乳酸菌は貧血を治す!各メーカーのおすすめ乳酸菌製品を紹介

貧血は女性に多い症状としてよく知られています。人間の体内において、鉄というミネラルは血液中の赤血球に最も多く含まれていますが、こうした鉄分は赤血球が古くなると、脾臓でリサイクルされ体外には出て行きません。

ですから、普段自然に失われる鉄分は、皮膚の角質や毛髪などに含まれる分が脱落して減少する分を補っておけば良いのです。しかし、生理のある期間の女性は、定期的に大量の鉄分喪失があるため貧血になりやすいのです。

よく「ヘム鉄」「非ヘム鉄」と言った言葉で、鉄分には吸収されやすさに差があることが知られていますが、乳酸菌は鉄分を吸収しやすくして貧血の改善に役立ってくれているのです。

貧血のメカニズムを知れば、乳酸菌が効く理由がわかる!

健康診断などで貧血を指摘された場合、まず受診してその原因を探っておいたほうが良いですね。最も多いのは「鉄欠乏性貧血」と言うもので、失われる鉄分量に対して摂取量が足りない、「鉄分不足」によって起こっている貧血です。

しかし、中には裏に別の病気が隠れていて、それが原因で貧血が引き起こされているケースもあります。そうした場合、鉄分の補充だけでは解決しませんので、あらかじめ原因となる病気の有無を確認しておくのが良いのです。

なお「脳貧血」と言うのは貧血ではありません。脳貧血は「起立性低血圧」の俗称で、主に自律神経の働きが悪くなっていることで起こります。乳酸菌が活躍する余地が無いわけではありませんが、今回は主眼点がずれますので話題から外します。

鉄は吸収されやすさに差がある

鉄には水に溶けやすくて体内に吸収しやすい2価の鉄と、水に溶けにくくて体内に吸収しにくい3価の鉄があります。2価の鉄をヘム鉄、3価の鉄を非ヘム鉄と呼ぶこともありますね。

これは、生き物の中で2価の鉄は、ポルフィリンと言う有機化合物と結びついて、ヘムと言う物質になっていることが多いからです。ヘムはグロビンというタンパク質と結びついて4つ集まり、ヘモグロビンという血液中の色素を構成しています。

ですので、動物性食品にはヘモグロビン由来の、吸収されやすい2価の鉄が多いのです。お肉の赤い色はミオグロビンと言って、ヘムとグロビンが1分子づつくっついたものです。

お肉が古くなると茶色くなりますが、これは腐ったからではなく、ミオグロビンの鉄が酸化されてメトミオグロビンという茶色の色素に変化したからです。この時鉄は3価の、吸収しにくい形になっています。

そしてお肉を煮たり焼いたりする時にも変色しますね。この場合にも鉄分は3価になっている上、グロビンも熱変性してミオグロビンはメトミオクロモーゲンへと変化しています。この色が加熱した肉の色なのです。

薄切り肉ではほぼ全部3価になっているでしょうけれど、ローストビーフや厚切りステーキでは、中央部は赤いままですね。ここでは吸収しやすい2価の鉄を持つミオグロビンも残っているでしょう。

一方、植物には3価の鉄が多く含まれています。このため、2価に還元してやらないと水に溶けにくく、吸収率も低いままです。そして加熱調理した肉の鉄分も吸収しにくい形に変化しています。

この際に活躍するのが還元剤として働くビタミンCです。野菜をレモン汁を使ったドレッシングで、調理した肉と一緒に食べるということは、鉄分の吸収の面からは非常に意味のあることなのです。

また、発がん性の疑いなどがもたれ、何かと不人気な食品添加物の亜硝酸塩ですが、これはミオグロビンをニトロソ化することで鉄を吸収しやすい2価のままキープしています。

つまり、ハムやソーセージがきれいなピンク色をしているのは、鉄分の吸収がいい状態であるということでもあるのです。添加物を避けるのも悪いことではありませんが、こうしたことも知っておいて下さい。

研究により判明した乳酸菌と腸内環境の関係!

ここまでは栄養に関する、比較的よく知られたことですが、これに腸内細菌が関わることが判りました。

東京工科大学応用生物学部の研究チームによると、腸内細菌には3価の鉄を2価に還元して、水に溶けやすく吸収されやすい形に変化させる力があることが確認されたそうです。

動物実験では、哺乳動物が元々持っている3価の鉄を2価に還元する能力を失わせたマウスでも生育に影響が出なかったとあります。これは腸内細菌がその役目を果たしたからだろうということで、研究が進められました。

その結果、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌だけでなく、大腸菌にもその能力が確認されました。

(参照:「腸内細菌」が「鉄分」の吸収を助けていることを発見|東京工科大学応用生物学部プレスリリース)

大腸菌は、例えば海洋汚染や食品汚染の指標にされるため、何となく悪玉菌のイメージが強いのですが、病原性を持たない大腸菌は日和見菌です。

さらに、大腸菌は腸内細菌の中で支配的だと思われがちですが、これも勘違いで、実際のところ腸内細菌100兆個あたり、せいぜい100億個程度しか含まれていません。

ビフィズス菌を増やすのが効率的

善玉菌率20%とした場合には、ビフィズス菌が腸内細菌100兆個あたりおよそ20兆個も存在しているのに比べれば、大腸菌の数はおよそ5000分の1しかないということですね。

乳酸菌や酪酸菌は、善玉菌のうち0.1%程度しか存在しません。つまり、合わせても腸内細菌100兆個あたり200億個程度です。

しかし、定着できないタイプの乳酸菌は、プロバイオティクスとして生きて腸まで届けば、3日~1週間くらいは腸の中で活動して、その後で便として排泄されます。

平均5日いるとして、毎日乳酸菌100億個相当のヨーグルトを食べていれば、500億個の乳酸菌が腸の中で働いていることになりますから、毎日のヨーグルト習慣は役に立ちそうです。

それに乳酸菌は生きていようと、死んでいようと、腸内に定着しているビフィズス菌を増やす働きがあるので効率的ですね。

別に腸内細菌は人間のために鉄を還元しているわけではない

こうした現象を見ると腸内細菌に感謝したくなりますが、別に腸内細菌が人間のためを思って鉄を吸収しやすくしてくれているわけではありません。

先の研究によると、酸素のない環境でビフィズス菌などを培養すると、3価の鉄と一緒にした時に増殖が促進され、同時に鉄の2価への還元が見られたとあります。

詳しいメカニズムは公表されていないから判りませんが、腸内細菌の増殖ファクターとして鉄が利用され、その際に2価への還元が行われているということなのでしょう。

それを、菌の棲家を提供している人間が利用させてもらっているというわけです。家賃みたいなものですね。

腸内細菌が共生細菌であることのあかしですね。まさか鉄の吸収までお世話してくれていたとは驚きです。

鉄分入り乳酸菌飲料は効率がいいかもしれない

世の中には数多くの鉄分を配合した乳酸菌飲料やドリンクヨーグルトがあります。これまではビジネス的な側面から、栄養強化イメージを狙ったものといえるものでした。イメージ戦略だということはプルーン味が多いことでも判ります。

ドライプルーンは特に鉄分が少ないわけではありませんが、レーズンやドライアプリコットの半分未満しか鉄分を含んでいません。せいぜい梅干しレベルなのです。つまり、鉄分が多そうだというイメージだけで選ばれているんですね。

しかし、先に紹介した研究結果が得られたことで、3価の鉄が中心だったと思われる「鉄分を強化した乳酸菌飲料」に、大きな意味が生まれてくるのです。

各メーカーの出している鉄分強化製品

まずは3大乳業メーカーを見てみましょう。

明治は主力商品の明治ブルガリア「のむ」ヨーグルトLB81にプルーン果汁などを加え、1本(92g)中に鉄分4.2mgを配合しています。この4.2mgと言うのは30代から40代の日本人女性が、1日あたりに不足している鉄分量だそうです。

商品名は、明治ブルガリア「のむ」ヨーグルトLB81・プルーンミックス+鉄分です。

▼明治ブルガリア「のむ」ヨーグルトLB81・プルーンミックス+鉄分
明治ブルガリア「のむ」ヨーグルトLB81・プルーンミックス+鉄分商品イメージ

雪印メグミルクも発酵乳分類、つまりドリンクヨーグルトの形で発売しています。商品名は「プルーンFe 1日分の鉄分 のむヨーグルト」です。

▼プルーンFe 1日分の鉄分 のむヨーグルト
プルーンFe 1日分の鉄分 のむヨーグルト商品イメージ

プルーン味のドリンクヨーグルト190gに鉄分6.8gと、赤血球生成に必要な葉酸とビタミンB12を配合した栄養機能食品です。

森永乳業は乳製品乳酸菌飲料の形で「健康ミルク」として発売しています。森永ビヒダスと同じビフィズス菌BB536を36億個含んだ、宅配専用商品「ラクトフェリンFe」です。

飲んだことがないので味の方は判りませんが、ビヒダスとは異なり他の乳酸菌は入っていないかもしれませんね。鉄分は6mg含まれていますが、ラクトフェリンという、過剰になった鉄分を取り除くたんぱく質が配合されているところが、ちょっと目的不明です。

なお、生理のある成人女性の鉄必要量は1日あたり10~12mgです。いずれもこれより少ない数値が設定されているのは、過剰症を警戒してのことでしょう。鉄には過剰症がありますから、含有量が少ないと不満に思わないほうが良いと思います。

多いものでは10mg配合のものもある

岡山県の中堅有業メーカー、オハヨー乳業の「1日分の鉄分ヨーグルト 110g」には10mgの鉄分が配合されています。今回探した中では最も鉄分が多く含まれていたものになります。

▼1日分の鉄分ヨーグルト 110g
1日分の鉄分ヨーグルト110g商品イメージ

栄養機能食品であるという表示は見当たりませんでしたが、葉酸とビタミンB12も配合されています。スタンダードなものはプルーン味ですが、アロエヨーグルトもラインナップされています。

逆に少ない方では、日本で初めてヨーグルトを発売した老舗、広島県の中堅メーカー、チチヤスの「たっぷり鉄分ヨーグルト」があります。

▼たっぷり鉄分ヨーグルト
たっぷり鉄分ヨーグルト商品イメージ

こちらは4mgの配合ですね。とは言え、70gと言う小さなパックですから、重さあたりにすれば少ないというわけではありません。

こちらは葉酸と鉄分を配合物質として、栄養機能食品であることを謳っています。

乳酸菌飲料では、カゴメのラブレシリーズに「カゴメ 植物性乳酸菌ラブレLight 1日分の鉄分」と言う商品があります。1本80mgに鉄分が7.5mg配合されています。この商品もプルーン味ですね。

▼カゴメ 植物性乳酸菌ラブレLight 1日分の鉄分

健康食品メーカーもリリースしている

大分県の健康食品メーカー、株式会社クロレラ本社が出しているのは「ラクトデュオ鉄」と言う100mL入りの乳製品乳酸菌飲料です。

▼ラクトデュオ鉄
ラクトデュオ鉄商品イメージ

1日分の鉄分がこれ1本で摂れるとしていますが、具体的な含有量は判りませんでした。

これにもラクトフェリンが配合されているのと、会社の名前から想像がつく通りクロレラの抽出液も配合されています。

京都の比較的新しい乳酸菌関連メーカーのクロレラ食品ハックからは、ヤクルトタイプの容器に入った「1本で1日分の鉄分」が発売されています。

▼1本で1日分の鉄分
1本で1日分の鉄分商品イメージ

もちろんクロレラ抽出液も配合されています。

こちらも、1日分の鉄分と言うだけで具体的な配合量は不明です。京都でクロレラというと、サン・クロレラが有名ですし、本社も比較的近いところにありますが、2社の関係は不明です。会社概要を見ても、資本関係などはないようですね。

乳酸菌に重きをおいたポッカサッポロの製品

ポッカサッポロからは豆乳飲料の形で発売されている商品があります。「プラス乳酸菌豆乳飲料 プルーン」です。

▼プラス乳酸菌豆乳飲料 プルーン
プラス乳酸菌豆乳飲料 プルーン商品イメージ

これにはサッポロビールが発見したラクトバチルス属ブレビス種SBC8803株(通称:SBL88乳酸菌)が使われています。

「製造時に200mLあたり10億個の乳酸菌と1日分の鉄分を配合」という事ですが、乳酸菌は殺菌されていて、菌体成分の効果を期待することになります。1日分の鉄分としては、7.5mgが配合されています。

もちろん、菌体成分の効果で腸内のビフィズス菌を増やす効果があるとは思いますが、直接鉄分を還元する力がないのは少し残念ですね。

さらに、2017年の3月にはパウチゼリー形式の「1日不足分の鉄分入りプルーンゼリー」が発売されました。

▼1日不足分の鉄分入りプルーンゼリー
1日不足分の鉄分入りプルーンゼリー商品イメージ

こちらも製造時10億個のSBL88乳酸菌を殺菌した菌体成分が配合されています。

名前の通り「不足分を補う」と言う意味からでしょう、配合されている鉄分は1.2mgと少なめになっています。

各メーカーとも、さまざまなタイプのものを出してきていますが、やっぱり鉄分=プルーンのイメージは強いみたいですね。個人的にはアプリコットが好きなんですが。

瓢箪から駒かも知れないが鉄分入り乳酸菌飲料は役に立つ

各メーカーのアピールを見ていると、どうやら乳製品乳酸菌飲料やヨーグルトの「整腸効果」に、「どうせならそれで鉄分も摂れると良いでしょ?」と言った感じで製品づくりをしているようです。

あまり乳酸菌による3価の鉄の還元で、吸収効率が上がるということを意識はしていないように見受けられます。ですから利用する側がそれを意識して上手に摂ることができれば、同じ値段で購入してもお得な感じがしますよね。

最後にお料理について一つ。レバーと言えば鉄分、それもヘム鉄が多くて貧血対策にはもってこいなのですが、下ごしらえとして、臭み取りに牛乳やヨーグルトに漬け込むことがあります。

この際にヨーグルトで漬け込んで一晩冷蔵庫に入れ、加熱調理するしばらく前に室温に戻しておくと、自然酸化によって3価になってしまった鉄が、乳酸菌の働きで2価に還元される可能性もあります。

室温で保存する時間をどのくらいにするかは、レバーが傷まない程度でないといけないのですが、味の好みで色々調整してもらっても良いでしょう。上手く行ったらレシピサイトに投稿すれば、人気が出るかもしれませんよ。

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