900mL入り(税込み820円)があります。

ただ、900mL入りは直販専用品のようで、通販で購入できるのは150mL入りだけのようです。定期購入制度もあります。

チーズのようなコクがあると言うことがセールスポイントのようですが、これはやはりクレモリス菌がチーズスターターによく使われることと関係しているのでしょう。

もちろんレンネット(凝乳酵素)を使っているわけではないので、冷蔵保存しているうちにチーズになったりはしません。

ふるさと納税にも使われるヨーグルト

茨城空港に隣接する総合施設「空のえきそ・ら・ら」にある乳業メーカー、小美玉ふるさと食品公社は、乳酸菌H61株を使った「H61ヨーグルト いきいききれいを目指すあなたへ。」を製造販売しています。

▼H61ヨーグルト いきいききれいを目指すあなたへ。
H61ヨーグルトいきいききれいを目指すあなたへ商品イメージ

もちろんその施設の直販所でも購入できますが、基本は通販になります。85g10個入りで税込み1,800円(※)で、定期購入の場合は少しお得になるようです。

また、茨城県小美玉市に1万円以上のふるさと納税をすると、お礼の品としてこのヨーグルト20個入りが、2週間間隔で2回届きます。

(※:販売サイトによって1,575円表示のところもあるので、必ず注文前に確認して下さい。)

この2つのヨーグルトはクレモリス菌を使っているので、カスピ海ヨーグルトの一種と言えるとは思うのですが、共培養菌についての情報がないのではっきりしたことは言えません。

意外なヨーグルトにアンチエイジング効果

このように、クレモリス菌H61株にアンチエイジング効果が見つかったということは、菌株違いで同じクレモリス菌を使う、カスピ海ヨーグルトにもアンチエイジング効果があるのではないかと期待したくなります。

調べたところ、噂のレベルでアンチエイジング効果があるのではないかという物は見つかりましたが、臨床試験や動物実験はおろか、試験管内での実験のデータも見当たりませんでした。

一方で、非常に身近なヨーグルトの乳酸菌に、動物実験レベルではありますが、しっかりしたアンチエイジング効果が見つかっていました。

LB81乳酸菌が腸を若返らせる

株式会社明治は、フランスにあるパスツール研究所と共同で、老化マウスにLB81乳酸菌を与えることで、腸の若返りが可能であることを示しました。

人間でもマウスでも、年齢とともに腸管内皮の上皮細胞から分泌される「抗菌ペプチド」と言うバリア物質の量が減ってしまいます。それによって腸の内部で炎症が起こりやすくなり、それが全身にも波及します。

また、リンパ球の数も減り免疫の働きは大きく阻害されていることがわかったそうです。

人間で言うと80歳ぐらいに相当する月齢のマウスに、LB81乳酸菌を含んだヨーグルトを毎日、人間換算で100g~150g相当の量を与えたところ、30歳相当の状態にまで腸内フローラの状態が改善したという結果が得られています。

さすがに、人間で80歳の人が30歳の人のレベルにまで改善すると言うのは難しいかも知れませんが、かなり劇的な改善は見込める可能性がありますね。

LB81乳酸菌はヨーグルトの代表的な乳酸菌

LB81乳酸菌は明治ブルガリアヨーグルトを作っている乳酸菌です。

ラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種(通称:ブルガリア菌)2038株と、ストレプトコッカス属サーモフィルス種(通称:サーモフィルス菌)1131株の混合乳酸菌のことを、明治がLB81乳酸菌と名付けています。

明治ブルガリアヨーグルトLB81は、450g入りのパックがありますから、3日で1パックを食べるペースで良いですね。あるいは4連パックのものを1日に2個でも良いでしょう。

▼明治ブルガリアヨーグルトLB81
明治ブルガリアヨーグルトLB81商品イメージ

たったそれだけの食習慣で、腸内が大きく若返るというのは、非常に嬉しい結果だと思います。

もしかするとほかのヨーグルトでも効果があるかもしれない

こうした効果は、LB81乳酸菌のものだけとは限りません。ブルガリア菌とサーモフィルス菌は、ヨーグルトを作る時に無くてはならない乳酸菌のペアです。

この組み合わせの乳酸菌が入っていないヨーグルトは、かなり数が少ないのではないかと思います。すぐに思いつくのはカスピ海ヨーグルトですね。これはクレモリス菌と酢酸菌、あるいはクレモリス菌とサーモフィルス菌と言う組み合わせでできています。

たとえば、ビフィズス菌ヨーグルトも世の中にはたくさんありますが、代表格の森永ビヒダスですら、基本はブルガリア菌とサーモフィルス菌で作ったヨーグルトに、ビフィズス菌とそれを補助する菌を混ぜて共培養しています。

また、雪印メグミルクのナチュレ恵には、特定保健用食品関与成分のビフィズス菌SP株とガセリ菌SP株の他に、ベースになるヨーグルトを作るブルガリア菌とサーモフィルス菌が使われています。

一方、中小乳業メーカーのプレーンヨーグルトの場合は、ほぼ確実にこの2つの菌で作っていると思われます。ですから、ヨーグルトを食べるということ自体が、腸を若返らせ健康長寿に大きく貢献すると言う可能性があります。

意外にも、ヨーグルトと言うだけで、どんな製品であってもアンチエイジング効果がある可能性があるのです。

ヨーグルトは不老長寿の薬?

もともとヨーグルトに注目が集まったのは、ノーベル賞が始まって8年目に受賞したイリヤ・メチニコフと言う、ウクライナ出身の微生物学者によるところが大きいです。

彼の著作「老化、長寿、自然死に関する楽観論者のエチュード」の中で、ブルガリアの人が長生きなのはヨーグルトを日常的に食べているからだということを示しました。

実は、彼が示していたのは、プロバイオティクスに関することを100年前に言い当てていたと言う部分が多いのですが、詳しいことは別の機会に譲りましょう。

しかし、もともとブルガリアのヨーグルトにアンチエイジング効果が認められたからこそ、世界中にヨーグルトというものが広まったという部分が存在しているのは確かです。

ですから、どんなヨーグルトでも、感染症や腸内環境の影響の部分から、アンチエイジング効果があるのは間違いないでしょう。どんどんヨーグルトを食べて、健康長寿に役立てましょう。

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