ビオフェルミンの効果を比較!市販薬と処方薬ではどう違う?

整腸薬の代名詞とも言えるビオフェルミンですが、様々な種類の医薬品として売られています。市販薬はもちろん、お医者さんで処方されてびっくりしたという人もいるでしょう。

ビオフェルミンという名前の医薬品はなんと9種類もあるんです。

では、どのビオフェルミンを選ぶのが良いのでしょう。処方箋薬のビオフェルミンは、市販薬(指定医薬部外品)よりも効き目が強いのでしょうか。

ビオフェルミンは乳酸菌を色々配合した医薬品

ビオフェルミンにはいくつかの種類があります。

市販薬でも「下痢止め」のような効果を示した商品もありますし、「新ビオフェルミンS」のような代表的商品もあります。

同じ菌種を使った2種類の処方箋薬でも、菌株違いで効果が異なるというものもあります。

新ビオフェルミンSには3種類の乳酸菌が配合されていて、そのいずれもが生きて腸まで届くのみならず、腸に棲みついて増殖するとされています。そのためでしょうか、菌数は明記されていません。

確実に腸まで届いて増殖するなら、特に菌数を意識する必要はないと言う考え方なのかもしれませんね。

ビオフェルミンは基本的に乳酸菌製剤ですし、その基本的なスタンスは「株式会社神戸衛生実験所」(現:ビオフェルミン製薬株式会社)が、今から100年前にビオフェルミンを発売したときから変わっていません。

もちろん研究開発を怠らなかったので、菌の配合などは変化しています。

それでも、基本的な考え方は「生きた菌が腸で働く」と言うもので、しかも「腸に定着して増殖する」と言う、プロバイオティクスをより推し進めた思想も見て取れます。

ビオフェルミンは全部で9種類

さて、まずはビオフェルミンシリーズにどのようなお薬があるのかを見てみましょう。最も手軽な指定医薬部外品から、第3類・第2類の医薬品、処方箋薬と、順に並べてみます。

指定医薬部外品とは、第3類医薬品の中で、特に副作用の危険が少ないとされた、危険グレードの低い医薬品のことです。

指定医薬部外品 新ビオフェルミンS
新ビオフェルミンS商品イメージ
第3類医薬品 ビオフェルミン健胃消化薬錠
ビオフェルミン健胃消化薬錠商品イメージ
ビオフェルミンVC
ビオフェルミンVC商品イメージ
第2類医薬品 ビオフェルミン下痢止め
ビオフェルミン下痢止め商品イメージ
ビオフェルミン止瀉薬
ビオフェルミン止瀉薬商品イメージ
ビオフェルミン便秘薬
ビオフェルミン便秘薬商品イメージ
処方箋薬 ビオフェルミン配合散
ビオフェルミン配合散商品イメージ
ビオフェルミン錠剤
ビオフェルミン錠剤商品イメージ
ビオフェルミンR錠/散
ビオフェルミンR錠/散商品イメージ

結構種類がありますね。

なお、処方箋薬の中でビオフェルミンRだけが、同じ乳酸菌で錠剤と散薬(粉薬)の2つの剤形があります。市販薬は錠剤と顆粒などの複数の剤形があります。

処方箋薬のビオフェルミン配合散とビオフェルミン錠剤は乳酸菌が異なるお薬です。

最近では乳酸菌は生死にかかわらず健康効果があると言うことが知られるようになってきましたが、生菌と死菌では働き方や効果が違うということは知っておきたいですね。

指定医薬部外品としてのビオフェルミンの特徴と効果

まずは最も副作用のリスクが低い市販薬の「指定医薬部外品」に分類されているビオフェルミンを見てみます。これには新ビオフェルミンSだけがあてはまります。

▼新ビオフェルミンS
新ビオフェルミンS商品イメージ2

とは言え、すべてのビオフェルミンの基本とも言えるお薬ですから、少し掘り下げてみてみることにしましょう。

3種類の乳酸菌が休眠状態で配合されている

新ビオフェルミンSには3種類の乳酸菌が配合されています。その3種類のいずれもが、生きて腸まで届き、腸に棲みつき、腸で増殖する乳酸菌です。菌株は次の3種類です。

  • ストレプトコッカス属フェカリス種(通称:フェーカリス菌)129 BIO 3B株
  • ラクトバチルス属アシドフィルス種(通称:アシドフィルス菌)KS-13株
  • ビフィドバクテリウム属ビフィダム種(通称:ビフィズス菌)G9-1株

菌種を見るといずれも有名な乳酸菌ばかりですね。そして、菌株の特徴として、胃を通過後、腸に定着増殖するというものであるようです。

特徴のあるそれぞれの菌の性質

3つの菌のうち、フェーカリス菌(※)はストレプトコッカス属という小さな球菌です。この菌は分裂増殖が早いため、小腸に棲みつくと同時に一気に数を増やします。

その増殖速度と乳酸分泌が腸内環境を整え、あとの2つの乳酸菌が増えるのをサポートする役割を持っています。また、フェーカリス菌は菌体成分にもさまざまな効果が知られていますから、増殖したあと寿命を迎えた死菌が、大腸で効果を発揮するでしょう。

同じように小腸に棲みつくアシドフィルス菌は「アシド」(酸)+「フィルス」(好き)と言う名前の通り、乳酸をたくさん作り出します。その乳酸のお陰で悪玉菌が抑制され、腸内環境が整います。

そして、ビフィズス菌は大腸に棲みつきますが、このG9-1株は特に定着性に優れた菌株です。ビフィズス菌は乳酸と同時に酢酸を作り出し、両方の効果で悪玉菌を押さえ込んでくれます。

このいずれの効果も、死菌では期待できないものです。ですから生菌が腸に届き分裂増殖して代謝活動を行うということが非常に重要になるのです。

(※:一般的にはフェカリス菌と呼ばれますが、ビオフェルミンでは長音記号を入れているので、それに従います。)

ビオフェルミンは生菌の働きによる整腸効果をもつ整腸薬なのです。菌数は表記されていませんが、お腹の中で増えるのだから良しとしましょう。

処方箋薬としてのビオフェルミンの特徴と効果

一般市販薬の他のビオフェルミンは、副原料の効果を期待する部分がありますから後回しにして、新ビオフェルミンSと同じように、純粋に乳酸菌の力だけで働く処方箋薬を見てみます。

この中で特によく処方されるのはビオフェルミンRではないかと思います。このRはResistance(抵抗)の略で、抗生物質に対して耐性を持った乳酸菌のことを示します。

▼ビオフェルミンR
ビオフェルミンRの商品イメージ2

ビオフェルミンRは菌交代症を予防改善する

よく「抗生物質に耐性を持った菌が現れた」と問題になることがありますが、乳酸菌も耐性を持ってしまうことがあります。それを利用したのが、このビオフェルミンRです。

抗生物質は抗菌薬ですので、病原菌に侵された際に投与され、病原菌をやっつけます。ところが、抗生物質は腸内細菌にも効いてしまうため、腸内細菌も死んでしまいます。

その際に、善玉菌や日和見菌が多く死んで、悪玉菌があまり死ななかった場合、善玉菌や日和見菌の持っていた縄張りを悪玉菌が占領してしまい、体調を崩してしまうことが起こりがちです。

そこで、この耐性乳酸菌を飲むことで、善玉菌や日和見菌が空けた縄張りを耐性乳酸菌に占領させ、悪玉菌の増殖を抑えるのがこのお薬の目的です。

ビオフェルミンRはフェーカリス菌の耐性株です。具体的な菌株名は公開されていませんが、129 BIO 3B株で説明した通り、フェーカリス菌は非常に早い分裂増殖速度を持つ菌ですので、悪玉菌より先に空いた縄張りを占領することができるのです。

ビオフェルミン配合散は耐性を持たないフェーカリス菌

ビオフェルミン配合散は粉薬です。成分はラクトミンと言うことになっていますが、このラクトミンというのは製薬メーカーによって成分が異なります。ビオフェルミン製薬では、ラクトミンの成分はフェーカリス菌です。他のメーカーでは、アシドフィルス菌を配合したものがあります。

ビオフェルミン配合散のラクトミンについては、フェーカリス菌であること意外、具体的な菌株は公開されていませんが、もしかすると上で紹介した129 BIO 3B株かも知れません。

お腹の不調に処方されますが、副作用の少なさや穏やかな効き目から、赤ちゃんや子供に処方されることが多いようですね。

ビオフェルミン錠はビフィズス菌でできている

ビオフェルミン錠は、ビオフェルミン配合散を錠剤にしたものというわけではなく、ビフィズス菌を製剤したものです。

▼ビオフェルミン錠
ビオフェルミン錠商品イメージ2

このお薬も副作用はまず現れませんし、効き目も穏やかですから、錠剤が飲める年齢の子供からお年寄りまで、お腹の調子をととのえるために広く処方されます。

この菌も菌株は未公開ですが、上で紹介したG9-1株ではないかと思われます。

耐性株以外は、新ビオフェルミンSを菌種に分けて製剤したもののイメージがありますね。市販の新ビオフェルミンSでの置き換えが可能かどうかはお医者さんに相談して下さい。もちろん耐性株の置き換えはできません。

市販薬としてのビオフェルミンの特徴と効果

第2類・第3類の医薬品に分類されるビオフェルミンは、副原料の機能を期待した上で、乳酸菌の整腸作用を利用するという性質のものです。

副原料の方に、副作用をもたらすものもありますから、使用上の注意をよく読んだ上で、用法・用量を守って使用して下さい。

ビオフェルミン便秘薬(第2類医薬品)

このお薬は「11歳から飲める」と言う穏やかな効き目をアピールした便秘薬です。便秘薬は腸を刺激することが多いので、整腸効果を持つ乳酸菌とは相性が良いのでしょう。

▼ビオフェルミン便秘薬
ビオフェルミン便秘薬の商品イメージ2

乳酸菌以外の主成分は「ピコスルファートナトリウム水和物」です。処方箋薬でも用いられる「大腸刺激性下剤」の代表格ですね。副作用は少ないですが、漫然と使うと「慣れ」が出て効き目が悪くなります。

それにビフィズス菌とラクトミン(フェーカリス菌)を配合したのがこのお薬です。いずれも処方箋薬で用いられた実績のあるお薬です。

ビオフェルミン下痢止め(第2類医薬品)

このお薬には、ゲンノショウコ乾燥エキス・シャクヤクエキス・ロートエキスと言う生薬由来の成分が入っています。また、タンニン酸ベルベリンと言う下痢止め剤も配合されていますが、このベルベリンも生薬の成分です。

▼ビオフェルミン下痢止め
ビオフェルミン下痢止め商品イメージ2

多くの下痢止めで注意されることですが、O-157や赤痢菌の感染症による出血性の下痢や、細菌感染性の下痢に用いてはいけません。

このお薬に配合されている乳酸菌は、ビフィズス菌です。このお薬は主に腹痛を伴う下痢によく効きます。

ビオフェルミン止瀉薬(第2類医薬品)

止瀉薬とは下痢止めと言う意味ですので、先の製品とかぶってしまいますが、こちらは飲み過ぎ、食べ過ぎ、消化不良による下痢を対象としていて、腹痛に対する効果は「下痢止め」のほうが強くなっています。

▼ビオフェルミン止瀉薬
ビオフェルミン止瀉薬商品イメージ2

成分的には下痢止めとほぼ同じですが、シャクヤクエキスだけが配合されていません。

また、乳酸菌としてはフェーカリス菌だけですが、新ビオフェルミンSの10倍量が配合されているようです。乳酸菌による素早い整腸効果を期待しているのだと思います。

ビオフェルミン健胃消化薬錠(第3類医薬品)

このお薬は、どちらかと言うと乳酸菌のほうが補助的な位置にいると思われます。

▼ビオフェルミン健胃消化薬錠
ビオフェルミン健胃消化薬錠商品イメージ2

成分は、まずリパーゼAP6・ニューラーゼ・ビオヂアスターゼ2000と言う消化酵素です。前から順に脂質・たんぱく質・炭水化物を消化します。

さらに、ガジュツエキス・ゲンチアナ乾燥エキス・ケイヒ末・ショウキョウ末・アカメガシワエキスと言う、生薬由来の健胃成分が配合されています。

こうした有効成分に加えて、ラクトミンが配合されていますが、その量は新ビオフェルミンSのフェーカリス菌と同量に過ぎません。つまり乳酸菌の総量で見た場合、新ビオフェルミンSの1/3しか入っていないのです。

ビオフェルミンVC(第3類医薬品)

このお薬は、成分的にサプリメントっぽいイメージを持ちました。ビフィズス菌とラクトミンを同量配合した上に、ビタミンCとビタミンB2、B6を配合したものです。

▼ビオフェルミンVC
ビオフェルミンVC商品イメージ2

キャッシコピーは「お腹のハリが気になる人に」という事ですので、そうした症状がある人に向いているのかもしれません。

個人的には新ビオフェルミンSと総合ビタミン剤やビタミンサプリの組み合わせでも良いんじゃないかと思います。

一部のお薬では、ビオフェルミンの名を冠している以上は、乳酸菌が必要条件という強迫観念のようなものを感じないでもありません。

結論:ビオフェルミンは市販の新ビオフェルミンSでOK

こうして見てみる限り、ビオフェルミンは抗生物質と一緒に飲む「ビオフェルミンR」を除いて、新ビオフェルミンSが最も効果的なのではないかと思います。

下痢止めや便秘薬、ビタミン剤については、特にビオフェルミン製薬の商品にアドバンテージがあるとも言い切れませんので、お好きな商品を選べば良いと思います。

また、処方箋薬としての、耐性乳酸菌以外のビオフェルミンは、機能的に特にそれを選ぶメリットはないと思います。

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