ヤクルトの効果がすごい!カゼイ菌で腸内フローラを修復できる


カゼイ菌と言う名前は「ヤクルト菌」と言うイメージで捉えている人が多い乳酸菌です。

実際、ヤクルト風の乳製品乳酸菌飲料には、菌株こそ違え、ほぼ全てにカゼイ菌が使われています。

ヨーグルトに使われているものも、数は少ないですが存在しています。

19世紀にチーズスターターから分離されたカゼイ菌は、20世紀に入って人間の腸からも発見され、酸に強く生きて腸まで届く、効果の高い乳酸菌として知られるようになったのです。

ヤクルト菌は耐酸性の研究から発見された

カゼイ菌はラクトバチルス属カゼイ種と言う本名を持っています。ラクトバチルス属は乳酸菌の中で最大のグループですね。カゼイ(casei)は、ラテン語でチーズという意味です。

19世紀の終わりに、ドイツの研究者によって、チーズのスターターから分離されたのが始まりなので、この名前がつけられました。

ヤクルト菌は生きて腸まで届く乳酸菌

ヤクルトに使われている乳酸菌は、カゼイ菌YIT 9029株(通称:L.カゼイ シロタ株・ヤクルト菌)です。この菌は京都大学の代田博士が、耐酸性の強い乳酸菌を研究していて、1930年に発見したものです。

戦前、代田博士は、この研究を元にヤクルトを作り、それを製造販売する会社を興しました。そして戦後、あらためて株式会社ヤクルト本社を創立したのです。

もともと耐酸性が最も強力な菌として発見されたことから、ヤクルトのカゼイ菌は生きて腸まで届くものと考えられますし、ヤクルトにも乳酸菌が生きて腸まで届くと表現されています。

もちろん、この耐酸性はカゼイ菌の持っている強さですが、シロタ株独自の強さとも言えます。

ですから、同じカゼイ菌でも、実験で確かめられたものでないと、必ずしも生きて腸まで届くとは限りません。

その点、ヤクルトと似た商品で大容量パッケージがあることで人気の、日清ヨークが製造販売する「ピルクル」に使われているカゼイ菌NY1301株は、耐酸性・耐消化液性が実験で確認されています。

▼日清ヨーク ピルクル
ピルクルシリーズ商品イメージ

人工胃液で4時間処理した後も85%の菌が生存し、人工腸液で18時間処理した後も80%の菌が生存していたという実験データがあります。いずれの時間も、それぞれ胃と腸を通過する標準的な時間として設定されているようです。

飲むヨーグルトにも使われている

ピルクルを発売している日清ヨークの名前の元となった「ヨーク」は現在「十勝のむヨーグルトプレーン」と言う商品名で販売されています。

▼日清ヨーク 十勝のむヨーグルトプレーン
十勝のむヨーグルトプレーン商品イメージ

そこにはカゼイ菌を使用したと明記されていますが、残念ながら菌株は明記されていません。とは言え、自社に上で紹介したような優秀な菌株を持っているわけですから、わざわざ別の菌株は使わないでしょう。

この製品は、カゼイ菌と同時にストレプトコッカス属サーモフィルス種(通称:サーモフィルス菌)と、ラクトバチルス属アシドフィルス種(通称:アシドフィルス菌)を使っています。

このことから、国際的食品規格のCODEX規格に照らした場合、ラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種(通称:ブルガリア菌)を使っていない「代替菌ヨーグルト」にあたります。

さらに、アシドフィルス菌を使った「飲み物」ですので、「アシドフィルスミルク」にも該当します。具体的には菌数がわからないとどちらに分類されるかは不明ですが、ダブルで国際規格の基準に当てはまるというのも面白いですね。

また、食べるタイプのヨーグルトでは、老舗・チチヤスから、毎朝快腸ヨーグルトと言うシリーズが発売されています。

▼チチヤス 毎朝快腸ヨーグルト
毎朝快腸ヨーグルト商品イメージ

現在、チチヤスのサイトには乳酸菌の種類は明記されていませんが、ネット上の多くの情報源にはカゼイ菌431株と言う情報が見られます。もしかすると、以前にはそのような情報が明らかにされていたのかもしれませんね。

しかし、実は「L.カゼイ431」と言うのは、デンマークのクリスチャン・ハンセン社の商標で、菌はアメリカン・タイプ・カルチャー・センター(ATCC)と言う生物資源センターに寄託されています。

そこでこの菌の寄託番号である55544を検索したところ、ラクトバチルス属パラカゼイ種として登録されていることが判りました。つまり、似ているけれどカゼイ菌ではないということですね。

そんなことがあったからでしょうか、現在、使用乳酸菌についての情報は見当たりませんでした。ただ、このL.カゼイ431は乳児の腸から見つかった菌ですので、腸への定着性は良いかもしれません。

カゼイ菌は人間の腸内常在菌

カゼイ菌が腸に定着するかどうかということを考える場合、やはり「人間の腸内常在菌としてカゼイ菌が棲んでいるかどうか」ということが問題になります。棲んでいれば、その菌株は腸に定着できる可能性が出てきます。

また、運が良ければ、異なる菌株であってもカゼイ菌であれば定着できるかもしれませんし、最終的に定着できなくても、比較的長期間腸の中で活躍してくれるかもしれません。

しかし残念ながら、ヤクルト本社によると、乳酸菌シロタ株は人間の腸に定着しないと明言しています。ですから、継続して飲み続けるのが良いということですね。

(参照:よくあるご質問・毎日続けたほうがよいですか。|ヤクルト本社・お客様相談センター)

一方、ピルクルのカゼイ菌NY1301株については、定着性について明らかにしていません。少なくとも生きて腸まで届き、腸内環境を良くしてくれるものですが、その後は不明なのです。

さらに、ヤクルト本社が医薬品として発売しているカゼイ菌があります。ビオラクチス散と言う商品名である処方箋薬ですが、これは医薬品インタビューフォーム(添付文書を補完する文書)を見ると、「人腸由来」と明記されています。

つまり、菌株によってはカゼイ菌は腸内常在菌として見つかっているということになります。このお薬は、1日3回服用することになっていますが、1回分に15億個から210億個のカゼイ菌が含まれています。

この菌株についても、定着性については明らかになっていませんが、添付文書によると、乳児から老人まですべての年齢層の腸の中で増殖し、腸内フローラの異常を改善するとありますから、定着性については気にしなくて良いのかもしれません。

カゼイ菌も乳酸菌製剤になって医薬品として利用されていたんですね。この医薬品には長期連用に対する警告はありませんので、使い続けても問題なさそうです。

カゼイ菌の一番の効果は腸内フローラの修復

カゼイ菌も多くの乳酸菌と同じように、さまざまな健康効果が知られていますが、特に整腸効果については優れた能力を持っています。

このことは、上で紹介したビオラクチス散と言う医薬品になっていることからもわかりますね。

ビオラクチス散は腸の中の異常を治す薬

ビオラクチス散の添付文書に示された効果効能を見ると「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」とあります。つまり、何らかの事情で腸内フローラに異常が起こり、下痢や便秘などが見られた場合、その原因を取り除いて症状を抑えると言うことです。

具体的な働きとして、一番に挙げられているのは「胃酸や胆汁酸に耐える」という事です。つまり、腸の中まで生きて届くということですね。その結果、すべての年齢層の人の腸の中で増えて、腸内フローラを改善します。

そして、乳酸などの有機酸を作り出し、腸内pHを下げます(酸性に傾けます)。その結果として、外来の病原菌などを抑制します。また、腸の中の悪玉菌によって作り出される有害物質も抑えます。

さらに、腸内細菌の中には、尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する、ウレアーゼという酵素を持っているものがいます。健康であれば、このアンモニアは腸から吸収されて肝臓で尿素に戻されるため、特に毒性が問題になることはありません。

通常、体内の尿素の70%までは尿に排泄されますが、残りは腸の中に入り込み、ウレアーゼで分解されて肝臓に戻るという流れに乗ります。そして、再び血流に乗って腎臓で濾過されて排泄されます。

しかし、何らかの事情でアンモニアが増えすぎると腸の中で毒性が問題になることがあります。尿素の排泄が遅れることもありますし、ウレアーゼが多すぎてアンモニアが増えすぎるということもあります。

カゼイ菌はこのウレアーゼ活性を下げることで、アンモニアの発生を抑えます。さらに、腸管からアンモニアが吸収されることを抑える働きもあります。

そして、蠕動運動を活発にして、腸の中の有害物質や病原菌を速やかに排出してしまいます。カゼイ菌には、このような整腸作用があるのです。

ヤクルト菌はアレルギー抑制効果もある

ヤクルト菌は、腸内環境を改善するだけでなく、腸管免疫システムに働きかけて、活性の下がったナチュラルキラー細胞を復活させたり、発がんリスクを下げたりする効果が見つかっています。

さらに、アレルギーの改善をもたらすことも見つかっています。アレルギーには、Th1とTh2と言う2つのヘルパーT細胞(リンパ球の一種)が深く関わっています。

通常Th1細胞は、細胞傷害性T細胞や大食細胞(マクロファージ)を活性化して、細胞性免疫を活発化させます。一方、Th2細胞は抗体産生を活性化して、液性免疫と呼ばれるものを活発化させます。

アレルギーの人では、このTh2細胞のほうが強く活性化していることが多く、Th1/Th2バランスが崩れた状態になっています。

ヤクルト菌で発見されたカゼイ菌の免疫調整効果は、Th1細胞の側を活性化して、Th1/Th2バランスをニュートラルに戻すものです。そうなることで、免疫力を高く保ったままアレルギー症状が改善されると考えられています。

これはカゼイ菌が、小腸のパイエル板など、腸に現れたリンパ組織で免疫システムに働きかけることで得られる効果だと考えられています。

いまのところ、生菌の効果なのか、菌体成分の効果なのか、あるいはカゼイ菌が作り出した菌体外多糖の働きなのかについては、情報が見つかりませんでした。

ヤクルトは長年研究されてきているので、カゼイ菌=ヤクルトと言う感じでもありますね。

カゼイ菌摂るならヤクルトかピルクル

いわゆる「ヤクルト型」容器に入った乳酸菌飲料は数多く出ています。ほとんどのものがヤクルトと同じ「乳製品乳酸菌飲料」の規格で作られており、主な発酵菌はカゼイ菌であるところまで同じです。

一方、ヤクルトでは65mL入りで、実勢価格は1本40円くらいします。ピルクルは30円くらいでしょうか。それに対して、地方のマイナーメーカー製や、ディスカウントスーパー系のものだと、10円前後まで安くなります。

ここで注意が必要なのは、たとえどちらも特定保健用食品の指定を受けているヤクルトとピルクルでも、菌株は異なると言うことです。どちらもカゼイ菌ではありますが、個性があるということですね。

ましてや、他のメーカーのものはカゼイ菌ではありますが菌株を明らかにしていないので、どの程度の効果があるのかは全く未知数なのです。

とは言え、カゼイ菌の共通の能力として、整腸効果はおそらく菌数に応じたレベルでは期待できるでしょう。

もちろん、自分の用途に合ったり、体調が良くなったりということがあるのなら、どこのメーカーのどの製品でもOKです。

一方、とりあえず飲み始めようかと思うのなら、ヤクルトかピルクルがおすすめです。

これは、乳製品乳酸菌飲料の規格では、最低で1本あたり6億5000万個のカゼイ菌が入っていれば良いことになりますが、ピルクルでは1本あたり150億個、ヤクルトでは200億個のカゼイ菌が入っているからです。

また、上でもお話したように、効果が確認されているのは特定保健用食品の指定を受けている、ヤクルトとピルクルだけだからです。そのことを承知の上で、やはり10円でも安い方が良いというのであれば、他のメーカーを試してみるのも悪くないでしょう。

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