ガセリ菌ヨーグルトの効果は内臓脂肪・プリン体を減らす!

健康効果をアピールしているヨーグルトで名前を見ることが多いものにガセリ菌があります。このガセリ菌とはどんな乳酸菌なのでしょう。

一言で言うと「普通の乳酸菌だけど、健康効果について多くのパターンが研究されている菌」と言えるでしょう。意外にガセリ菌だと気づかずに食べていることもあるんですよ。

ガセリ菌はメジャーな乳酸菌!腸の中に定着する可能性が高い

ガセリ菌の本名は、ラクトバチルス属ガッセリー種です。ラテン語読みと英語読みで微妙に発音が異なりますが、ガーッセリまたはガッセリーに近い音で聞こえます。

ラクトバチルス属は狭義の乳酸桿菌で、下位に140種ぐらいの菌種を持つ、乳酸菌の中で最大のグループです。その中でも、もともとアシドフィルス種に含まれていたこともあって、同じ経歴を持つアシドフィルス種やジョンソニー種と似た性質があります。

ガセリ菌は人間に常在している乳酸菌

ガセリ菌は人間の体内常在菌です。主に小腸や口の中、女性の膣内に棲んでいます。女性に棲んでいるものは、他のラクトバチルス属乳酸菌とともに、デーデルライン桿菌と言うグループを形成して、大切な部分を病原菌から守っています。

また、消化器系では小腸に棲んでいるというのが特徴的ですね。ラクトバチルス属は通性嫌気性菌と言って、酸素があっても死ぬことはない嫌気性菌です。

ですから、酸素があると死んでしまう偏性嫌気性菌であるビフィズス菌が定着している大腸よりも、酸素の存在する量が多い小腸でも生きて行けるのです。小腸に棲んでいると、大腸にいるより栄養が摂りやすいのでしょう。

そして重要なのは、もともと人間の常在菌ですから、ヨーグルトなどで食べた場合、腸の中に定着する可能性があるということです。

口から摂った乳酸菌は間違いなく善玉菌ですが、もともと常在菌でないものは善玉菌であっても、腸の中に定着することはできません。食べてから排便までの時間の間には腸の中で乳酸を作り出したりして役には立ってくれますが、せいぜい数日で全部排泄されます。

これは、腸内細菌には縄張りがあり、現在住んでいる菌以外のものは、善玉菌や悪玉菌という分類に関係なく腸内細菌として常在している菌に追い出されてしまうからなんです。

場合によっては、なんとか腸の壁に取り付いたとしても、免疫寛容と呼ばれる働きで、人間の免疫システムの攻撃から免れている菌とは違って、人間の身体の働きで追い出されることもあるでしょう。

人間由来のガセリ菌は定着できる可能性がある

よく、悪玉菌を抑えて善玉菌を増やすという表現を使いますが、これは新しい善玉菌が棲みつくという意味ではなく、既に棲んでいる善玉菌が勢力範囲を広げるという意味にほかなりません。

ですから、既に住んでいる菌と同じであれば定着できる可能性が出てきますが、例えば「生きて腸まで届きやすい植物乳酸菌」は、人間由来ではないので定着は難しいでしょう。

それに比べると、ガセリ菌ははるかに定着しやすい乳酸菌です。詳しくは後でお話しますが、ガセリ菌の高い定着率を示した研究も行われています。

ただし、100%定着できる菌というのは存在しません。腸内細菌の中で善玉菌と呼ばれているものの99.9%までがビフィズス菌です。でも、ビフィズス菌の中で100%定着できるものはないのです。

ビフィズス菌については、別の記事で詳しく説明しますが、ビフィズス菌とはビフィドバクテリウム属に分類される30種類ほどの乳酸菌の総称です。そのうち10種類ぐらいが人間から検出されています。

でも、どれか一つの種で見た場合、広く検査したところ、100%の人から見つかったというものはありません。

ですから、ガセリ菌であっても、必ず誰にでも定着できるものではないと考えておくことが重要です。食べてみて効果が感じられなかったら、自分には合わなかったのだと考えて下さい。

ただし、効果のほどは2~3か月の間、毎日食べてみないと現れないでしょう。1~2週間食べて「効かないや」と思うのは短気に過ぎます。臨床試験でも8週間から12週間というのがよく見られる投与期間です。

▼関連記事
ビフィズス菌の効果とは。大腸まで届き定着するヨーグルトはどれ?

乳酸菌というと大腸のイメージが強いですが、小腸でも見つかっているんですね。実際、乳酸菌が栄養にできる物質は小腸の方に多いので、充分考えられることだったと言えるでしょう。

ガセリ菌はいろいろ商品化されている!代表的なヨーグルトはこれ

ガセリ菌は、その機能性をアピールして、ヨーグルトを中心に様々な商品に用いられています。乳酸菌ですから整腸効果があるのはもちろんですが、それ以外の効果に注目した商品が多いです。

また、ヨーグルトに配合されている場合、ヨーグルト本体はブルガリア菌とサーモフィルス菌で作り上げ、ガセリ菌はプラスアルファの形で入っていることが多いようですね。これは味の問題もあるでしょう。

ガセリ菌SP株は機能性を売りにした代表選手

雪印メグミルクのナチュレ恵や恵シリーズに使われているガセリ菌SP株は、内臓脂肪対策を前面に打ち出したものです。

▼ナチュレ恵
ナチュレ恵商品イメージ

SP株と言うのは雪印メグミルクの乳酸菌に付けられる”Snow Probiotics”から取った菌株商品名で、一般名としてはSBT2055株と呼ばれています。

この菌は日本人の小腸から分離された乳酸菌で、定着性が高いことをボランティアに食べてもらって確認しています。1週間食べただけで、8人中4人の便から、食べるのを終わってから90日以上も菌が検出され続けたそうです。

この期間になると、ほぼ定着したものとみなしても問題ないでしょう。定着率は50%ですが、先にお話した通り、個人差が必ず現れるのは仕方のないことです。

そして、この菌は内臓脂肪の低減作用が確認されています。

雪印メグミルクによると、肥満傾向の101人を対象に12週間連続でこの菌を取った場合の臨床試験を行った結果、この菌ではないヨーグルトとの比較で、おおむね内臓脂肪が7~8%減ったと言う結果が得られたということです。

腹回りが気になる私としても、これはなかなかありがたい効果ですね。

LG21乳酸菌もガセリ菌

明治プロビオヨーグルトのシリーズに使われている、LG21乳酸菌は「リスクと戦う乳酸菌」と言うキャッチフレーズで商品化されています。

▼明治プロビオヨーグルトLG21
明治プロビオヨーグルトLG21商品イメージ

LG21株はやはり商品名としての菌株名で、本名はOLL2716株です。

この菌は非常に胃酸に強く、胃で活動できることが確認されています。胃壁に接着する能力もあることから、胃炎・胃潰瘍の原因菌であるヘリコバクター属ピロリ種(通称:ピロリ菌)の活動を抑制することができます。

乳酸菌単独ではピロリ菌を駆除できませんが、除菌療法を行う前にLG21乳酸菌を継続して摂っておくと、除菌治療の成功率が大きく向上することが判っています。

ガセリ菌の一菌株であるLG21乳酸菌は、SP株とは全く違う方向での機能性を持っているのです。

PA-3乳酸菌はもしかすると2種類?

明治プロビオヨーグルトのもう一つの製品、黄色いラベルのPA-3に使われている、PA-3乳酸菌もガセリ菌です。

▼明治プロビオヨーグルトPA-3
明治プロビオヨーグルトPA-3商品イメージ

PA-3株としか表記されていませんが、それ以前に明治が取った特許を見ると、いくつかの一般名の菌株が示されています。

まあ、名前については興味だけの問題で、実際に効果があるのかどうかというのが一番のポイントですね。

この乳酸菌はプリン体の前駆物質である物を資化して消費することで、プリン体を減らします。簡単に言えば、プリン体を横取りして食べてしまう乳酸菌と言えるでしょう。

一般にはプリン体は代謝されていって、体内で尿酸に変化し、尿に混じって排泄されますが、それが追いつかなくなると、体温が低い足の指の関節などで結晶化し、関節炎による激痛を引き起こします。いわゆる痛風発作ですね。

それを抑えてくれるのがPA-3乳酸菌です。

痛風について見ると、一番の問題はお酒や脂っこいものが好きな痛風患者は、ヨーグルトなどを好まないことが多いということでしょうか。

カルピスからは2方向の利用法を意識したガセリ菌が出ている

カルピスからも2種類のガセリ菌商品が発売されています。菌株名は異なっていますが、これは商品名としての菌株名で、実際のところ同じ菌を違う用途で使っているということだと思います。

もしかすると、片方は機能性表示食品としての表示を行っている関係からかもしれません。

プレミアムガセリ菌は飲料用

カルピスから発売されている清涼飲料水、「届く強さの乳酸菌・プレミアガセリ菌CP2305」は機能性表示食品としての届け出を行っている清涼飲料水です。

▼届く強さの乳酸菌・プレミアガセリ菌CP2305
届く強さの乳酸菌・プレミアガセリ菌CP2305商品イメージ

プレミアムガセリ菌100億個と言う表示や、商品名の「届く強さ」から、生菌が生きて腸まで届くようなイメージがあるのですが、常温保存が可能なペットボトル飲料なので、殺菌成分じゃないかということが気になります。

そこで、消費者庁のデータベースで検索してみました。それによると、やはりガセリ菌は殺菌されているということでした。ガセリ菌CP2305株を使った臨床試験で、殺菌菌体でも生菌と同じ効果が確認されたことから、殺菌菌体で調整したとあります。

(参照:販売しようとする機能性表示食品の科学的根拠などに関する基本情報・届く強さの乳酸菌 |消費者庁 機能性表示食品データベース)

ただ、機能性表示食品としての機能は腸内環境の改善に役立つと言う、比較的一般的なものです。しかし、このガセリ菌は腸内環境の改善から、脳への良い働きかけが期待される「脳腸相関」にターゲットを絞っています。

つまり、腸内環境を改善することで、ストレスを減らすという効果を狙った商品です。

ガセリ菌C-23はサプリメント用

同じガセリ菌CP2305株の菌体成分を錠剤に加工したサプリメント、「ココカラケア・C-23ガセリ菌」と言う商品があります。心と体のケアと言う意味のネーミングです。

▼ココカラケア・C-23ガセリ菌
ココカラケア・C-23ガセリ菌商品イメージ

詳しい効能は示されていませんが、おそらく届く強さの乳酸菌と同じ菌を使っているので、腸内環境の改善からストレスを減らす、脳腸相関の改善を狙ったサプリだと思います。

機能性表示食品や特定保健用食品などではありませんが、飲み物として摂るのがボリューム的に嫌だという人の場合、こうしたサプリを利用するのも悪くないと思います。

どうしても殺菌菌体の効果に期待した製品はイメージが良くないせいか、メーカーもそれをはっきり書きたがらない傾向があるようです。しかし、殺菌菌体のほうが効果がある場合もあるので、そこは消費者の側が知識を身に付けるべきでしょう。

生菌と死菌の知識については、関連記事に詳しいので、そちらを見て下さい。

▼関連記事
死んでも効果がある乳酸菌はコレ!生きて腸に届ける必要がない理由

カルピスと言えば殺菌成分でうまく効果を引き出す名手ですから、別に生菌でなくてもいいと思うんですが、世間が持つイメージって怖いですね。

ガセリ菌は海外では減量の効果が期待されている

このようにガセリ菌には様々な効果を持つ菌株が存在し、商品化されていますので、私たちも気軽に手にとって利用することができます。

一方、おそらく雪印メグミルクのSP株が持つ内臓脂肪を減らす作用が注目されたのでしょう、海外ではダイエット用として乳酸菌サプリにガセリ菌が使われているのをよく見ます。

菌株はSP株ではないのですが、もしかすると研究が行われたのかもしれませんね。残念ながら根拠となる研究を見つけられはしませんでした。

それに基本的にはサプリで摂るより、ヨーグルトなどの発酵食品で摂った方が、美味しくてお得ではないかと思います。

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