スマート菌サプリのダイエット効果は微妙?配合成分を検証

スマート菌サプリメント商品画像

スマート菌と言う商品があります。これは丸善製薬のスマート乳酸菌を中心にいくつかの乳酸菌などと、栄養成分などを配合したサプリメントです。

ダイエット効果に注目が集まっていますが、特に臨床研究データや動物実験データがあるわけではないので、ユーザーの体質に合えばいいかなと言うレベルではないかと思います。

特定の商品に絞って効果を評価するのは本意ではありませんので、理論的に考えられることを列記してみましょう。

スマート菌の主成分はEC-12乳酸菌。スマート乳酸菌は2番目?

スマート菌というサプリメントには「乳酸菌1300億個」と大書してありますが、その後にはEC12と書かれています。これはおそらくベビー用品のコンビ株式会社が成分原料としてリリースしている、殺菌菌体成分・EC-12乳酸菌のことでしょう。

一方、スマート乳酸菌というのは、丸善薬品がリリースしている植物性乳酸菌のことです。スマート乳酸菌はダイエットを謳っていませんが、EC-12の用途の中にはダイエットも含まれています。

スマート菌の成分を見てみる

サプリメントスマート菌商品イメージ
(出典:スマート菌|スベルティ)

スマート菌には、乳酸菌や酵母などのほか、アロエや発酵エキスなども含まれていますが、今回は菌体成分または生菌について見てみます。製品に表示されている菌は以下の通りです。

  • スマート乳酸菌
  • 麹菌
  • ラブレ菌
  • 納豆菌
  • ビフィズス菌B-3
  • 植物性ナノ型乳酸菌
  • 20種類の乳酸菌
  • 酵母
  • 紅茶きのこ

紅茶きのこまで登場するとは、と私のような年配者は苦笑いしてしまいますが、最近人気が復活しているようですね。外国ではなぜか”Kombucha”と呼ばれているそうです。昆布茶って…ぬるぬるが似ているからでしょうか。

紅茶きのこは「およげたいやきくん」がヒットした頃に台所にあったのを覚えています。母が培養していたのですが、私は何度か飲んだものの美味しくないので嫌いでした。数ヶ月後には台所から姿を消しました。

紅茶きのこはナタデココの仲間です。菌としては産膜性酢酸菌と酵母が中心になったいくつかの菌です。具体的にはアセトバクター属キリシナム種と言う酢酸菌と、ジゴサッカロマイセス属の酵母ですね。

ナタデココも産膜性酢酸菌が作り出す食物繊維の塊です。

スマート乳酸菌はカテキンの吸収効率をアップする

スマート乳酸菌はラクトバチルス属プランタルム種22A-3株と言う植物性乳酸菌です。菌株メーカーの丸善薬品によると、この乳酸菌はタンナーゼ活性が特に高いことをアピールしています。

タンナーゼと言うのは酵素の一種で、一般的にはタンニンに含まれる二没食子酸と言う物質を加水分解して、没食子酸という物質に変える働きを持っているものです。

また、メーカーが特にアピールしているのは、8種類あるカテキンのうち、エピガロカテキンガレートと言うものからガレート基(没食子酸基)を切り離し、遊離型カテキンに分解する働きです。

さらに、この切り離された没食子酸は脱炭酸されることで、毒性のあるピロガロールという物質に変化しますが、スマート乳酸菌のタンナーゼには脱炭酸作用がなく安全であることもアピールポイントです。

エピガロカテキンガレートは特に茶に多く含まれるタンニンです。このタンニンにはさまざまな健康効果が知られていますが、この物質のままでは吸収されにくいことが判っています。

丸善薬品は、スマート乳酸菌のタンナーゼによってガレート基が切り離されることで、吸収されやすい遊離型エピガロカテキンになるというところを、この乳酸菌の主な働きとして示しています。

一方、有名なお茶メーカーの伊藤園によると、エピガロカテキンガレートは脂質が消化吸収されることを阻害して、脂肪の蓄積や血中コレステロール値の上昇を防ぐとしています。

つまり、カテキンの働きは食べた脂肪分が消化されたり吸収されたりするのを防ぐわけで、カテキンそのものが消化吸収されては意味が無いことになります。

スマート乳酸菌のメーカーである丸善製薬がダイエット効果を謳わないのは、このあたりに原因があるのかも知れませんね。

また、このスマート乳酸菌は、別のメーカーがリリースしている「スマートガネデン乳酸菌」と言うサプリにも配合されています。関連記事に詳しいのでそちらを見て下さい。

▼関連記事
乳酸菌で本当にダイエットできる?スマートガネデン乳酸菌の効果

たくさんの菌を混合して摂ると、自分にあうものがヒットする確率が上がるので、それは良いことだと思いますが、ダイエット効果があるかどうかはわかりりません。

多くの種類の乳酸菌が配合してあるが中心は殺菌菌体成分

パッケージに大きく書かれている「乳酸菌1300億個」と言うのは、先に紹介したEC-12乳酸菌の数です。それ以外の菌も配合されていますが、どの程度の数が入っているのかはわかりません。

また、表現にちょっと疑問もありますので、そのあたりも含めてみてみましょう。

EC-12は人間由来の高濃縮乳酸菌の殺菌菌体

EC-12乳酸菌は、エンテロコッカス属フェカリス種(通称:フェカリス菌)EC-12株を加熱殺菌し、その菌体成分を濃縮して、1グラムあたり5兆個と言う高濃縮の成分にしたものです。

EC-12乳酸菌画像
(出典:EC-12 イーエフパワー|コンビファンクショナルフーズ事業部)

殺菌菌体ですから、乳酸を作り出して腸内環境を整える働きはありませんし、酵素の分泌を行うこともありません。一方で、腸の免疫器官に働きかけて免疫力をアップしたり、アレルギーを軽減する可能性が期待されています。

もちろん、菌体成分であっても、大腸で善玉菌が増殖するための役に立ちますから、菌数の多さも相まって整腸効果をもたらしてくれます。

スマート菌のパッケージには「植物性ナノ型乳酸菌」と言う表記も目につきますが、これはちょっと謎です。ナノ型と言う表現は、菌体が小さいことを指しているので、このEC-12乳酸菌にも当てはまりますが、EC-12は人間由来ですから動物性です。

エンテロコッカスと言うのは「腸球菌」と言う意味ですので、人間由来でなくても動物性と考えて良いでしょう。

いずれにせよ、EC-12を配合した上で「ナノ型」と言う表現を使うということは、植物由来の乳酸球菌を加熱殺菌して高濃縮したものだろうと思われます。

ビフィズス菌B-3は抗肥満作用がある

ビフィズス菌B-3は、それそのものがサプリメントになっている森永乳業の持つ乳酸菌です。正式には、ビフィドバクテリウム属ブレーべ種B-3株と言う名前を持っています。

この菌は、動物実験などで高脂肪食を撮った際の抗肥満効果が確認されているものです。

美&スマートビフィズス菌B-3商品イメージ
(出典:森永乳業 美&スマート ビフィズス菌B-3|森永公式販売サイト Amazon)

森永乳業の製品では、おそらく腸溶性カプセルに詰められて、腸まで届くように工夫されているようです。スマート菌のほうについては剤形や包材の詳細は示されていません。

ラブレ菌は有名な植物性乳酸菌

カゴメのラブレシリーズで一躍有名になったラブレ菌はラクトバチルス属ブレビス種KB290株と言う乳酸桿菌です。京都のすぐき漬けという伝統的な発酵漬物から分離された、植物性乳酸菌であることはすっかり有名になりました。

▼カゴメ ラブレシリーズ
ラブレシリーズ商品イメージ

一部でコアギュランス亜種と言う名前が示されるケースを見かけますが、2017年4月現在、ラクトバチルス属ブレビス種に、亜種は登録されていません。

もしかすると、有胞子性乳酸菌であるバチルス属コアギュランス種との混同があるのかも知れませんね。なお、この有胞子性乳酸菌も、スマート菌には配合されているようです。

おそらく三菱ケミカルフーズのラクリス-Sと言う商品名のものでしょう。有胞子性ですから、サプリの中では死んでいても、腸で発芽して再生するタイプの乳酸菌です。

ラブレ菌についても、菌株メーカーの日東薬品や、販売会社のカネカがダイエット効果の可能性を示しています。

20種類の乳酸菌は菌株メーカーによるプレミックス

スマート菌の広告には、20種類の乳酸菌の由来は書いてありませんが、パッケージには「20種類の乳酸菌プレミックス」と明記してあります。

探してみたところ、医薬品原料メーカーのセティ株式会社から、「乳酸菌20種プレミックス 100億 cfu/g」と言う商品が出ていましたので、これを利用しているのではないかと思います。

フリーズドライされた乳酸菌ミックスですので、不活性化はされているものの、体内に入って適切な温度と湿度が与えられると活性化するでしょう。具体的な菌種は以下のとおりですが、菌株レベルについては明らかにされていません。

  • ビフィドバクテリウム属ビフィダム種
  • ビフィドバクテリウム属インファンティス種
  • ビフィドバクテリウム属ロンガム種
  • ビフィドバクテリウム属アニマリス種ラクティス亜種
  • ラクトバチルス属ファーメンタム種
  • ラクトバチルス属プランタルム種
  • ラクトバチルス属ラムノーサス種
  • ラクトバチルス属パラカゼイ種
  • ラクトバチルス属アシドフィルス種
  • ラクトバチルス属ブレビス種
  • ラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種
  • ラクトバチルス属カゼイ種
  • オエノコッカス属オエ二種
  • ラクトコッカス属ラクティス種
  • リューコノストック属メセンテロイデス種
  • ストレプトコッカス属サーモフィルス種
  • ペディオコッカス属ペントサセウス種
  • スタフィロコッカス属カルノーサス種
  • スタフィロコッカス属キシローサス種
  • エンテロコッカス属フェシウム種

簡単に解説しましょう。上の4つのビフィドバクテリウム属は、いわゆるビフィズス菌です。上の3種は人間から分離される菌ですが、アニマリス種は名前の通り動物から分離されることが多いものです。

次の8つのラクトバチルス属は、乳酸菌の中で最も大きなグループを形成しています。ラクトバチルスとは「乳酸桿菌」と言う意味です。ファーメンタム種は動物・植物の両方から分離されていて、耐酸性・抗生物質耐性に優れることが知られています。

プランタルム種は植物性乳酸菌として有名ですね。上で紹介したスマート乳酸菌もこの種に属します。ラムノーサス種はLGG乳酸菌に代表されるものです。パラカゼイ種は森永乳業のシールド乳酸菌が、この種のMCC1849株です。

アシドフィルス種は、日本では今ひとつメジャーではありませんが、海外ではアシドフィルスミルクを作る上で欠かせないものとなっています。ブレビス種は、ラブレ菌がこの種に属しています。

デルブルッキー種ブルガリクス亜種は、ブルガリア菌としてヨーグルトには欠かせない存在です。カゼイ種はヤクルトやピルクルなどに使われている乳酸菌です。

オエノコッカス属オエニ種は、ワインをまろやかにするマロラクティック発酵に用いられる植物性乳酸菌です。リューコノストック属メセンテロイデス種もマロラクティック発酵に関わりますが、ドイツのキャベツの漬物であるザワークラウトからも分離されている植物性乳酸菌です。

ストレプトコッカス属サーモフィルス種は、ブルガリア菌と一緒になってヨーグルトを作り出します。どちらか一つが欠けても、スムーズなヨーグルトの発酵は期待できません。

ペディオコッカス属ペントサセウス種も耐塩性に優れた植物性乳酸菌です。漬物などから分離されます。スタフィロコッカス属は、日本語ではブドウ球菌属となりますが、この2つの種には病原性はなく、乳酸菌として働くものです。

エンテロコッカス属は腸球菌です。フェシウム種は乳製品はもちろん、サラミソーセージや発酵調味料から、肉や野菜に至るまで広く存在している乳酸菌です。

これらの乳酸菌には特段のダイエット効果はありませんが、腸内環境を整え、便通を良くし、免疫力をアップさせることで間接的にダイエットに役立つでしょう。

こうしたプレミックスは便利ですが、1g中20種類合計で100億個ですので、それなりの効果を期待するにはちょっと多めに配合する必要があるかもしれませんね。

その他にも微生物が配合されている

リストを見ると、納豆菌や麹菌、酵母なども配合されています。納豆菌は乳酸菌と同じ真正細菌で、バチルス属サブティリス種ナットウ変種と言うものです。

一方、酵母は多くの場合、サッカロマイセス属セレビシエ種の出芽酵母のことを指します。また、麹菌はアスペルギルス属オリゼー種の多細胞生物であるコウジカビのことですね。この2つは、真正細菌ではなく、真核生物の中の子嚢菌門に属する、いわゆる真菌類です。

これらも腸内環境を整え、食べたものの消化吸収を助ける働きを持っていますが、ダイエットに直結するような効果は知られていません。

このようなことから、スマート菌でダイエットできる人は、体質が合う人だけと考えるのが妥当でしょう。どうしても気になるのであれば、とりあえず試してみて、効果がありそうだったら継続するという程度でいいと思います。

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