おならが臭い!その悩みを原因から解決してくれる乳酸菌がある

おならは派手な音をなんとか抑えたとしても、その臭いがひどいと周囲に迷惑をかけてしまいます。それだけではなく、とても恥ずかしい思いをする羽目に陥ったりしますね。

もちろん、そうした社会的なことも問題なのですが、おならが臭いのは健康を害していることを示していることが多いので、乳酸菌によって対策できるのであれば対策したいですよね。

おならの悪臭成分はなぜできる?ヨーグルトや納豆が効くかも!

おならの悪臭成分は、便の悪臭成分と基本的に同じものです。そして、その悪臭成分の多くには窒素化合物または硫黄化合物が関わっています。そして、その窒素や硫黄については、たんぱく質に由来するものが多いです。

これは、アミノ糖やスフィンゴ脂質などの特殊な例を除けば、炭水化物や脂質は窒素を含んでおらず、逆にたんぱく質には必ず窒素が含まれているからなのです。

さらに硫黄について言えば、含硫アミノ酸と呼ばれる一部のアミノ酸にしか含まれていませんので、やはりたんぱく質由来になります。有名なタウリンも含硫アミノ酸の一種です。

インドールとスカトールは便のニオイのもと

最近すっかり有名になったインドールとスカトールですが、おならや便の悪臭の原因物質として紹介されることが多いため、気体だと勘違いしている人が多いようです。

実はこのふたつ、いずれも融点が60℃~90℃、沸点が300℃弱の固体なのです。ただ昇華・揮発しやすいため、悪臭の原因となっています。

いずれも毒性がある物質ではありますが、便の中に自然に含まれているものでもあり、純粋な物質として皮膚に触れたりしない限り、それほど危険なものではありません。

しかし、この物質が腸の中に多くなると、おならの臭いも強烈な悪臭になりますから、できれば抑えておきたいですね。

インドールやスカトールは、たんぱく質を原料に腸内細菌が作り出しますが、大腸の中で腸内細菌が栄養にできる炭水化物が多いと、あまり作られないことが判っています。

さらに、善玉菌の代表であるビフィズス菌はインドールを分解する働きを持っていますが、その働きはアラビノガラクタンという多糖類があると活性化されます。

アラビノガラクタンは、例えば乳酸菌の細胞壁に含まれていますし、大豆にも含まれています。つまり、ヨーグルトや納豆を食べると、おならの臭いがましになる可能性があるということです。

おならの臭いは肉食だけが原因ではない

インドールとスカトールはよく似た構造をしており、いずれも必須アミノ酸のトリプトファンが腸内細菌によって代謝されることで作られます。構造としては、どちらも炭素と窒素でできた環状構造に水素がくっついています。

炭素と水素と窒素と言うことから、たんぱく質を構成するアミノ酸を原料に作られたことがよくわかりますね。そのため、肉食が原因で、インドールやスカトールによっておならが臭くなると言われがちですが、これは誤解です。

肉食によっておならが臭くなることはありますが、インドールやスカトールの原料であるトリプトファンの含有量は、肉と魚、大豆製品の間にそれほど大きな違いはありません。

それにトリプトファンは必須アミノ酸であるだけにとどまらず、不足すると腸炎を起こしたり、腸内フローラに異常をもたらしたりする、とても重要な栄養素です。

魚や大豆にも同じ程度含まれているので、別にお肉で摂る必要はありませんが、たんぱく質不足にはならないよう気をつけて下さい。

この2つの窒素を含む化合物の量を抑えるのであれば、インドールやスカトール生成にかかわらない善玉菌を優勢にするよう、プロバイオティクスやプレバイオティクスを積極的に摂って下さい。

アンモニアも悪臭物質だがそれほど多くない

アンモニアはよく知られる通り強烈な悪臭物質ですし、強い毒性も持っています。腸の中でたんぱく質や腸内分泌液の尿素を原料に、腸内細菌の多くがアンモニアを産生します。

作られたアンモニアはすぐに水分に溶け、腸壁から吸収されて血流に乗り、肝臓で分解されます。ですので、おならの中にアンモニアはほとんど含まれません。

しかし、その微量のアンモニアですら悪臭と感じられるぐらい、アンモニアの悪臭は強烈です。とは言え、アンモニアの産生については、乳酸菌などで抑えるのは少し難しいです。

ですので、身体全体、特に腸・血管・肝臓を健康に保ち、分解がスムーズに行われるようにしておくことが、おならのアンモニア臭を抑える重要なポイントになるのです。

インドールやスカトールは、微量であれば花の香りになります。でも、いくら腸内環境を整えても、おならが花の香りになることは、多分ないでしょう。

硫黄系の臭いは含硫アミノ酸が原料になる

アミノ酸にもいろいろな種類がありますが、必須アミノ酸のメチオニン、非必須アミノ酸のシステイン・ホモシステイン、厳密にはアミノ酸ではないタウリンなど、よく知られたものが多いです。

これらが乳酸菌を含む腸内細菌によって代謝されると、硫黄系の悪臭物質が作り出されることがあります。

硫化水素とメタンチオールが代表的

硫化水素は、温泉地などで「硫黄のにおい」と呼ばれることが多い臭いの原因物質です。硫黄自体に臭いはありません。硫化水素の臭いは、よく「卵の腐った臭い」と呼ばれる、とても嫌な臭いです。

硫化水素は化学式H2Sで表される、非常にシンプルな無機化合物です。水分子の酸素の代わりに硫黄があると考えてもいいですね。非常にシンプルな構造のため、硫黄を含む化合物からであれば、割合簡単に作り出されます。

ごく一部は、細胞間のシグナル分子として働いていますが、ほとんどは過剰なものであり、細胞で処理しきれないものは排泄され悪臭のもととなります。

卵を食べすぎるとおならが臭くなるという噂話もありますが、もし本当であれば、それはお腹の中で卵のたんぱく質が異常発酵したということなのでしょう。実際、腐った卵の悪臭は硫化水素による悪臭なのです。

硫化水素はごく微量であっても臭いの存在が嗅ぎ分けられるぐらい強い悪臭をもたらします。臭いの存在が判る濃度は、0.41ppb(1000億分の41)だとされています。実際に悪臭として感じられる濃度は20ppb(10億分の20)です。

メタンチオールはさらに強い悪臭物質

メタンチオールは、臭いの存在が判る下限濃度が0.02ppbと、硫化水素の20倍以上臭い物質です。もちろん悪臭として意識されるには、その数十倍の濃度が必要でしょうが、それでも10億分の1で臭さが出るわけですからすごいですね。

概算ですが、150畳の大広間に1滴こぼせば、悪臭に満たされるというレベルの臭さです。

このメタンチオールは必須アミノ酸のメチオニンを腸内細菌が分解することで発生します。メタンチオールは乳酸菌も発生に関わることがありますので、単純にヨーグルトなどを食べても発生は抑えきれません。

一方で、充分な炭水化物が腸内細菌に与えられていると、メチオニンの発酵分解は進みにくくなりますので、プレバイオティクスばかりでなく、でんぷんなどの一般的な炭水化物も、ある程度は摂っておいたほうが良いですね。

極端な糖質制限を行うと、場合によっては腸内細菌によるたんぱく質の異常発酵が起こり、おならや便が強い悪臭を放つようになる可能性があります。

腸内細菌的な意味でも「腹も身の内」です。あまり極端な食事制限をすると、身体から異臭が漂うようになるかもしれませんよ。

メタンチオールは、スカンクの攻撃物質であるブタンチオールの親戚です。チオール類はどれも強い悪臭を発することで有名なのです。

便秘でおならが臭くなる!悪臭を減らす方法

もちろん、正常に消化吸収するための時間は必要ですが、毎日便通がある状態にしておくと、腸の中での異常発酵が起こりにくくなり、おならの臭いがましになるでしょう。

言い換えれば、便秘があるとおならが臭くなりやすいということでもあります。オリゴ糖などと乳酸菌をしっかり摂って便通を整えるのも、臭くないおならを作るのに重要です。

腸の調子を整えておくことがおならの臭いを減らす

腸の中で作られる悪臭物質は、腸の調子が悪くなければ吸収されて血流に乗り、肝臓で処理されて無害な物質に変わります。その上で便や尿に排泄されるためおならに臭いがつきにくくなります。

ここまで紹介してきた物質の他に、例えば酪酸という物質があります。大腸に棲んでいる善玉菌の一つ、酪酸菌によって作られるこの物質は、大腸に吸収されてエネルギーとして利用されます。

ところが、酪酸自体はとても臭い物質なのです。ですから、腸の調子が悪くて酪酸の吸収が遅くなると、この悪臭もおならに混じりこんで来ることもあります。

同じように、善玉菌が作り出す酢酸はお酢の刺激臭を持っていますし、プロピオン酸も嘔吐物のような刺激的な酸の臭いがあります。いずれも健康な大腸ではすぐに吸収されてしまうため、おならの臭いにはなりません。

しかし、不健康な大腸ではおならの悪臭の原因になることがありますから、腸の調子を整えておくことは大切です。

改善しないようであれば必ず受診を

腹痛を伴って悪臭のあるおならが出る場合や、食生活などを改めて、一か月くらい経ってもまったくおならの悪臭が改善しなかった場合には、受診して原因を調べてもらって下さい。

過敏性腸症候群などで、おならの質や量が変化していることもあります。また、大腸がんの患者ではおならにメタンチオールが増えるという傾向もあるようです。

たかがおならと軽視せずに、おかしいなと思ったら一度病院へ出向くことをおすすめします。それで異常が見つからなければヨーグルトに頼るのも悪くありません。

大抵の場合、おならが異常に臭ければ排便にも異常が見られると思います。そうした異常は病気の早期発見につながりますから、軽視しないで下さい。

おならのボリュームと頻度については別記事で

おならは臭いもさることながら、量と頻度も問題になりますね。1回の量が多いと大きな音につながるケースも増えるでしょう。おならのボリュームと頻度については、関連記事に詳しいのでそちらを見て下さい。

▼関連記事
おならがよく出る!乳酸菌による整腸作用で止められる?

余談ですが、おならは「お鳴らし」から来た言葉なので、いわゆる「すかしっ屁」は、厳密にはおならじゃないそうです。

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