マッコリの乳酸菌は美肌効果あり?韓流乳酸菌ACの実験結果が気になる

マッコリという名前の、韓国の醸造酒は少し前にちょっとブームになったことから、割合一般的になったのではないかと思います。

韓流ブームの仕掛けなどから、健康イメージも実際以上にアピールされ、美容のために飲んでいる人もいるみたいですね。さて、このマッコリ、乳酸菌も入っているのですが、どのくらい美容と健康に役立つのでしょう。

マッコリってどんなお酒?乳酸菌、添加物のお話

マッコリというのは、日本で言うところの「どぶろく」に近いお酒です。どぶろくは日本酒の醸造技術のもととなったもので、漉していない原始的なお酒ですが、発酵度合いは高度で、甘くて口当たりが良い割にアルコールもしっかり入っています。

マッコリは、もともとそれほど高度に発酵させないお酒なので、アルコールになっていない糖分が多く、甘くてアルコール度数の低い、飲みやすいお酒です。

マッコリはアルコールが少ないのでたくさん飲める

韓国の酒造メーカーと言えば、日本で有名なのはハイト眞露(じんろ)ですね。韓国焼酎のブランドとして、眞露を知らない日本人は少ないでしょう。日本の眞露株式会社はハイト眞露の日本法人です。ハイトは韓国の有名ビールメーカーです。

20世紀終わり頃の韓国の金融危機で倒産した眞露酒造を買収して、ブランドを生き残らせたのです。ハイトビールはもともとサッポロビールの前身と、地元企業の合弁で設立された会社ですから、眞露は日本と関わりの深い会社だったんですね。

この眞露がマッコリを製造していて、日本でも売られています。飲んだことのある人も多いんじゃないでしょうか。

アルコール分6%で甘味と酸味のある飲みやすいお酒です。しかも1Lで税別600円程度とお手軽な価格です。

アルコール分6%と言うことは、厚生労働省が進める「節度ある飲酒」の目安である、「1日に純アルコール量20g相当」に照らすと400mLくらい飲めることになります。

そうなるとガラス瓶タイプの375mL入りなら、毎日1本飲んでOKと言うことになりますね。

大手メーカーのマッコリは添加物が使われている

▼ハイト眞露 マッコリ
ハイト眞露マッコリ商品イメージ

この眞露ブランドのマッコリは、加熱殺菌タイプの標準的なものの原材料表示を見ると、

  • 小麦粉
  • 小麦麹
  • オリゴ糖

となっています。

あとでお話しますが、日本式の醸造が一般的になったせいで米麹がよく使われるようになったマッコリ造りで、伝統的な麦麹を使っているわけです。

それは大いに結構なのですが、オリゴ糖に続いて、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)の表示が目に入るのが気になります。とても有名な合成甘味料ですね。

もちろん食品添加物として認められているものですから問題はないのですが、お酒に「自然には存在しない甘味料」を添加するのはどうかと思います。

一方、眞露から出ている「生マッコリ」は加熱していないタイプの、本来のマッコリに近いものです。

▼ハイト眞露 生マッコリ
ハイト眞露生マッコリ商品イメージ

酵母や乳酸菌が含まれている場合、生菌の状態であると期待できるものです。

その原材料を見ると、

  • エリスリトール
  • 小麦麹

となっています。発酵を促進するための小麦粉が添加されていない分、本来の味わいに近いでしょう。

また、甘味料として添加されているエリスリトールは人工甘味料ですが天然にも存在します。特に日本の清酒からも見つかっていますので、マッコリにも本来含まれる成分なのかもしれません。

エリスリトールは、工業的にはブドウ糖の発酵で作られますから、同じメカニズムが酒造などの発酵食品でも発生する可能性は充分に考えられます。でも、やっぱり人工甘味料をお酒に添加するのって、どうなのかなと首を傾げたくなります。

では、ほかのメーカーはどうでしょう。楽天やYahooショッピングで生マッコリナンバー1の販売量を誇る「麹醇堂生マッコリ」(クッスンダンセンマッコリ、と読みます)を見てみましょう。

▼麹醇堂生マッコリ
麹醇堂生マッコリ商品イメージ

原材料は

  • ブドウ糖
  • クエン酸
  • 乳酸
  • アスパルテーム

となっています。

それと同時に、1本700mLあたり約80億個の乳酸菌が入っているとされています。つまり、1mLあたり1140万個ですからヨーグルトの最低ラインは何とかクリアしているというレベルですね。

しかし、ここまでの乳酸菌が生きているなら、酸味料としてクエン酸や乳酸を添加する必要があるのかは疑問です。もし発酵が充分でないなら、その分甘くなるので、甘味料は必要ないでしょう。

もしかすると、韓国の大手酒造メーカーでは、マッコリに甘味料や酸味料を使うことが当たり前なのかもしれませんね。

歴史的な背景から製造方法はバラバラ

マッコリは日本のどぶろくと同じで、もともと自分が飲む分を自宅で作るという、昔の酒造の手法で作られていました。ですから、麦麹を使うということと、米や麦を原料にするという共通点以外、統一された醸造法はなかったのです。

このことは、明治以降、列強諸国にならって国による酒税の徴収が始まる前の、日本のどぶろくにも共通したことです。もちろん清酒については、もっと早い時期に酒蔵によって製法が確立していました。

そして、日本によって保護国とされた朝鮮半島にも酒税の徴収が及んだため、日本式の醸造技術が朝鮮半島に持ち込まれ、安定した品質のマッコリが作られるようになったことから、いわゆる伝統製法が廃れて行きました。

さらに、日本の敗戦に伴って独立させられた朝鮮半島は、続いて朝鮮戦争に突入し、さらに伝統的な技法は失われたのです。

現在では研究者によって、伝統技法の復活が試みられているのと並行して、大手酒造メーカーによって、世界中の酒を味わえる現代の韓国人の口に合うマッコリの開発も進んでいます。

その現代のマッコリは、日本にも輸出されて、一時期人気を博したこともありました。一方で、韓国で味わえる、いわゆる「本当の生マッコリ」のように美味しくないと言う評判が立ったりしたこともあって、現在では一時期ほど盛り上がっていないようです。

韓国は近いですから、パスポートさえ持っていれば、地方によっては東京へ出かけるより気軽にお安く行けます。そのため、現地の味を知る人も多くなっているんですよね。

マッコリの乳酸菌の効果は美肌に期待できるかも

現在のマッコリにも乳酸菌は含まれています。一方で近代的な醸造工場では、いわゆる「蔵つきの乳酸菌」はあまり期待できそうにありません。

また、原料は加熱してから使用するので、原料由来という可能性も低いですね。そうなってくると、麹の中に棲んでいる乳酸菌である可能性が高そうです。

マッコリ乳酸菌で美肌が作れるかも

マッコリ由来の乳酸菌として分離され商品化されているものに、ペディオコッカス属アシディラクティシ種AC株(商品名:韓流乳酸菌AC)があります。

この菌を扱っている東洋新薬によると、試験管内実験ですが、胎児の皮膚に由来する線維芽細胞に、この韓流乳酸菌AC抽出液を添加したところ、コラーゲンの産生量が10%以上増加したということです。

(参照:東洋新薬の乳酸菌に期待される効果・コラーゲン産生促進作用[韓流乳酸菌AC]|株式会社東洋新薬)

線維芽細胞への直接投与ですから、マッコリを飲んだからといって、それがそのままお肌のコラーゲン増量につかがるかどうかは未知数ですが、ちょっと期待したくなるデータですね。今後、動物実験や臨床試験が行われることを楽しみに待ちましょう。

強力なプロバイオティクスである乳酸菌

このペディオコッカス属アシディラクティシ種は、ちょっと非常識なほど頑丈な乳酸菌です。例えば、pH1.5と言う、ほぼ空腹の時の胃酸濃度にも耐えられ、ある程度の菌数を残して腸にたどり着けます。

いわゆる「生きて腸まで届く乳酸菌」の多くは、せいぜいpH3.5程度、つまりpH1.5の1/100程度の酸性に耐えられるだけです。

さらに、この菌は室温で2年以上、そしてなんと80℃でも1週間以上生存できます。眞露のマッコリは87℃1分間の殺菌ですから、ちょっと微妙ではあるものの、もしかすると酵母は死んでも乳酸菌は生きているかもしれません。

この乳酸菌はホモ乳酸発酵を行う乳酸菌なので、アルコールやガスを作り出しません。ですから、酵母さえ死んでいれば、発酵が進んでガス圧で容器が破損する心配もありません。

ペディオコッカス属の乳酸菌は、漬物などからもよく見つかる植物性乳酸菌で、整腸効果も充分期待できます。ですからコラーゲンの効果が期待できなくても、整腸効果で美肌が手に入るかも知れませんね。

いずれ韓流乳酸菌ACも具体的な商品に使われるようになるかもしれませんね。研究結果によっては外用になるかもしれません。

マッコリの乳酸菌は補助的なものと考えるべし

さて、このマッコリの乳酸菌ですが、上で紹介した商品のように菌数を表示しているものもありますが、ほとんどの場合菌数表示はありません。

また、菌数に自信のある生マッコリでも、100mL中11億個あまりと、一般的なヨーグルトの1/10程度しか含まれていません。商品によってはうんと少ないものもあるでしょう。

マッコリの製法は明らかにされていない部分もある

もともとは家庭で作られていた酒で、アルコール度数も低いことから、それほど複雑な工程は経ていないと思います。

基本的には米を麦麹で発酵させ、酵母でアルコールを作り、乳酸菌で酸味を与えればできます。でも、アルコール度数が1%を超えると「密造酒」になりますし、それは違法行為ですから行わないでくださいね。

この乳酸菌は、本来麦麹の中に含まれていたのであろう、ペディオコッカス属アシディラクティシ種を用いるのがベストですが、麹によって米を糖化させれば、大抵の乳酸菌が使用可能です。

つまり醸造の際に、市販の麹やパン酵母、ヨーグルト乳酸菌を入れて米を発酵させれば、マッコリっぽいものは簡単に出来上がるでしょう。しかし、それは本来の健康効果を持ったおいしいマッコリではないと思います。

しかしながら、メーカーが公開していない限り、消費者はそのマッコリがどのように作られたのかを知る方法はありません。ですから、乳酸菌の効果についても「入っていたらラッキー」ぐらいに、軽く受け止めておくことをお勧めします。

日本酒でも乳酸菌は使われているが最終的には死菌になっている

日本酒でも醸造の最初の段階で乳酸菌が活躍していますし、その割合はマッコリと大差ありません。しかし、日本酒の場合アルコール度数が非常に高いため、ごく一部のものを除いて全部死んでしまいます。

さらに最終的にアルコールに耐える乳酸菌も、火入れという加熱工程で酵母ともども完全に殺菌されてしまいます。

マッコリも「生マッコリ」と呼ばれる、火入れによって発酵に関係する菌を殺菌していないものでは、酵母も乳酸菌も生きていますが、その数については公開されている場合を除いて全く不明です。

韓国の基準や規則には、マッコリの乳酸菌数を規定したものがないからです。

現代のマッコリは再発見された醸造技術かもしれない

もともと、各家庭で作られるお酒であったマッコリは、酒税という近代国家の概念が導入された際に、許可を得た企業だけが作れるものに変貌しました。

さらに日本式の米麹と酵母を使った、安定的な発酵技術が導入されたことにより、従来の技法が失われた部分もあります。

さらに1960年台半ばの食糧危機から、米を酒の原料に使うことを禁じる韓国の食糧管理法の制定によって、米を原料にするマッコリは作られなくなりました。1990年台まで続いたこの法律によって、かつての醸造技術はほぼ失われたと言えるかも知れません。

現在大小様々な韓国メーカーが作っているマッコリは、過去の技術を研究して、新たに作り上げられたものと言っても過言ではないでしょう。

ですので、麹由来の乳酸菌で乳酸発酵が行われていたとしても、本来の麦麹でないとペディオコッカス属アシディラクティシ種は得られないかもしれません。あるいは乳酸菌が日本式の米麹から得られているのであれば、伝統的な麦麹からは得られないかも知れないのです。

そのあたりの研究はまだまだ充分進んでいるとは言い難い状況です。先にお話したとおり、有名大手メーカーですら、人工・合成甘味料添加のように、お酒としてどうなのかと思える部分も少なくありません。

ですから、もしかするとヨーグルト乳酸菌を使った、安易な製法を用いているメーカーがないとも言い切れないのです。

このようなことから、マッコリを飲んで乳酸菌の効果が得られるかどうかは、全く未知数と言わざるを得ないのが現状なのです。

ヨーグルト乳酸菌であっても、それによる整腸効果は期待できるのですが、そもそも菌数自体が未知数なのでどうしようもないですね。

むしろ麹や酵母のほうが役立つかも

火入れしたマッコリの場合は酵母は死滅していますが、栄養価は残っています。ですから、殺菌された乳酸菌の菌体成分の効果とあいまって、健康に寄与する部分はあるかも知れません。

いずれにせよ、お酒に乳酸菌の効果を期待するのはちょっと難しい部分があるといえます。多分、アルコール入り乳酸菌飲料で、健康に関する効果が明らかなのは馬乳酒の系統だけでしょう。

これらば、アルコール濃度も1~2%程度と、非常に低いためアルコールの悪影響もほとんどありません。マッコリはビールよりは高めのアルコール濃度なので、やっぱりお酒の害は無視できないでしょう。

このようなことから、乳酸菌による健康効果を期待して飲むのではなく、アルコール度数が低い嗜好品の発酵飲料として飲むのが、マッコリの正しい楽しみ方だと思います。
この記事をシェア

合わせて読みたい

ページ先頭に戻る