冷え性を改善できる乳酸菌はラブレ菌。身近な発酵食品も効果あり

女性では冷え性に悩んでいる人が少なくありませんね。もちろん冷え性は年齢に関係なく起こるものですが、それでも特に更年期症状として冷えを訴える人が多いようです。

こうしたお薬では対処しにくい症状ということになると、乳酸菌など普段の生活で摂るものに活躍を期待しちゃいますよね。

おそらく、乳酸菌はその期待に応えてくれます。

ラブレ菌が示した乳酸菌の冷え性改善の可能性

カゴメのラブレに配合されている、ラクトバチルス属ブレビス種KB290株(通称:ラブレ菌)を使った、小規模な臨床試験で、ラブレ菌が冷え性を含む更年期症状の改善に役立つという、予備的な報告がなされています。

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対象となる人数が少ないことや、メカニズムがまだ明らかではないことから、予備的な報告ではありますが、今後研究が進められて行くことでしょう。

冷え性は正確な定義のない症状

「冷え」と言う言葉は、漢方では治療の対象となる病気ですが、西洋医学では原因となる病気がない症状、不定愁訴という扱いになるため乳酸菌が症状を改善するかどうかは、対象となる人の自覚症状が消えたかどうかで判断するしかありません。

つまり、客観的に判断する手立てがあまりないとも言えるのです。しかし、そのことは逆に「自分にとって改善したと感じられるもの」であれば、どんな方法でも有効と言えるでしょう。

とは言え、定義がないと言うところで足踏みしていたのでは前に進めませんから、ここは冷え性というものについて、仮の定義を行っておきましょう。

  • 手先・足先・腰のいずれか、または全部が冷たくなって、つらく感じる
  • 他の人より「寒がり」である
  • 夏場の冷房がつらく感じられることがある

こうした症状がある人を冷え性だと考えて、ここから先の話を進めて行きます。

ラブレ菌では効果が見られたが他の乳酸菌ではどうなのか

ラブレ菌を用いた臨床検査では、ラブレ菌を服用した人としていない人という、単純な比較で行われているので、ラブレ菌の何が有効であったのかはまだ判りません。

KB290株という菌株で示されるラブレ菌ならではの性質なのか、菌株にかかわらずブレビス種という特定の種の持つ性質なのか、あるいはラクトバチルス属と言う、広い範囲の乳酸桿菌が持つ効果なのかは、今後の研究に待たなければなりません。

もしかすると、ラクトバチルス属を含む、乳酸菌全体という可能性もありうるのです。

ですので、ラブレ菌が冷え性を改善したという臨床試験の結果は、ラブレ菌以外の乳酸菌が冷え性に効果がないということを示したものではなく、むしろ今後の研究に期待を持たせる結果と言えるでしょう。

ラブレ菌も主に腸内環境を整える役目を果たす植物性乳酸菌ですが、冷え性に効くというのは良いですね。とは言え、この2つは独立したものではなく、おそらくどこかで関係があると思います。

冷え性は血行不良と自律神経失調が関わっている

もちろん冷え性は医学的に定義された病気ではありませんから、血行不良だとか自律神経失調とか言っても、それに医学的な裏付けはなく、経験則的な判断になります。

それでも、「血行を良くする」「自律神経を整える」と言うことが、冷え性を改善するだろうということは、誰しも経験的に同意できることなんじゃないでしょうか。

ヨーグルトは自律神経のバランスを整える

冷え性においては、興奮性の自律神経である交感神経の反射が悪くなっていることがあります。冷たい水で手を冷やすと、交感神経の働きは抑制されますが、水から手を出すとすぐに交感神経が働いて手の温度をあげます。

ところが、自律神経の働きが悪いと、この交感神経の立ち上がりが遅く、冷やした手の温度が上がりにくいという傾向が認められています。

乳酸菌にこの傾向を緩和することができるのかどうかははっきりしていませんが、ヨーグルトには交感神経系で興奮性の神経伝達物質として働くグルタミン酸が、牛乳より少し多く含まれています。

単純にグルタミン酸だけが多ければ良いのであれば、化学調味料を食べておけば良いことになりますが、ヨーグルトには逆に鎮静系の副交感神経を働かせるγアミノ酪酸(GABA)も含まれています。

つまり、自律神経の興奮と鎮静のバランスを上手く取ってくれる可能性があるということなのです。さらにGABAは乳酸菌の力によってグルタミン酸から作られますし、GABAの含有量はグルタミン酸の数%に過ぎません。

ですから、グルタミン酸が枯渇したり、GABAが過剰になったりということもないのです。このような働きから、乳酸菌と言うより、ヨーグルトに冷え性改善効果があるのかもしれませんね。

乳酸菌は血管の状態を改善する

ヨーグルトが冷え性を改善する可能性があると言っても、ラブレ菌はもともと、京都の伝統漬物であるすぐき漬けから分離されたものです。カゴメの乳酸菌飲料であるラブレには乳成分がいくらか含まれてはいますが、ヨーグルトではありません。

また、カゴメのサプリとしてのラブレには、乳成分は全く含まれません。でんぷんなどの糖質と、ステアリン酸カルシウムやヒドロキシプロピルメチルセルロースと言った食品添加物が加えられているだけですので、効果はラブレ菌によるものと考えて良いでしょう。

そこで注目されるのが、同じ植物性乳酸菌である、ラクトバチルス属プランタルム種の働きです。

米国心臓協会学術集会2015で、ウイスコンシン医科大学のモービン・マリク博士が発表したところによると、ラクトバチルス属プランタルム種を含む乳酸菌飲料を、冠動脈疾患の既往のある人に飲ませたところ、血管の状態が改善したそうです。

ここでは血流に依存して、血管がどの程度拡張するのかという数値を測っていますが、飲み始めて1週間後と6週間後では、数値が33%ほど改善していたということです。

(参照:「乳酸菌」の摂取、6週間で血管内皮機能が改善|日経メディカル AHA2015取材班)

このように、乳酸菌には血管の弾力性を改善する働きがあります。簡単に言うと、動脈硬化の改善ですね。ですので、血管が固くなって末梢にまで充分血流が行き渡らなくなって冷え性が起こっていた場合でも、それを改善してくれる可能性があります。

乳酸菌は全身状態を改善する

言うまでもなく、乳酸菌は腸内環境を整えることで腸の動きを良くし、老廃物の滞留を防ぐと同時に、エネルギーとして使える物質を増やしてくれます。一言で言うと「身体全体を元気にしてくれる」と言う働きがあるわけですね。

こうした働きは体内での熱産生を助けてくれますから、身体に入ってきたカロリーを、熱に変えて消費することで冷えを防いでくれます。食べた物のカロリーを熱として消費してくれるということは、ダイエットの助けにもあるでしょう。

もちろん便秘という、直接冷え性とは関係ないものの、なぜか冷え性とよく連動する症状も改善してくれますから、乳酸菌を摂ることはとても役に立つと言っていいと思います。

動脈硬化の改善ということになると、更年期以降の女性にとってはありがたいんじゃないでしょうか。もちろん男性にも大きな福音になると言えるでしょう。

味噌や醤油も発酵食品として冷え性を改善する

味噌や醤油と言えば、大豆・小麦・米などを麹菌で発酵させたものですが、発酵の過程では乳酸菌も重要な役割を持っています。

この乳酸菌ですが、スターターとして種菌を原料に混合して発酵させることが一般的です。

もちろん、ヨーグルトに使うような乳酸菌では、塩分に負けて発酵できませんので、耐塩性の強い乳酸菌を用います。

麹菌も乳酸菌も利用できなかった多糖に効果がある

味噌も醤油も大豆を発酵させて作られるもので、麹菌の種類によってさまざまな味わいの製品ができます。一方で、乳酸菌の方はほとんどがテトラジェノコッカス属ハロフィルス種が用いられます。

この菌は四連球菌と呼ばれる、丸いものが4つ連なった形の乳酸菌で、塩分に対して強い耐性を持っていますから、味噌や醤油を発酵させて乳酸を作り出し、味を複雑にするのに寄与しています。

この乳酸菌は、ヘテロ乳酸発酵をする菌ですが、珍しいことに乳酸と一緒にクエン酸を作り出す菌なのです。

味噌や醤油を作り出す過程では、大豆などに含まれる炭水化物を、麹菌や乳酸菌が分解するのですが、一通り発酵が終わったあとにも、分解されずに残る多糖類があります。

醤油多糖類(SPS)とも呼ばれることがあるこの多糖類には、アレルギー抑制や血圧抑制効果とともに、冷え性の改善効果があることが知られています。

ならば大豆を食べておけば良いのかというと、どうやら微生物による分解を経た後に残る多糖類に効果があるようですので、味噌や醤油を利用するのが良さそうですね。

味噌や醤油にはしょうががよく合う

豆腐を食べるときにはしょうがと醤油は欠かせませんね。ブリやサバなど、青魚の味噌煮には針生姜を天盛りにして食べると美味しいです。

言うまでもなく、しょうがは身体を温め、冷え性を改善する食品です。それどころか、漢方では「ショウキョウ」と言う生薬にもなっています。

このように、普段の食生活に和食を上手く組み込んで行くことで、冷え性を改善できる可能性はさらに広がります。最初にお話したラブレ菌も、京都の伝統漬物から分離された乳酸菌でしたね。

和食には発酵食品が数多く用いられています。味噌や醤油はもちろん、酒もみりんも酢も発酵食品ですね。昔ながらの製法で作られたそれらは、必ず健康に役立つと言っていいでしょう。

正しく作った味噌や醤油は塩分を怖がらなくていい

こうしたものの他、滋賀県は琵琶湖のほとりの伝統食品、鮒ずしも冷え性に効果があるとして古くから食べられてきました。乳酸発酵したなれ寿司は、日本でも有数の「臭い食べ物」で、しかも高価ですが、健康効果は抜群のようですね。

そして、味噌や醤油というと、塩分が多くて血圧に悪そうなイメージがありますね。しかし、大豆と穀物と麹、それに食塩だけで作られたものは、血圧低下効果があるため、塩分の血圧上昇効果を相殺するとも言われています。

どんなものでも食べ過ぎれば良くないですから、冷え性対策と言っても、大量に食べれば身体を壊すかも知れません。そのような食べ方ではなく、和食に比重をおいた日頃の食生活という風に考えるのが良いでしょう。

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