L8020乳酸菌で歯周病ケア。強力な抗菌効果をもつ商品一覧

8020運動というものがあります。これは平成元年に当時の厚生省と日本歯科医師会が開始し、推進している運動で、80歳になっても20本は自分の歯をキープしようという物です。

この運動から通称名を付けられたL8020乳酸菌というものがあります。

虫歯を防ぎ、歯周病も防ぐ、日本で発見されたこの乳酸菌について詳しく見て行きましょう。

乳酸菌が抗菌物質(バクテリオシン)を分泌し虫歯を防ぐ

世界で最も研究されている乳酸菌という異名を持つ、ラクトバチルス属ラムノーサス種GG(ATCC 53103)株(通称:LGG乳酸菌)は、菌体表面に生えている線毛でがっちり腸粘膜に付着することが知られています。

その力で腸内環境を改善し、免疫賦活効果でインフルエンザや風邪を予防し、免疫調整効果でアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を緩和します。

今回紹介するL8020乳酸菌の本名はラクトバチルス属ラムノーサス種K03株、つまりLGG乳酸菌の菌株違いと言うことになります。でも働き方は随分違うんですよ。

L8020乳酸菌は特殊な抗菌物質を作り出す

乳酸菌を含めた細菌は、自分の縄張りを維持し広げるために、バクテリオシンと呼ばれる抗菌物質を分泌します。イメージとしては、抗菌スペクトル(効き目の幅)が非常に狭い、抗生物質のようなものだと考えれば良いでしょう。

例えば普通のペニシリンはグラム陽性菌やグラム陰性の球菌に効果がありますが、グラム陰性の桿菌には効きません。こうした効果の範囲を抗菌スペクトルと呼んでいます。

バクテリオシンは、たんぱく質やペプチドでできた抗菌物質ですが、L8020乳酸菌が分泌するバクテリオシンは、他の菌のものに比べて非常に広い抗菌スペクトルを持っています。

抗菌スペクトルについては、例えば一般的な抗生物質はカビの仲間である真菌類やウイルスには効きませんね。これは例えば真菌に対する抗菌スペクトルがないということになります。

しかし、このL8020乳酸菌が作り出すバクテリオシンは、まずグラム陽性レンサ球菌である、ストレプトコッカス属ミュータンス種(通称:ミュータンス菌)とソブリヌス種(通称:ソブリヌス菌)と言う虫歯菌に有効であることがわかっています。

さらに、歯周病菌であるグラム陰性桿菌の、ポルフィロモナス属ジンジバリス種(通称:ジンジバリス菌)にも有効です。それどころか、真菌であるカンジダ属アルビカンス種にも抗菌活性を持っています。

そして、アグリゲイティバクター属アクチノミセテムコミタンス種と言う舌を噛みそうな名前の、免疫細胞を破壊する毒素を出す歯周病菌に対しても有効だということが、広島大学の研究でわかっています。

真菌と細菌に同時に有効というのは、並の抗生物質を越える抗菌スペクトルの広さと言えるかもしれませんね。

抗菌物質なのでそれだけで消毒効果がある

例えば、この乳酸菌を使ったマウスウォッシュや歯磨き剤が商品化されていますが、乳酸菌が作り出すバクテリオシン自体が強力な抗菌剤なので、保存料を除いて他に殺菌・抗菌効果のあるものは使われていません。

ラクレッシュ商品イメージ
(出典:ラクレッシュ・歯周病になりにくい口内環境のために|Campus Medico – ジェクス株式会社)

消毒用のアルコール類も入っていませんから、刺激を感じることも少ないでしょう。甘みをつけるためにキシリトールが使われていますが、キシリトールは虫歯の原因にならない糖アルコールとして有名ですね。

糖アルコールは、名前こそアルコールと付いていますが、殺菌効果も刺激も酔っ払う効果も持っていない物質です。エリスリトールやマルチトールなども糖アルコールで、甘味料としてよく使われていますね。

乳酸菌が作る抗菌物質というのは興味深いですね。しかも、並の抗生物質より広い範囲の効き目があるのも注目に値すると思います。

殺菌・抗菌力の強いバクテリオシンでも善玉菌は殺してしまわない

並の抗生物質より抗菌スペクトルが広いということになると、それを食べてしまった場合、抗生物質と同じように腸内細菌を殺してしまわないかということが不安になりますね。

それについての詳しい研究データは見当たりませんでしたが、L8020乳酸菌を使った食品の臨床試験においては、特に問題になるような事象は見つかっていないようです。

菌の由来を見ると心配はなさそうだと考えられる

L8020乳酸菌は人間の口の中から見つかったヒト常在菌です。しかも、虫歯が全くない健康な子供の口の中から分離された乳酸菌です。

ですから、L8020乳酸菌がバクテリオシンを作り出したとしても、それは腸内善玉菌にとって敵になる悪玉菌などをやっつける可能性はあっても、善玉菌を殺してしまうことはないと考えて良さそうです。

最悪の場合でも、腸内細菌に対しては「毒にも薬にもならない」というレベルに留まるでしょう。

虫歯菌にせよ歯周病菌にせよ、口の中だけにとどまらず、全身に悪影響をおよぼすことが懸念されていますから、L8020乳酸菌が作り出すバクテリオシンを上手に利用することがおすすめです。

L8020乳酸菌のバクテリオシンには名前はないの?

L8020乳酸菌のDNA解析によって得られた候補遺伝子からkog1・kog2と言うペプチドが合成されました。このペプチドについて研究が行われ、優れた抗菌活性が確認されています。

そして、研究論文のまとめではL8020乳酸菌由来のバクテリオシンkog1・kog2と言う表現がされていますので、kog1、kog2がこのバクテリオシンの名前だと考えて良いでしょう。

そして、kog1、kog2はバイオジェニックス、つまり乳酸菌生成物質ですから、一度生きたL8020乳酸菌がこの物質を作り出したあとは、菌が死んでしまっても有効成分が残っていると考えて問題ありません。

摂り過ぎについても、よほど大量に、例えばヨーグルトをキログラム単位で食べると言ったようなことをしなければ、おそらく問題は起こらないでしょう。

オーラルケアに利用されるL8020乳酸菌の商品

先に紹介したマウスウォッシュなどは、直接口内環境に働きかけるものですが、食べ物として手軽に摂れるものがあると便利ですね。

そうした点に着目した商品がいくつか出ています。もちろん、最初はヨーグルトだったようです。

タブレットは口の中に長く置くものなので効果的

口の中に長く置くという意味ではガムが良いかなと思って探したのですが、ガムは見当たりませんでした。しかし、タブレット(錠菓)が出ています。

UHAデンタクリアタブレット商品イメージ
(出典:UHAデンタクリア タブレット|UHA味覚糖)

21粒入り税込み594円と、いわゆるサプリ価格のレベルですが、一日に5粒なら140円あまりですので、ペットボトル飲料感覚で求めることができると思います。

ヨーグルトは外せない

もちろんL8020乳酸菌を使ったヨーグルトも作られています。四国乳業が展開する「らくれん」ブランドから、比較的手軽な価格で発売されています。ドリンクタイプ、食べるタイプともネット通販でも入手可能ですよ。

▼四国乳業株式会社 らくれんCOWニバル・8020食べるヨーグルト
8020食べるヨーグルト商品イメージ

どちらのタイプも、1個(110g/110mL)あたり、実勢価格は税込み120円~130円ですので、いろいろな機能性ヨーグルトなどと同レベルですね。

さまざまな方法で摂取できるのはありがたいですね。特に口腔ケアの場合、口の中である程度保持できるものが良いかもしれません。ヨーグルトでも、食べたあと液体で流し込まなければある程度保持されるでしょう。

L8020乳酸菌はすごいけど歯磨きはできるなら行ったほうが良い

高齢者などで歯磨きが困難な場合には、L8020乳酸菌製品を摂ることだけでも口腔ケアができます。殺菌力が強いので、歯周病や虫歯を悪化させにくくなるでしょう。

しかし、歯磨きができる身体状況の人は、まず歯磨きをしてからL8020乳酸菌製品を摂ることをおすすめします。いくら殺菌効果が高いからと言っても食べ物のカスを取り除く能力はありません。

また、歯を変色させるステインなどもブラッシングで取り除く必要がありますね。さらには、歯茎の血行を良くするマッサージ効果を求める場合にも、ブラッシングが欠かせません。

L8020乳酸菌の作り出すバクテリオシンは、キシリトールなどの「非う蝕性甘味料」のように、虫歯の原因にならないという消極的な虫歯対策製品ではありません。

虫歯菌や歯周病菌を殺菌する効果がある、積極的な虫歯・歯周病対策製品です。しかもアルコールなどのような刺激性も持たず、腸内細菌にも悪影響を及ぼさないであろう、優れたプロバイオティクス・バイオジェニックスなのです。

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