乳酸菌でニキビが治る!?ニキビに効果を発揮する乳酸菌はどれ

ニキビに悩んでいる人が、乳酸菌を摂ることで解消できると言えば、多くの人が「便秘だとニキビができやすいからね」と同意してくださると思います。

実際に便秘によってニキビ・吹き出物が出やすくなるのは事実です。これは便秘が原因で、皮脂の分泌が多くなるからだと考えられています。

ならばヨーグルトでも食べて便秘を改善すれば!…と言いたいところなのですが、ちょっと慎重に取り組んだほうが良いかもしれません。

ニキビの原因は皮脂・角質・細菌の3点セット

まずは乳酸菌でニキビの改善が可能か説明するために、ニキビの原因について簡単にご説明しますね。

ニキビは、毛穴の出口付近にある皮脂腺から出た皮脂が、皮膚の表面に素早く広がることができずに、毛穴の中に溜まってしまうことで始まります。

そして、そこに皮膚常在菌のプロピオニバクテリウム属アクネス種(通称:アクネ菌)が、過剰に繁殖することで遊離脂肪酸が過剰になり、それによって炎症を起こしてしまったものがニキビです。

なぜ皮脂が毛穴の中に貯まるのか

その原因の一つは皮脂の過剰分泌です。皮脂がたくさん分泌されすぎることで、毛穴に皮脂が滞ってしまうというわけです。しかし、普通なら毛穴は外に向かって開いているので、肌がテカったりべとつくだけで、トラブルには繋がりません。

しかし、毛穴周辺の角質が増えすぎると、毛穴を蓋してしまって、皮脂が外に流れにくくなるのです。

アクネ菌は偏性嫌気性菌と言って、酸素がある環境では生きて行けない細菌です。ビフィズス菌と同じですね。

そこで、普段は皮膚の表面ではなく、皮脂によって覆われることから、空気に触れることがない毛穴の奥の方にひっそり暮らしています。ですので、それほど多く増えることができません。

ところが、皮脂が毛穴いっぱいに満たされ、入り口を角質で蓋してもらえると、そこはもうアクネ菌の天国です。その結果、アクネ菌は皮脂を分解しながら増殖し、それによって遊離脂肪酸が増えて炎症が起こり、ニキビが出来上がると言うわけなのです。

つまり、ニキビというのは

  • 角質の増殖
  • 皮脂の過剰分泌
  • アクネ菌の異常増殖

の3つの条件が揃った時に発生するというわけです。

ニキビの改善はこまめな洗顔

アクネ菌は皮膚常在菌ですから、殺菌剤などを使って皮膚から取り除くことは好ましくありません。普段は皮脂を分解して脂肪酸を遊離させ、皮膚表面を弱酸性に保つことで、外来の細菌から皮膚を守るバリアを作ってくれているのです。

つまり、過不足のないアクネ菌の存在は、腸内の乳酸菌と同じような働きをしてくれているのです。でも、遊離脂肪酸が多すぎて酸性に傾きすぎると、それが炎症の原因になることもあります。

ですから、まず過剰な角質によって毛穴に蓋をさせないようにしなければいけません。ニキビ治療ではケミカルピーリングなども行われますが、まずはこまめに水またはお湯だけで洗顔することをお勧めします。

本当はお化粧をしないほうが良いのですが、そうも言ってられないことが多いと思います。面倒かもしれませんが、一日の途中でチャンスを見て化粧を落とし、洗顔して化粧をやり直せるとベターですね。

洗顔の際には殺菌成分のない石鹸を使うか、まったく洗浄剤を使わないほうが良いです。皮脂を落としすぎるとかえって皮脂分泌が促進されますし、常在菌を殺すと別のトラブルが起こります。

洗顔の目的は皮脂を落とすのではなく、皮脂がたまる原因になっている、毛穴の出口付近の余分な角質を取り除くことで、これには水だけの習慣的な洗顔で充分間に合います。

乳酸菌によって腸内環境を改善すれば、過剰な皮脂分泌を防げる

これは俗説の域を出ないのかもしれませんが、腸内環境が悪くなって、悪玉菌による有害物質の分泌が行われると、その影響で皮脂の分泌が増えニキビができると言われています。

そのメカニズムはよく判りませんが、経験的にそれはあると感じている人も多いのではないでしょうか。もしかすると、ニキビではなく別の皮疹かも知れませんが、その場合でも腸内環境を整えることは重要ですね。

腸内環境を整えるのならどんな乳酸菌でもOK

乳酸菌の一番の働きは腸内環境を整えてくれることです。ですので、ニキビ対策として便秘改善を目指すのなら、どんな乳酸菌でもOKと言えます。

ただ、人によっては乳酸菌を摂ったことで、かえって便秘がひどくなったということも聞かれます。

もしヨーグルトで乳酸菌を摂っているのであれば、人肌程度に温めたホットヨーグルトを試してみて下さい。体質によっては冷たいものを摂ることで便秘が悪化する人がいます。

また、サプリで乳酸菌を摂っても便秘が悪化したという人もいます。そうした場合、まず水分不足と食物繊維不足がないか確認して下さい。

乳酸菌サプリは1日2~3回に分けて飲み、毎回200mL以上の水で飲みましょう。そのうち1回は牛乳で飲むことをお勧めします。そして、1日に350g以上の野菜と、200g以上のフルーツを食べるようにして下さい。

その上で乳酸菌サプリやヨーグルト、乳酸菌飲料を摂れば、便秘は改善しやすくなります。

でも!乳製品でニキビが悪化する人もいる

これは海外での事例ですが、乳製品を多く摂る人では、ニキビが多く現れるという報告もあります。とは言え、欧米では乳製品の消費量が日本とは桁違いですから一概には比べられません。

アメリカでは1ガロン(約3.8L)またはハーフガロン(約1.9L)入りの牛乳が普通です。消費量の差が見て取れますね。

ただ、便秘を治そうと思ってヨーグルトを毎日食べていたら、かえってニキビがひどくなったという人は、海外で報告されているような体質なのかもしれません。

そうした場合は無理せず、乳酸菌サプリや、植物性の乳酸菌飲料などを利用する方向で試してみて下さい。

あるいは野菜とフルーツをたくさん食べるようにして、腸の中でもともと定着しているビフィズス菌が優勢になるように育ててみるのも一つの方法ですよ。

日本人レベルの摂取量であれば、ほとんどの場合ヨーグルトを食べて腸内環境を改善することは、ニキビの改善に寄与すると思います。

パントテン酸と乳酸菌を使ったニキビ治療は学問的裏付けがない

一部のファンの間では、ビタミンB群の一つ、パントテン酸の大量摂取と乳酸菌サプリの併用で、皮脂分泌を抑えてニキビ治療につなげるという方法が行われています。

パントテン酸自体は水溶性ビタミンなので、過剰に摂っても尿に排泄されてしまいますから、過剰症の心配はほとんどありませんし、下痢くらいしか悪影響は知られていません。

ですので、この後の記事は、パントテン酸大量摂取療法を自己責任でやっている人たちを批判するものではありません。でも、私はお金の無駄ではないかと考えているのです。

パントテン酸の利用は一種のメガビタミン療法

パントテン酸を大量に摂ることで皮脂分泌を抑えてニキビの改善に役立てようという考え方は、1997年に香港のLit-Hung Leung博士が、オーソモレキュラー療法の専門雑誌に寄稿した論文が発端です。

オーソモレキュラー療法と言うのは、ビタミンなどを大量に投与することで、体を健康にしようという考え方に基づいたもので、その昔「ビタミンCを大量に飲むと風邪が治る」と言うような流行があった、その流れのものです。

現在ではLit-Hung Leung博士の論文は否定されていますが、パントテン酸がニキビ改善に効果がないということは証明されていません。ですから、効くという人は過剰症の心配がないので実践されてもいいとは思います。

でも、アメリカのニキビ専門フォーラムの中で最大の”Acne.org”では、すでにパントテン酸によるニキビ治療は選択肢から外されたようです。

もともとパントテン酸の一日必要量は日本では5㎎で、しかも日本人は平均的にそれを満たしています。一方、オーソモレキュラー療法を行っている人では、500㎎のサプリなどを輸入して服用しているようです。

それほど高価なサプリではありませんが、ほとんどが尿に流れてしまうから、私にはもったいないように思えます。

乳酸菌サプリは役に立つかも知れない

アメリカで行われているパントテン酸を使ったオーソモレキュラー療法と、日本のパントテン酸大量使用を行う人たちの違いは、乳酸菌サプリの併用にあると感じます。

もちろんアメリカでも乳酸菌サプリはいっぱい販売されています。私の手元にも、他のものを買った際についでに求めた、お試し価格10カプセル110円の乳酸菌サプリがあります。

1カプセルあたり50億CFUですから、1日に2カプセルも飲めば結構な量の乳酸菌が摂れます。おなじシリーズで1カプセル300億CFUの乳酸菌8種類のものは、60カプセル入り2250円です。この量なら2ヶ月分と考えて良いでしょう。

2~3個買えば、日本まで送料無料ですから、こうしたものを利用してみるのも安上がりでいいかもしれませんね。商品名は”LactoBif”です。

日本でパントテン酸を利用したニキビ対策を行っている人たちは、1日あたり4~500億個(CFU)の乳酸菌のサプリを利用していることが多いようです。そのあたりも勘案して、いろいろ試してみるのも悪くありません。

個人的には乳酸菌サプリだけをたくさんの水と一緒に飲み、1日に200mLの牛乳と、350gの野菜・200gのフルーツを食べたほうが美味しくてお得じゃないかと思います。

パントテン酸はエネルギー代謝に関わる補酵素Aの原料です。Lit-Hung Leung博士の論文では、脂質代謝に関わると限定しているところが批判されていますね。むしろ糖質代謝に重要な役割を果たしています。

ニキビの治療は難しい面がある

ニキビや吹き出物は、尋常性ざ瘡と言う皮膚病です。若者では当たり前の症状なので誰も気にしませんが、赤身が強かったり、複数できたりするような場合には皮膚科を受診して下さい。

日本でのニキビの罹患率は、若者で90%を超えると言われていますが、受診率は10%そこそこです。そのせいか、年齢を重ねても吹き出物で受診する人はあまり多くありません。

しかし、一度出てしまったものは、ちゃんと治療して、その上で洗顔などによる予防を行うと言う風に考えてください。もちろん、1個だけで症状が軽ければ市販の治療薬でも良いですよ。

皮膚科のお医者さんに出かけても、あまり治療に熱心でないお医者さんもいると聞きます。これは先にお話したように、ニキビなんて治療するほどのものじゃないという意識を持っている人がお医者さんにもいるということなのかもしれませんね。

一方で、日本ではまだ認可されていないイソトレチノインと言うビタミンA誘導体を使った治療を、自費診療で行う熱心なお医者さんもいらっしゃいます。

ただ、アメリカでは非常に有効な治療として人気のこのお薬は、催奇形性が知られていて、使用中の妊娠・授乳はもちろん、使用後半年間の妊娠もNGです。さらにパートナーの男性も使えないというリスクがあります。

そして、これが一番つらいところなのですが、ニキビで一番悩むであろう成長期の人にも使えないという、割合限られた用途のお薬なのです。

そういった意味では、若いときから乳酸菌を利用して腸内環境を整え、いわゆる「ニキビができにくい体質」を目指すのが、長い目で見た場合最も安全で有効なのかもしれません。

第一、ニキビだけでなく腸内環境の改善は全身全てに良い効果が期待できるのですから。

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