妊活中の女性&妊婦さんにおすすめの乳酸菌、ヨーグルトはこれ

妊娠中の女性や、これから妊娠したいと望んで妊活中の女性にとって、乳酸菌はとても頼りになる存在です。

一方で、妊娠というデリケートな時期を過ごすのに、乳酸菌サプリメントはあまりおすすめできません。

乳酸菌だけなら特に問題はないのでしょうが、サプリメントとして製剤する際に余計なものが入り込む余地が大きいからです。

特に妊娠中には便秘もよく問題になりますから、今回はそれを中心に見て行きましょう。

女性の宿命?ホルモンが影響する便秘を解消してくれる乳酸菌

便秘と言えば女性に多い症状です。

しかし、これって本当に女性に多いのでしょうか。実は、ある年齢層において女性に圧倒的に多いため、全年齢平均でも女性に多いという数字が出てくるのです。

便秘は女性ホルモンにも原因があります。そのため、思春期から更年期までの間、圧倒的に女性に便秘が多くなるのです。

まずはこのグラフを見て下さい。

便秘の性別と年齢別罹患率グラフ
(参照:順天堂醫事雑誌 2014,60 P.16~24)

このように、幼い時には性差がなかった便秘は思春期になって明らかな性差が見られるようになり、更年期以降も性差なく加齢で増加するという形になっています。

このことから、生理がある年齢域での女性が分泌するホルモンの、どれかが便秘に関わっていると推定できますね。一方、妊娠するとホルモンの分泌も変化します。つまり妊娠中も分泌されるホルモンに原因があるわけです。

妊娠中は便秘しやすい状態が継続する

実は、便秘の原因になっているのはプロゲステロン、いわゆる黄体ホルモンです。妊娠を維持するホルモンとも言われますね。

プロゲステロンは生理の周期の後半に卵巣から分泌されます。そして、腸の蠕動運動を抑制すると同時に、腸への刺激の感受性を鈍くします。

その結果便秘になるわけですが、生理が来るとプロゲステロンの分泌が一旦止まるため、腸の蠕動運動が元に戻って便秘が解消します。

もちろん、人によっては便秘していた間に、便の状態が悪くなって排便しにくくなり、なかなか解消しないというケースも見受けられます。

一方、妊娠すると生理が止まり、黄体が維持されるため黄体ホルモンの分泌が続き、量も多くなります。その結果、妊娠初期の便秘の原因になると言うわけです。

黄体ホルモンはつわりが治まってしばらくする頃になると、便秘への影響は少なくなります。しかし、その頃になってくると、今度は胎児が育ってきて子宮が大きくなり、腸を圧迫するという物理的な力で便秘が起こります。

ですから、妊娠中は常に便秘が起こりやすい環境にあるということになるのです。

下痢などの激しい腸の蠕動運動は流産を招くことから、妊娠を維持するためプロゲステロンが蠕動運動を抑制するとも考えられていますね。

大切なのは妊娠前からの腸内環境整備。具体的な方法は?

妊娠中の便秘を対策することはとても大切ですが、そもそも妊娠したからと言って必ず便秘するものではありません。実は、便秘の有病率は若い女性と妊婦の間で差がないというのが実情なのです。

多くの研究によると、おおむね半分弱の人が便秘傾向にあるという数値が得られています。ですので、上のグラフで見て想像できるように、思春期から正しい食生活と排便習慣を身につけておくことが、最も重要だと言えるでしょう。

ダイエットで誤ると妊娠に悪影響が出る

もちろんBMI≧30.0kg/m2の肥満度2(WHO基準で肥満)やBMI<18.5kg/m2の「痩せ」は論外ですし、BMI≧25.0kg/m2の肥満度1(WHO基準で過体重)の人も、少し減らして18.5kg/m2≦BMI<25.0kg/m2の「普通体重」の範囲に入れておくことが重要です。

できれば下限は20.0kg/m2くらいにしておいたほうが、便秘を考える上では有利かもしれませんね。日本人の20代30代の女性の平均身長、約158cmから見た場合、だいたい50kg~62kgの間が良いということです。

体重だけなら割合広い範囲ですから、この間に入れておくことは難しくないでしょう。しかし、体脂肪率も見ておいて下さいね。23%~28%くらいであれば、問題ないと考えて差し支えありません。

そしてもう一つ、上で示した普通体重の範囲なのに「自分は太ってるから痩せなければいけない」と言う、根拠のない強迫観念は捨てて、上の数値を基準に考える習慣をつけることが大変重要になります。

健康に妊娠し出産するためには、栄養バランスが大事です。甘いものも脂っこいものも食べてOKですが、偏ることはいけません。そして、食物繊維と発酵食品を意識して摂る習慣を身につけると、生涯に渡っての便秘対策になります。

食生活に野菜・果物とヨーグルトを

毎日の食事に野菜と果物を組み込むことは、食物繊維やオリゴ糖を摂ることに繋がり、それが善玉腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えることに役立ちます。

両手で握りこぶしを作って向かい合わせにくっつけると、女性なら野球の硬球ぐらい、男性ならソフトボールぐらいの大きさになると思います。

その大きさ2個分のボリュームの野菜と、1個分の果物を毎日食べて下さい。果物はりんご1個分くらいになると思います。女性なら小さめのりんご、男性なら大きめのものです。芯が大きいとか皮をむいて食べるとかの場合は1個半にしましょう。

栄養価のことを無視して体積だけで見れば、もやし1袋と玉ねぎ1個、ピーマン数個分で間に合うでしょう。食べる人なら毎食そのぐらい食べるかも知れませんね。少食な人でも3食に分ければ行けると思います。

そしてヨーグルトです。なんでも良いので、とりあえず一日に最低100g、できれば200gくらいを欠かさず食べて下さい。

これを基本に食事を組み立てて行けば、腸内環境はかなり良い状態になるでしょう。2~3年以上続ければ、ホルモンの影響ぐらいでは便秘しない腸になると思いますよ。

ヨーグルトの種類を選ぶ必要はなし!でも複数の種類を食べよう

ヨーグルトと言ってもいろいろな種類があります。プレーンタイプもあれば加糖タイプ、フルーツなどが練り込まれたものもありますね。さらにはヤクルトのような乳製品乳酸菌飲料という手軽なものもあります。

フルーツなどが入ったものは2/3の重量に換算しておきましょう。つまり、75g入りの場合、2個で100gと言う計算になります。

生きて腸まで届かない物も悪くない

もちろん生きて腸まで届く乳酸菌のヨーグルトは、それを食べることによって乳酸菌が小腸に達し、そこで活動を始めることで乳酸が作られます。乳酸は環境を酸性に傾けますので、乳酸菌やビフィズス菌より酸性に弱い悪玉菌を抑制します。

悪玉菌が抑え込まれることで、大腸の中では悪玉菌が占めていた縄張りを、善玉菌であるビフィズス菌が奪い取って行きやすくなるのです。

一方、胃酸で殺菌されてしまった乳酸菌は、菌体成分として小腸に届き、そこにあるリンパ組織で免疫細胞と出会います。それによって、生菌からは得られない細胞実質に含まれる核酸などが免疫細胞に触れるわけです。

そうすると、その刺激で免疫細胞の働きが活性化されると同時に、食べ物など免疫細胞が働かなくて良いものに対しては免疫寛容という選択能力が正しく調整され、アレルギーを防ぎます。

さらに、その菌体成分は大腸に送り込まれ、細胞壁の成分が食物繊維的な働きをして、善玉菌であるビフィズス菌が増殖する手助けをするのです。

また、乳酸菌は自分の周りに菌体外多糖という物質を作り出します。菌体外多糖は菌種・菌株ごとに成分が異なりますが、免疫力アップや抗アレルギー活性を持つものもあります。

明治プロビオヨーグルトに使われているラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種1073R-1株(通称:R-1乳酸菌)の菌体外多糖や、カスピ海ヨーグルトの粘り成分としての菌体外多糖を作るラクトコッカス属ラクティス種クレモリス亜種(通称:クレモリス菌)が有名ですね。

中には菌体外多糖としてヒアルロン酸を作り出す、ストレプトコッカス属ズーエピデミカス種のようなものもありますが、ヨーグルトには含まれていません。そもそもヒアルロン酸は菌体外多糖の中でも超高分子ですので、作られても消化して糖に分解しないと吸収できません。

一方、多くの乳酸菌の菌体外多糖のうち、難消化性のものは食物繊維的な働きを持っていますので、腸内環境の改善には役立つことが多いですね。

このように、働きの内容は異なりますが、乳酸菌は生きていても死んでいても、腸内環境の改善に役立ちますのでヨーグルトは常食するように習慣づけて下さい。

ヨーグルト100gで100億個ぐらいは簡単に摂れる

ヨーグルトの場合、法令に定められた菌数は1mLあたり1000万個です。つまり100mLとか100gとかの量のヨーグルトを摂れば、最低でも10億個の乳酸菌または酵母が摂れます。

しかし、実際のところ酵母が入っているヨーグルトと言うのは、ケフィアぐらいしかありませんし、そのまま飲食できる状態のケフィアは法令上販売できないので、ヨーグルトに期待できるのは乳酸菌だけと言って良いでしょう。

さらに、100gあたり10億個という少ない数のヨーグルトは珍しいと思います。

明治ブルガリアヨーグルトLB81の100g中には、ラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種(通称:ブルガリア菌)2038株10億個と、ストレプトコッカス属サーモフィルス種(通称:サーモフィルス菌)1131株100億個が含まれています。

▼明治ブルガリアヨーグルトLB81
明治ブルガリアヨーグルトLB81商品イメージ

この2種類の菌株を合わせてLB81乳酸菌と言う商品名にしていますから、100g中110億個のLB81乳酸菌が含まれていると言うことですね。

雪印メグミルク・ナチュレ恵には特定保健用食品の関与成分として、ヨーグルト100gあたり、ラクトバチルス属ガッセリー種SBT2055株(通称:ガセリ菌SP株)5億個以上とビフィドバクテリウム属ロンガム種SBT2928株(通称:ビフィズス菌SP株)が10億個以上含まれています。

▼雪印メグミルク・ナチュレ恵
ナチュレ恵
商品イメージ

では、ナチュレ恵には乳酸菌が100g中15億個しか含まれていないのでしょうか。もちろん、これでも法令の基準以上にはなります。実は、菌数は明らかにされていませんが、ブルガリア菌とサーモフィルス菌も使われています。

これは、美味しいヨーグルトを作るには、ブルガリア菌とサーモフィルス菌の組み合わせがベストだからという理由もあります。

さらに、森永ビヒダスヨーグルトには、特定保健用食品の関与成分として、ビフィドバクテリウム属ロンガム種BB536株(通称:ビフィズス菌BB536)が100g中20億個含まれています。

▼森永ビヒダスヨーグルト
森永ビヒダスヨーグルト商品イメージ

ビヒダスもナチュレ恵と同じで、菌数は明らかにしていませんが、ブルガリア菌とサーモフィルス菌で土台になるヨーグルトを作っています。また、これは研究論文からの推測ですが、ビフィズス菌の増殖を促進する乳酸球菌を共培養している可能性もあります。

このように、三大乳業メーカーのヨーグルトは、いずれもかなり多い乳酸菌の個数を含んでいると思われます。全体として具体的な個数がわかっているのは明治ブルガリアヨーグルトだけですが、他の商品も遜色ないのではないでしょうか。

中にはタカナシ乳業の「おなかへGG!」のように、特定保健用食品の関与成分として、ラクトバチルス属ラムノーサス種GG株(通称:LGG乳酸菌乳酸菌)だけで140億個という数字を示している商品もあります。

▼タカナシ乳業 おなかへGG!
おなかへGG!商品イメージ

これも当然LGG乳酸菌だけではヨーグルトが成立しないでしょうから、少なくともサーモフィルス菌、おそらくはブルガリア菌も使われているでしょう。そうなると、合計菌数はかなり多くなるでしょうね。

ヤクルトやピルクルも悪くない

ヤクルトや日清ヨークのピルクルのような飲料を「乳製品乳酸菌飲料」と言います。よく「乳酸菌飲料」と言う言葉も見聞きしますね。頭に乳製品と付いている物はどこが異なるのでしょうか。表を見てもらいましょう。

乳製品乳酸菌飲料 内容 乳酸菌飲料
3.0%以上 無脂乳固形分 3.0%未満
1000万個以上 1mLあたり菌数 100万個以上(1桁少ない)
乳製品乳酸菌飲料(殺菌) 殺菌した場合の種別 一般的な清涼飲料水扱い

このように、乳脂肪以外の乳たんぱくや乳糖などである「無脂乳固形分」が3.0%以上含まれているかどうかで基準が変わります。乳製品乳酸菌飲料については、菌数はヨーグルトなどの「発酵乳」と全く同じですが、そうでないものは1/10で良いことになっています。

ピルクルには500mL入りや1000mL入りもありますが、ヤクルトもピルクルも、基本的に65mLと言う一気飲みサイズですね。それでは乳酸菌数は少なくならないのでしょうか。

実は意外なことにこの2つの商品は、一般的なヨーグルトより菌数が多いです。ヤクルトで1本65mLあたり200億個、ピルクルでは150億個のラクトバチルス属カゼイ種(通称:カゼイ菌)が含まれています。

この2つに使われている乳酸菌は同種ですが異株と言うことになり、このことは類似品との間でも言えることです。また菌数についても、数がはっきり表示されていないものでは、最低7億個弱にとどまる可能性もあります。

ヤクルトとピルクルに含まれている菌数は、カゼイ菌しか含まれていなかったとしても、明治ブルガリアヨーグルトと比べて2倍を軽く超えていますね。

なお、ヤクルトのカゼイ菌は「生きて腸まで届くけれど、腸には定着しない」とメーカーが明言しています。おそらく類似の飲料に使われる菌も同じでしょう。

妊娠を意識するならサプリは避けたほうがいいかも

妊娠が明らかになったら、自己判断でサプリメントを摂ることは避けて下さい。一方、妊活をしているのであれば、当然妊娠してから、それに気づくまでの期間というブランクがあり得ますから、基本的にサプリメントを避けておくほうが良いですね。

栄養のことが気になって、サプリメントを摂りたいと思ったら、まずはお医者さんや管理栄養士さんに相談して下さい。その指示に従って使うのが安全です。

乳酸菌サプリであっても念のため避けておく

妊娠中はいろいろとデリケートな時期ですし、万が一のことがあったら大変ですので、安易にサプリメントを使うのは良くありません。

特に乳酸菌はヨーグルトを食べておけば充分間に合いますし、食物繊維を意識したバランスの良い食生活を送っておけば便秘対策としても充分です。

ただ、妊娠したからと言って、あわててヨーグルトを食べ始めても、効果が出るまでには数ヶ月以上かかるので間に合わないかも知れません。妊娠前から、できれば思春期の頃から習慣にしておくのが良いでしょう。

また、野菜をしっかり摂っておくことは、妊娠初期にもっとも重要なビタミンである葉酸が摂れますので、二重に良いことですね。

葉酸サプリはお医者さんに出してもらう

葉酸を最も必要とするのは、妊娠前1ヶ月くらいから、妊娠13週くらいの間です。ですから、妊娠に気づいていない時にも身体は葉酸を必要としているのです。

普段からしっかり野菜を食べて、妊娠が判ったらその場でお医者さんにお願いして葉酸を処方してもらいましょう。葉酸剤処方箋薬のフォリアミンと言うお薬には、錠剤と粉薬がありますが、粉薬がおすすめです。

粉薬の方には錠剤の剤形にするための添加物が使われていないからです。使われているのは水に溶けやすくするための乳糖水和物と馬鈴薯でんぷんだけですので安心ですね。

葉酸の話はこのサイトでは脱線ですが、気になっている人も多いと思うので書いておきました。

ヨーグルトと色々なものを食べるのがベスト

半数の人が便秘になるということは、言い換えれば半数の人はならないということでもあります。その差は、基本的に食生活にあると言っても過言ではありません。

好きなものは何を食べてもOKですが、まずはヨーグルト・野菜・果物を食べて、残りを好きなもので摂れば、それだけでも妊娠時や、その後の生涯の便秘を防ぐ効果があると思いますよ。
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