乳酸菌で本当にダイエットできる?スマートガネデン乳酸菌の効果

ダイエット効果を謳う乳酸菌サプリとして、ネット上でちょっと話題になっているのが「スマートガネデン乳酸菌」です。セールスポイントとしてはダイエット効果とアミノ酸吸収の促進です。

一方で、口コミサイトなどでは、効果がなかったという意見もよく見られます。もちろん、広告通りに効果があったという意見も見られます。

はたしてどのように利用すれば効果があるのでしょうか。スマートガネデン乳酸菌の効果について、解説します。

スマートガネデン乳酸菌はガネデン乳酸菌を使った日本製サプリ

ガネデンと言うのは、1997年にアメリカで創業したプロバイオティクス原料を生産するメーカーのことです。いくつかの小売り用自社製品ブランドも持っていましたが、2011年にそのブランドを他社に売り渡し、現在ではプロバイオティクス原料に特化しています。

そして、2017年にアイルランドの半国営企業、ケリーグループに全株式を売却して子会社となっています。ガネデンはヘブライ語(ラテンアルファベット表記)の”Gan Eden”つまり「エデンの園」に由来する社名です。

ガネデン社は一つの菌種に絞った商品展開をしている

実はガネデン社は自社で発見した、非常に有用な乳酸菌一種類に絞って商品展開を行っています。それは生菌としてのほか、不活化した菌や、バイオジェニックスとして菌が生産した化学物質の商品化です。

そして、スマートガネデン乳酸菌として日本で販売されているのは、それに22種類もの乳酸菌を追加し、さらに別の栄養素も補充した総合サプリメントなのです。

▼スマートガネデン乳酸菌
スマートガネデン乳酸菌商品イメージ

このガネデン社が販売している乳酸菌は、GanedenBC30(TM)と言うもので、これが「ガネデン乳酸菌」です。菌株としては、バチルス属コアギュランス種GBI-30,6086株になります。

バチルス属コアギュランス種は、乳酸を作る細菌ですが、三つの点で乳酸菌ではありません。一つは芽胞と呼ばれる胞子を作り出すこと、もう一つは自分で動くことができること、そして活性酸素である過酸化水素を分解するカタラーゼを持っていることです。

しかし、乳酸を作り出し、腸内細菌の悪玉菌であるクロストリジウム属ディフィシレ種による下痢を改善するなど、善玉菌の乳酸菌として非常に役に立つため、「有胞子性乳酸菌」と呼ばれることもあります。

日本ではグリコのビスコに入っているスポロ乳酸菌や、三菱ケミカルフーズが業務用に生産しているラクリス-S(バチルス属コアギュランス種SANK70258株)などが、この菌と同種になります。

日本のサプリメーカーは、ガネデン社と契約して、この乳酸菌を中心とした配合を行って「スマートガネデン乳酸菌」の商品開発を行ったようです。

ブランド売渡先でもGanedenBC30は健在

ガネデン社がシフ・ニュートリション・インターナショナル社に売り渡したブランドは、”Sustenex”と”Digestive Advantage”の二つで、現在もDigestive Advantageブランドは多彩な商品展開で販売を継続しています。

もちろん、ガネデン社から供給されるGanedenBC30を中心に配合されたさまざまな商品構成になっています。

ガネデン社のおなら防止サプリメント商品イメージ
(出典:Digestive Advantage Gas Defense Formula Capsules 32 ea |Schiff)

例えば、この画像のものは「おなら防止サプリメント」です。売り文句は「おならが出始める前に止める」です。輸入して売ったら、日本でも人気が出そうですね。

その他「乳糖不耐対策」「日々のプロバイオティクス」「早く効く酵素と乳酸菌」「腸内環境改善」などの効果を持つサプリが、カプセル入り、グミ、チョコレートなど様々な剤型でリリースされています。

アメリカのサプリは、効果効能を前面に押し出して販売されていますから、消費者としては選びやすいという利点もありますね。もちろん、効果と副作用は消費者の自己責任の割合が多くなりますが。

バチルス属コアギュランス種は「腸で復活する乳酸菌」

芽胞と言うのは細菌が作る胞子のことです。カビなどが作る胞子とは役割が異なるため、芽胞と呼びます。カビなどの胞子は子孫を残し繁殖するための生殖細胞ですが、芽胞は自分自身が生き残るための「引きこもり状態」を指します。

しかし、芽胞も胞子も、一定の条件が整えば発芽しますので、似ている部分もあるのです。

芽胞は細菌の非常用シェルター

細菌は、例えば沸騰したお湯の中に漬けられたり、塩酸の中に浸されたり、生存に適さない環境下に置かれると死んでしまいます。その時、芽胞を作る能力のある細菌は、自分の遺伝子をコピーしてそれを芽胞の中に閉じ込めます。

すると、細菌は死んでしまいますが、芽胞は生き残ります。芽胞はちょっとやそっとでは死にません。加熱でも、121℃・湿度100%(飽和水蒸気)で15分間加熱してやっと死にます。煮沸では間に合いません。

この条件は、家庭用の圧力鍋の加熱条件とだいたい同じくらいです。また、いったん芽胞になった細菌は、芽胞のままでは栄養を摂ることも、繁殖することもできません。

まるでロールプレイングゲームの「どんな攻撃も受け付けないが、自分からも全く何もできない」と言う呪文が効いているような状態ですね。

このバチルス属コアギュランス種は、食べ物として胃に入った時に胃酸で殺菌されますが、その時に芽胞を作り、腸で発芽して乳酸菌としての活動を再開します。つまり、生きたまま腸に届くのではなく、いったん死んでから腸で復活するのです。

こうした特性があるので、例えばビスコのような焼き菓子に入れても、調理の際に死んだスポロ乳酸菌は芽胞を残し、それがお腹の中で発芽して乳酸菌として復活するというわけなのです。

GanedenBC30の働き

ガネデン社の公式サイトを見ると、GanedenBC30には消化器系と免疫系の2通りの改善効果があるとされています。様々な研究論文を引用して、効果をアピールしています。

その中で特に目立っているのは、偽膜性大腸炎と過敏性腸症候群を改善する効果です。偽膜性大腸炎は、抗生物質の長期使用などによって菌交替症を起こし、常在菌のクロストリジウム属デフィシル種が異常増殖して起こる病気です。

時として致命的な腸炎にもなり得る危険な病気ですが、これを抑制する効果がGanedenBC30にあるという、動物実験の結果を報告しています。

一方、過敏性腸症候群は、腸に器質的なトラブルが発生していないのに、下痢や便秘、ガス腹などのトラブルが発生する病気です。これを改善するというデータも紹介されていますね。

また、免疫機能に関して、ウイルス感染を抑制する免疫機能の向上や、HIV感染者の免疫機能が損なわれることを抑制すると言った効果が報告されています。

さらに、炎症を抑えることでアレルギー症状を軽減できるということも示唆されています。

ちょっと変わったところでは、腸内細菌の中で、酢酸を消費して酪酸を作るフィーカリバクテリウム属プラウスニッツイ種と言う菌への効果を挙げている論文がありました。

この菌は腸内細菌の5%ほどを占める菌で、偏性嫌気性菌ですから大腸や便の中にしかいません。おそらく現段階では日和見菌扱いされていると思いますが、そのうち善玉菌として扱われるようになる可能性があります。

そうなった場合、ビフィズス菌と合わせて、善玉菌は腸内細菌の25%と言うことになるかもしれません。この菌は、加齢とともに減少してくるのですが、GanedenBC30は、この菌の減少を抑えたという報告もあります。

ガネデン乳酸菌はこのような特徴を持った乳酸菌で、これを中心に配合して作られたのがスマートガネデン乳酸菌と言うサプリメントなのです。

熱湯でも死なない芽胞と言うと、納豆菌やウェルシュ菌などが有名ですね。役に立つ菌も病原菌も、芽胞を作るものは少なくないのです。

スマートガネデン乳酸菌には23種類の乳酸菌がブレンドされている

スマートガネデン乳酸菌には、23種類もの乳酸菌が入っています。多ければいいもんじゃない、と言いたくなりますが、実は種類が多いのは良いことなのです。

それは、乳酸菌と人間の間には相性があって、必ずしも一つの菌株がすべての人に役立つわけではないからなのです。種類が多いと、相性が良いものに出会う確率は上がりますよね。

▼スマートガネデン乳酸菌
スマートガネデン乳酸菌商品イメージ2

なぜスマートなのか

それは配合されているもう一つの乳酸菌に秘密があります。それはラクトバチルス属プランタルム種22A-3株と言う植物性乳酸菌です。この菌は日本の丸善製薬から乳酸菌原料として発売されているものです。

そして、それには「スマート乳酸菌」と言う商品名がつけられています。このスマート乳酸菌とガネデン乳酸菌を合わせて、スマートガネデン乳酸菌と命名しているのでしょう。

メーカーの公式サイトによると、次のような乳酸菌が配合されているとあります。名称については、このサイトの表記ルールに沿って一部変更しています。

  • バチルス属コアギュランス種GBI-30,6086株(ガネデン乳酸菌・GanedenBC30)
  • ラクトバチルス属プランタルム種22A-3株(スマート乳酸菌・TM-丸善製薬)
  • エンテロコッカス属フェカリス種EC-12株(EC-12乳酸菌・TM-コンビ株式会社)
  • エンテロコッカス属フェシウム種
  • ラクトバチルス属ラムノーサス種
  • ラクトバチルス種カゼイ種
  • ラクトバチルス属パラカゼイ種
  • ラクトバチルス属アシドフィルス種
  • ラクトバチルス属ブレビス種
  • ラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種
  • ラクトバチルス属ファーメンタム種
  • ビフィドバクテリウム属ビフィダム種
  • ビフィドバクテリウム属インファンティス種
  • ビフィドバクテリウム属ラクティス種
  • ビフィドバクテリウム属ロンガム種
  • ストレプトコッカス属サーモフィルス種
  • オエノコッカス属オエニ種
  • ラクトコッカス属ラクティス種亜種未特定
  • ペディオコッカス属ペントサセウス種
  • リューコノストック属メセンテロイデス種
  • スタフィロコッカス属カルノーサス種
  • スタフィロコッカス属キシローサス種

それぞれの菌について簡単に説明

上の2つはすでに紹介しましたので、3番目のEC-12乳酸菌を見てみます。これはコンビ株式会社が供給する、高濃縮で有名な殺菌菌体成分です。1グラム中5兆個という、ものすごい量の乳酸菌が含まれています。

詳しいことは別の記事に紹介していますので、そちらを見てください。

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フェシウム種も同じエンテロコッカス属で腸球菌と呼ばれるグループです。腸内細菌として人間の腸に常在しています。

その下に連なる「ラクトバチルス属」の菌の数々が、狭義の乳酸桿菌で、乳酸菌の中でも最も大きなグループを構成しています。ラムノーサス種はLGG乳酸菌、カゼイ種はヤクルト菌、ブルガリクス亜種はブルガリア菌としておなじみですね。

さらに下のビフィドバクテリウム属は、いわゆるビフィズス菌です。ここにある4種は、人間の腸からも分離されている菌種です。

ストレプトコッカス属サーモフィルス種は、サーモフィルス菌と通称されていて、ブルガリア菌とペアで、ヨーグルトの発酵になくてはならない存在です。そこから下は、すべて球菌です。

最後の2つ、スタフィロコッカス属の菌は、ブドウ球菌と呼ばれるものですが、黄色ブドウ球菌のような病原性を持つものではなく、広義の乳酸球菌ですから心配はありません。

なお、ここには22種類しか載っていません。と言うのもメーカーサイトに紹介されているもう一つの菌は、そのような学名のものが見当たらなかったからです。誤植じゃないかと思いますが、正しい名前がわからないので省きました。

もしかすると生菌の種類は少ないのかもしれない

スマートガネデン乳酸の公式サイトを見ると、乳酸菌生産物質の効果を非常に強調しています。乳酸菌生産物質だから、胃酸や胆汁の影響を受けずに善玉菌をサポートすることがセールスポイントになっています。

つまり、プロバイオティクスより、バイオジェニックスとしての効果がメインになっているのかもしれません。

バイオジェニックスにかかわるのは21種類の菌

スマートガネデン乳酸菌のセールスポイントとして挙げられているものを見ると、バイオジェニックスに関与する菌は21種類となっています。

その部分の説明には、かなり誤解を招くような表現が多いので、言葉通りには受け取れませんが、それでも菌体成分と菌体外多糖がかかわっていることは間違いなさそうです。

その成分は40種類とありますが、21種類の乳酸菌からなら、細胞壁・核酸などの細胞実質と菌体外多糖を合わせれば、充分に得られる数だと思います。

もちろんバイオジェニックスを期待するから生菌ではないということは言えません。しかし、EC-12乳酸菌については間違いなく殺菌菌体成分ですし、他にも殺菌菌体は用いられていてもおかしくありません。

生菌じゃないからダメと言うこともありません。むしろ免疫に関する効果は死菌からの方が得られやすい可能性もあるのです。間違いなく生菌であるのはガネデン乳酸菌とスマート乳酸菌の2つでしょう。

表現上疑問がある部分もある

公式サイトでは「一般的なヨーグルト120g中の乳酸菌数は約12億個なので、たった一包でヨーグルト約42個分」と表現されています。しかし、これは「一般的」ではなく「最低限」の数値です。

いわゆる乳糖省令に規定された乳酸菌または酵母の数は、発酵乳(ヨーグルト)1mLあたり1000万個となっています。つまり120mLで12億個ですね。1gと1mLは比重の関係でイコールではありませんが、ほぼ同程度とみていいでしょう。

しかし、実際のところ製品化されたヨーグルトにははるかに多い数が含まれています。代表的なものとして、明治ブルガリアヨーグルトの場合、100g中110億個のLG81乳酸菌が含まれています。

雪印メグミルクの恵シリーズや、森永ビヒダスシリーズについては、ビフィズス菌やガセリ菌の数は示されていますが、ヨーグルト本体を作り出している乳酸菌数は明らかにされていません。

ですので、このスマートガネデン乳酸菌1包には、明治ブルガリアヨーグルトの大きいパック1個分より少し多い乳酸菌が含まれているというのが正確なところでしょう。もちろん、それでもすごく多いですけどね。

また、解説文中に「乳酸菌生産物質が作り出す成分」とありますが、これは「乳酸菌生産物質の成分」の誤りでしょう。

さらに「胃壁が胃酸で溶けないのは、バクテリアがバリアを作っているから」とあるのは誤りです。胃壁はそれ自身が分泌する粘液によって保護されています。

また、「乳酸菌生成物質もバクテリアのような糖鎖と言うたんぱく質に守られている」とあるのも誤りです。糖鎖はたんぱく質に結びついて「糖たんぱく」を作り出しますが、糖鎖自体は炭水化物であってたんぱく質ではありません。

もちろん菌体外多糖は糖鎖ですし、それがバクテリア本体を保護することはあります。一方、糖鎖自体が乳酸菌生成物質ですから、ちょっと論理が循環しちゃってますね。

このように、表現にちょっと問題はありますが、言いたいことは次のような内容でしょう。

  • 殺菌菌体成分は胃酸や胆汁の影響を受けない
  • 生菌と死菌を合わせた菌数はヨーグルトより密度が高い
  • 菌体外多糖が生菌を保護し、それ自体も免疫力アップに貢献する
効果自体にそれほど疑問はありません。それは、これらの効果は乳酸菌に普遍的に期待できる効果だからです。

アミノ酸については評価しづらい

食品分析センターの分析によるデータとして、アミノ酸が他の乳酸菌の130倍含まれていると言う説明がなされています。ただ、比較対象になったものが不明なので、実際の効果のほどはわかりません。

乳酸菌サプリ、例えば富士フィルムのビフィズス菌BB-12を見ると、1000mgあたりたんぱく質は0g、炭水化物は1gとなっています。つまり、もともと乳酸菌製剤にたんぱく質やアミノ酸はほとんど含まれていないわけです。

それに対して、アミノ酸を付加した乳酸菌であれば130倍くらいの数値は簡単に出てきますので、これ自体が有効性を示すというのは難しいかも知れません。

一方、トレーニングを行う人のゴールデンスタンダードになっているという話も聞くガネデン乳酸菌ですが、これはもしかするとアミノ酸を強化するプロテインによるお腹の不調を改善する目的なのかもしれません。

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いずれにせよ、乳酸菌の種類が多いことはメリットですし、定期購入にすると結構割安なサプリメントですので、身体に合う人は利用価値があると思います。

割安にするには3か月間の連続購入が必要ですが、乳酸菌の効果が出るのは早くて2か月、長いと半年ぐらいかかりますので、適当な期間じゃないかと思います。

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