腹痛のタイプ別、下痢に効く乳酸菌!下痢しやすい人必見です

下痢は不快なものです。特に腹痛を伴う下痢は大変嫌なものですね。

乳酸菌にはこの下痢を抑える力があるのでしょうか。結論から言うと乳酸菌は下痢を抑える力を持っています。

しかし、摂り方を誤ると効き目が期待できないだけでなく、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。ですので、適切なタイミングで適切な乳酸菌発酵食品を摂るようにしましょう。

注意!突然起こる急性の下痢ではヨーグルトを食べない方がいいかも

下痢と言った時に一番に思い浮かぶのが、悪いものを食べてしまって食中毒を起こし、激しい腹痛とともに水のような下痢をすると言う最も激しい症状を見せるものです。

一方、何となくいつも便がゆるいけれど、体重が減るでもなし、お腹が痛くなるわけでもない…と言う下痢もあります。

この場合、汗をかきにくくなったとか残尿感があるとか、さらに男性のEDが見られるとかの場合、糖尿病が疑われます。

このどちらにも乳酸菌は有効なケースがありますが、少なくとも食中毒でお腹を下している真っ最中には、水分補給だけにとどめて、ヨーグルトなどは食べないほうが良いですね。

熱がある急性の下痢では食べ物を口にしないほうが良いことも多い

例えば、熱が出て水のような下痢が起こった場合、スタフィロコッカス属の細菌(ブドウ球菌)や、ビブリオ属パラヘモリティカス種(腸炎ビブリオ菌)による食中毒が考えられます。

また、最近話題になっている「一晩寝かせたカレーで食中毒」の原因になるクロストリジウム属ペルフリンゲンス種(ウェルシュ菌)によるものでも、同じような症状が見られます。

こうした「発熱と激しい下痢」がある時は、まず出るだけ出してしまいましょう。もちろんすぐに受診されることをお勧めします。

そして、適切な治療を受けた後、お医者さんから食事をとっても良いと言う許可が出たら、ヨーグルトなどを少しずつ取るのが良いですね。

受診する前に下痢止めなどは飲まないほうが良いです。エスケリキア属コリ種(通称:大腸菌)血清型O111やO157などのうち高病原性株による食中毒では、かえって症状を重くしていまいます。

まずは白湯や湯冷ましを飲んで脱水症状を起こさないようにしながら、すぐに受診して下さい。

ちょっと注意が必要なのは、他の病気や怪我で抗生物質や抗菌剤の内服薬を処方されている時です。こうした場合には腸内細菌のバランスが狂ってしまうことが割合よく起こります。

その結果、大腸でクロストリジウム属ディフィシル種の細菌が繁殖して、偽膜性大腸炎という病気が起こることがあります。偽膜性大腸炎の症状は水のような下痢と発熱が特徴です。

実は内視鏡で見ると、アフタ性口内炎のようなものがいくつも大腸の中にできているんですよ。口の中に1個だけでもあれだけ痛いんですから、腸の中にいくつもできたら大変ですね。

ですので、抗生物質などを服用している時に、このような下痢が起こった場合は、自分で食中毒だと判断せず、抗生物質を処方してくれているお医者さんに、電話でもいいので直ちに報告して相談して下さい。

大抵の場合、抗生物質を処方された時にはビオフェルミンRやエンテロノンRなどの耐性乳酸菌製剤や、ミヤBMと言う酪酸菌製剤が同時に処方されると思います。

あるいはラクトミンと言う、増殖速度がとても早い乳酸菌製剤が使われることもあります。ビオフェルミンという有名な名前のお薬なので、大したことがないお薬だと思って飲まない人もいるようですが、必ず飲んで下さい。

抗生物質や抗菌剤を飲む時の生菌製剤は、副作用を抑える最も有効な手段なのです。

なお、ラクトバチルス属カゼイ種YIT 9029株(通称:乳酸菌シロタ株・ヤクルト菌)が、この偽膜性大腸炎の再発を予防するという研究もありますので、ヤクルトを飲んでおくことが発病予防に繋がる可能性はありますね。

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熱があって血便・粘液便が出る場合にはさらに注意が必要

同じように発熱を伴った下痢で、便や粘液が混じるようであれば、すぐに受診して下さい。やはり食中毒の可能性がありますが、赤痢(細菌性赤痢・アメーバ赤痢)や腸管出血性大腸菌の血清型O111やO157の高病原性株による感染症であることも考えられます。

さらにカンピロバクター属やサルモネラ属の細菌によって引き起こされる食中毒でも、同じような症状が出ます。最近ではやはり、カンピロバクター属による食中毒がよく話題になりますね。

なお、腸チフスやパラチフスを引き起こす最近もサルモネラ属ですが、これは別扱いです。

そして、偽膜性大腸炎と同じように、出血性大腸炎が抗生物質の副作用によって発生することも知られています。これは最初のうち水のような下痢で始まるのですが、2~3日後から便に血が混じるようになります。

そして、治療を行うことで1週間から10日程度で治癒します。生命に関わるようなことはほとんどありません。注意事項については偽膜性大腸炎の場合と同じです。

このタイプの下痢についても、まずは重い症状が収まるまでは水分補給が中心になるでしょう。受診してお医者さんの指示を守って下さい。その後からヨーグルトなどを摂ることは問題ないだけでなく、むしろ推奨されます。

熱が出なくても米のとぎ汁のような下痢は要注意

熱は全く出ない下痢で、米のとぎ汁のような色の水のような下痢が、1日に20回以上も起こる場合、日本では年に数例しか見られないビブリオ属コレレ種の細菌感染症、つまりコレラの可能性があります。

この場合、むしろ低体温になって34℃台まで下がることもあります。コレラは、輸入感染症としてだけでなく、国内でもレアケースではありますが感染例があるのです。いずれにせよ、それほど多く見られる病気ではありません。

一方子供によく見られる、レオウイルス科ロタウイルス属の感染による下痢も、米のとぎ汁のような水様便が見られることがあります。このためロタウイルス感染症は小児仮性コレラなどという名前で呼ばれたこともあります。

コレラはもちろん、きちんとした病院に入院して治療する必要がありますし、素人判断で下痢止めなどを飲んではいけません。

一方、ロタウイルス感染症については、動物実験でビフィドバクテリウム属ラクティス種HN019株(通称:ビフィズス菌HN019)が有効であったということが示されています。

ですので、受診した上で、こうしたプロバイオティクスを利用したいとお医者さんに相談してみましょう。ビフィズス菌HN019はニュージーランドで単離され、デュポンの健康・食品ブランドであるダニスコからリリースされています。

日本では日本ルナの「ビフィズス菌・のむヨーグルト」に使用されています。京都の中堅企業なので、関西では店頭で見るかも知れませんが、他の地方では通販になるでしょう。amazonでも楽天でも取り扱っています。

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ビフィズス菌・のむヨーグルト商品イメージ

ロタウイルス感染症は子供の病気だと思われがちですが、大人でもかかります。

個人的な経験ですが、韓国で感染してしまってひどい目にあったことがあります。

出張で韓国に出向き10日間ほど過ごした後、中国に移動したんですが、中国に到着したその日の夜、真っ白な水様便のひどい下痢に見舞われました。ロタだと見当はついたので、とりあえず出るものは出して、ホテルで朝を待ちました。

幸い腹痛はそれほどでもなかったので、朝になってからスーパーへ出かけて、いつものヨーグルトを買って多めに食べたところ、丸1日寝込んだだけで仕事に復帰できました。

蒙牛プレーンヨーグルトと言う商品に、このHN019が使われているのかどうかは判りませんが、中国ではヨーグルト原料をヨーロッパから仕入れることが多いそうなので、もしかすると可能性はあるかもしれませんね。

中国ではまともな病院はかなり費用がかかる上に、日本の病院ほど信頼できないことが多いので、こうした対応を取らざるを得ないことも多いんですよ。

熱の出ない下痢で吐き気・嘔吐・腹痛を伴う場合

この場合は、急いで受診して下さい。難病の好酸球性胃腸炎や、原因が他にあって大腸の血流が阻害されて起こる虚血性大腸炎の可能性があります。

もちろん他の下痢の可能性もあるのですが、そうした重い病気の可能性は、まず受診して否定しておかないと、乳酸菌を摂るにしてもどのように食べたら良いのかの判断ができません。

特に糖尿病や脂質異常症など、動脈硬化・血流低下を伴う合併症が起こる基礎疾患を持っている人は、かかりつけの医院・病院へ出向いて、すぐに診断を仰ぎましょう。乳酸菌で腸の調子を整えるのは、診断がついてからにして下さい。

さらに、熱が出ず、吐き気・嘔吐や強い腹痛を伴わないものの水のような下痢、あるいは粘液の混じった下痢がある場合は、過敏性腸症候群の始まりの可能性があります。すぐに受診して感染症や食中毒あるいは器質的な異常がないかどうかを確認してもらいましょう。

もしそうした異常がなく症状だけがある場合、プロバイオティクスの利用が視野に入ってきます。お医者さんにヨーグルトなどの利用について相談して下さい。
急性の下痢は、特に症状が重いうちは、水分補給に徹した方が良いでしょう。ヨーグルトなどを、いつから食べても良いのかは、お医者さんと相談ですね。

ヨーグルトを食べていい?慢性の下痢は体重減少があるかどうかで区別する

慢性の下痢には腸の病気だけでなく、膵臓など消化器系ではあるものの消化管ではない部位の病気や、甲状腺のような内分泌系の病気が原因で起こることもあります。

いずれにせよ乳酸菌を利用することは役立つケースもありますが、かならず事前に病気の原因を突き止めると同時に、お医者さんと相談した上でプロバイオティクスを利用するようにして下さい。

体重が減って腹痛や熱があり血便や粘液便・膿便が出る場合

この場合、潰瘍性大腸炎の疑いがあります。この病気は難病に指定されている慢性病で、17万人以上の患者さんがいます。原因不明の病気としては患者数が多いのが特徴ですね。

一部のビフィズス菌に、症状を緩和させる働きがあるのではないかと考えられていますので、お医者さんから出されるお薬と併用するのも悪くありません。

どのビフィズス菌が良いのかはあまり情報がありませんが、鹿児島大学などの研究グループは、ビフィズス菌をシームレスカプセルに閉じ込めて腸に直接送り込む方法を取ったようです。

雪印メグミルクの「恵 ビフィズス菌SP株カプセルヨーグルト」と同じ腸で溶けるタイプのカプセルを使った方法ですね。

その他にも有用なものがあるかもしれませんので、お医者さんに相談してみて下さい。

体重が減って腹痛や熱があり水のような下痢便が出る場合

この場合、やはり難病で「炎症性腸疾患」として潰瘍性大腸炎とともにIBDの略号で呼ばれることもある「クローン病」の可能性があります。

一方、結核菌が腸に感染して起こる腸結核も同じような症状が現れますので、必ず受診して原因を突き止めなくてはいけません。

動物実験ですが、ラクトバチルス属カゼイ種の乳酸菌のDNAを細かく切ったものが、IBD治療薬の開発につながるのではないかという報告があります。

この菌はヤクルトやピルクルに、大量に含まれている乳酸菌ですが、果たしてそうした乳酸菌飲料に効果があるかどうかは判りません。しかし難病で特別な治療法がないこうした病気には、お医者さんと相談しながら利用するのも良いでしょう。

一方、腸結核であった場合、半年から9ヶ月の抗結核薬の服用で完治可能ですし、治療費の一部が公費負担されます。ですので、まずは病院で気長に治療を受け、ヨーグルトなどはお医者さんに相談してから食べて下さい。

抗結核薬も抗生物質の一種ですから、もしかすると乳酸菌製品を一緒に摂るのは悪くないかもしれませんね。

体重が減って腹痛があり便に脂肪が混じったり吐き気がある場合

この場合は慢性膵炎の可能性があります。慢性ではなく急性の膵炎で、ラクトバチルス属プランタルム種299株の投与が、膵臓の壊死や腫瘍の発生を抑制したというデータがあります。

ただ、慢性膵炎についてはそうしたデータも見当たらず、また、慢性膵炎では脂質の摂取を抑えるべきですので、乳酸菌を摂るにしてもサプリや脂肪ゼロタイプのヨーグルトで摂る必要があります。

あまり乳酸菌を利用するのに適した病気ではないのかも知れませんので、どうしてもヨーグルトを食べたい場合はお医者さんとよく相談してからにして下さい。

体重が減るが腹痛はなく下痢がある場合

この場合、脂肪便や吐き気・嘔吐が見られたら吸収不良症候群の疑いがあります。しかし、この症候群は下位分類が広いため、まとめてお話できるようなものではありません。

場合によっては乳酸菌が有効である場合もあるでしょうが、全てがそうだとは限りません。

一方、水のような下痢で頻脈や動悸がある場合は、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症である可能性があります。

ですので、こうした症状がある場合には受診して治療方法を指示してもらうことが先決になります。乳酸菌についてはその後の話になるでしょう。

体重は減らないけれど腹痛があり自律神経症状がある場合

この場合は、先に急性の項目でお話した、過敏性腸症候群が慢性化したものの可能性があります。便に粘液が混じることもあります。

先にもお話したとおり、乳酸菌などのプロバイオティクスが役立ちやすい状態です。ですので、まずは受診して感染症や食中毒、器質的な異常がないことを確認して下さい。

その上で、ヨーグルトなどを上手に取り入れて腸の調子を改善して行って下さい。

体重も減らないし腹痛もないけれど下痢をする場合

この場合、最初に紹介した通り、糖尿病が疑われます。異常な喉の渇き、全身の倦怠感、多飲多尿、汗の少なさ、男性のEDなどが一つでも伴っていたら、それを前提に受診して下さい。

一部の乳酸菌には、2型糖尿病の原因の一つである、インスリン抵抗性を生み出す内臓脂肪を抑制する働きがありますから、多少は役に立つかもしれません。

無糖ヨーグルトなどを、上手に生活に組み入れることがおすすめと言えるでしょう。もちろん、病院へは毎月通って治療を行ってくださいね。

慢性の下痢のほうが乳酸菌が活躍できる要素が多いかもしれませんね。もちろん、下痢の原因は突き止めておいて下さい。

乳酸菌発酵食品をとっても良いのなら種類は選ばなくても良い

病院で診察を受けて、ヨーグルトなどを摂っても大丈夫だと言われた場合、今度はどのヨーグルトを食べようかと悩みます。でも、それは好みでOKです。

機能性をアピールした製品に期待するもよし、今日のチラシの品を選ぶも良しです。大切なのは腸内環境を整えるということと、乳酸菌の菌体成分によって免疫力を上げるということなのです。

機能性の高い乳酸菌を使ったヨーグルトは、下痢の時に食べてもどこまで効果があるかは未知数です。まずは下痢の原因を完全に治してから、そうした機能性のあるヨーグルトを選んだほうがお得です。

下痢をした後は腸内環境はボロボロ

下痢をするということは、お腹の中に残っているべきものまで出してしまっている可能性が高いですね。善玉菌も悪玉菌も日和見菌も、みんな流されてしまっているかも知れません。

もちろん、腸に定着している腸内細菌は腸の粘液に接着していますから、いなくなってしまうことはありません。でも、本来のバランスは崩れきっているでしょう。

一方で、それはチャンスでもあって、もともと腸内で支配的な細菌であるビフィズス菌を繁殖させれば、下痢の前より環境が良くなるかもしれないわけですね。

ですから、生きて腸まで届かなくてもいいので、とにかく乳酸菌を送り込みましょう。そうすれば生きている菌は乳酸を分泌して悪玉菌の繁殖を抑えて、善玉菌が増えやすくなります。

死んだ菌は菌体成分が免疫細胞に働きかけて免疫力を活性化すると同時に、善玉菌であるビフィズス菌が増える際に役立ってくれるのです。

漬物などは治ってからにしよう

ぬか漬けは乳酸菌が摂れますし、わずかながら酪酸菌が摂れるかもしれません。納豆菌はもちろんお腹の環境を整えてくれる善玉菌です。

でも、下痢が治ってすぐに食べるにはちょっときついかもしれませんね。まずはヨーグルトや乳酸菌飲料で善玉菌を増やしましょう。

完全にお腹が復調したら、さまざまな発酵食品を積極的に摂ることで、下痢だけでなく様々な病気を予防するようにして下さい。

下痢のときは乳酸菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖が下痢を悪化させることがあります。そうした意味では、サプリよりヨーグルトのほうがエサ込みで摂れるから良いかもしれませんね。
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