ストレスに効く乳酸菌!脳腸相関に役立つビフィズス菌Y株とSBL88

毎日が忙しく煩雑な、ストレスだらけの毎日を送っていると、なんとかストレスに強い身体になれないかと思ったりします。

もちろんストレスが減ることが一番なのですが、こればかりは向こうからやって来るものなので、減らすのは簡単ではありませんよね。

ですから、ストレスに強い身体になって、ストレスをストレスと感じないようになれれば、毎日が幸せになりそうな気がします。そんなストレスに耐える身体を乳酸菌が作ってくれるかも知れません!

実際に腸内善玉菌とうつ病の関係性は示されており、また動物実験・臨床試験でビフィズス菌Y株やSLB88乳酸菌には、ストレス性障害の改善効果が見られたという報告もあります。

お腹の中からストレスと戦う力を手に入れるには、どう乳酸菌を活用すればいいのでしょうか?詳しくお話しましょう。

お腹の調子がストレスに関係する?ビフィズス菌Y株とSBL88のパワー

お腹の調子を整えたらストレスに強くなれると言う直接的な効果はありません。でも、ストレスでお腹の調子が悪くなり、そのことが新たなストレスになると言う悪循環は断ち切れます。

ですから、あまり構えてしまわずに、まずはストレスで便秘したり、お腹を壊したりしないように、乳酸菌を利用するところから始めてみましょう。

お腹の調子が悪いのに検査しても病気が見つからない

ストレスで胃が痛いなどという時によく見られる「機能性ディスペプシア」と言う病気ですが、これは胃の検査を行っても炎症や潰瘍などが見られず、血液検査にも異常が現れないなど、器質的な異常が見つからない病気です。

言い換えれば、自覚症状だけの病気が「機能性」で、他覚症状があるものが「器質性」だと言うことです。同じように下痢や便秘が見られるのに、腸自体に器質的な病変が見られないものもあります。こうしたものをまとめて、機能性消化管障害と言います。

東邦大学医療センター大森病院の研究チームによると、ビフィズス菌の一つが、そうした症状やそれに起因する心理的症状、ストレスマーカーの値などを改善することを発見したということを報告しています。

この実験で最も注目すべきは、被験者が通院して治療を行っても症状が改善しなかった人たちであるということです。つまり通常の医薬品や生活指導では治らなかった機能性消化管障害の患者を対象に行なったということです。

その被験者の人たち女性19名、男性18名に、ビフィドバクテリウム属ビフィダム種YIT10347株(通称:ビフィズス菌Y株)を含む乳酸菌飲料を1日1本4週間飲んでもらったと言う臨床試験です。

その結果、腹痛や下痢・便秘などの胃腸症状、イライラなどの心理症状、唾液中のストレスホルモンの量の3項目で改善が見らてたとあります。さらに、飲用中止後4週間の時点でも、多少の悪化はあったものの効果は続いていたようです。

(参照:ビフィズス菌を含む乳酸菌飲料の継続摂取が機能性消化管障害患者の消化器および心理症状を改善|東邦大学)

このことは、このビフィズス菌が胃の粘膜を健全化すると同時に、腸では腸内フローラの健全化に役立ったことを示しているのみならず、脳腸相関にも良い影響を与えていることが示されています。

脳腸相関とは神経系やホルモンなどを通じて、心と消化器が互いに影響し合うことを指す言葉です。

腸内善玉菌とうつ病の関係も示されている

ストレスと過敏性腸症候群のような心身症の間には、密接な関係があることが判っています。そして、そのことと腸内フローラとの間にも関連性がすでに示されています。

そして、脳腸相関に見られるように、腸の環境が脳に与える影響というものについての研究も進んできています。

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターによると、株式会社ヤクルト本社との共同研究で43人のうつ病患者と57人の健常者の間の腸内フローラの比較を行ったということです。

その結果、うつ病患者ではビフィズス菌の数が有意に少なく、ラクトバチルス属菌(乳酸桿菌)の数も低下傾向にあったと言ううことが示されました。

つまり腸の中に棲んでいるはずの、ビフィズス菌やラクトバチルス属乳酸菌の数が少ないと、うつ病リスクが高まることが示されたということになります。

この研究では、具体的な乳酸菌の種名までは明らかになっていませんので、そこは今後の研究に待たなくてはいけませんが、腸の中で悪玉菌が主流になると、ストレスに弱くなり、うつ病を発症しやすくなるという傾向は見て取れたようです。

(参照:腸内の善玉菌が少ないとうつ病リスクが高いことを明らかに|国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP)・株式会社ヤクルト本社)

このように、ストレスからうつ病に至るまで、脳の働きと乳酸菌の間には強い関係性があると考えられています。

具体的にはどんな乳酸菌食品が良いのか

最初に紹介した研究に出てきたビフィズス菌Y株は、ヤクルトのBF-1と言う乳酸菌飲料に使われています。発表の中には具体的な商品名は出てきませんが、1本の容量や菌数などから見て、BF-1を研究用に使ったのだと思われます。

さらに、2つ目の研究では、菌種こそ特定されていないものの、ビフィズス菌だけでなく、ラクトバチルス属乳酸菌も減っていたと報告されています。

いわゆるヤクルト菌は、ラクトバチルス属カゼイ種YIT9029株ですから、BF-1とヤクルトを飲んでおけば腸内環境が整うようにも思えますね。もちろん、それはそれで良いのですが、それしか駄目というわけではありません。

菌種・菌株こそ異なりますが、森永ビヒダスヨーグルトにはビフィドバクテリウム属ロンガム種BB536株(通称:ビフィズス菌BB536)が入っています。

そして、これが意外に知られていないのですが、ビヒダスヨーグルトは、ビフィズス菌だけで作られているのではありません。ヨーグルトとしての標準的な乳酸菌も使われています。

それはラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種(通称:ブルガリア菌)とストレプトコッカス属サリバリウス種サーモフィラス亜種(通称:サーモフィラス菌)の2つです。

菌株こそまちまちですが、多くのヨーグルトにはこの2つの乳酸菌が使われています。そして、先の研究でうつ病患者の腸内で減っている菌の一つが、このブルガリア菌が属するラクトバチルス属でしたね。

つまり、ビヒダスヨーグルト1つで、うつ病やストレス性心身症の人の腸内フローラから、減ってしまっている菌を補うことができる可能性があるのです。

もちろん他の乳酸菌食品から異なる乳酸菌を得ることが無駄なわけではありません。どの乳酸菌がその人にとって必要なのかは、試してみないと判らないのです。

ビフィズス菌は、もともと人間の腸内に定住している菌ですし、ラクトバチルス属の乳酸菌の中にはビフィズス菌を増やしてくれる効果のあるものもいます。ですから、ラクトバチルス属を補うだけでOKの人もいるでしょう。

逆に、ある程度ラクトバチルス属の菌はいるけれど、ビフィズス菌自体が何らかの要因で減ってしまっていることもありえます。そうした場合、ビフィズス菌の補給が役に立つかも知れませんね。

ラクトバチルス属乳酸菌は多くの乳酸発酵食品に含まれますし、ビフィズス菌については、そのことを売り文句にした商品を選ぶのが簡単でいいですね。

乳酸菌を摂ることで腸を通じて心にまで届くというのは、なんだか生き物の神秘を感じますね。

ストレスで眠れないときにも乳酸菌が活躍する

ストレスが溜まると眠れないと言うことはよくありますね。そしてその寝付きの悪さがストレスを助長するという悪循環にも繋がります。

このストレス性の睡眠障害を乳酸菌が解消してくれるという研究が行われました。サッポロビールが参加した共同研究ですが、ビールを飲んでも不眠は解消しません。

植物性乳酸菌は死んでも睡眠障害を改善する

麦から得られた乳酸菌の一つが、睡眠障害を改善したという報告がありますので、それを見てみましょう。

国立研究開発法人産業技術総合研究所とサッポロビール株式会社の共同研究によると、麦から発見されたラクトバチルス属ブレビス種SBC8803株(通称:SBL88乳酸菌)による動物実験で、ストレス性睡眠障害を改善する効果が見られたと報告しています。

この実験では、普通の餌とSBL88乳酸菌入りの餌を4週間食べさせたマウスを、睡眠障害をおこすストレスをかけた場合に、乳酸菌入りの餌を食べた群では睡眠障害マーカー遺伝子の発現が抑えられていたと言うことです。

人間での臨床研究は行われていませんが、今後の研究に待ちたいところですね。

(参照:乳酸菌にストレス性睡眠障害改善効果を発見|国立研究開発法人産業技術総合研究所・サッポロビール株式会社)

この研究では、熱で殺した乳酸菌の菌体成分を使って実験していますから、腸まで届いた時に、乳酸菌が生きている必要がないということも魅力の一つと言えるでしょう。

2012年に一度、サッポロビールと丸大食品の合弁企業である安曇野食品工房からヨーグルトとして商品化されましたが、残念ながら2017年5月末現在、ラインナップから外れているようです、今後の再リリースを楽しみに待つことにしましょう。

とりあえずホットヨーグルトを試してみる

世間では寝付きの悪い人にホットヨーグルトを勧めることが良くあります。電子レンジでヨーグルトを温めてと言う、やや乱暴なやり方で作ることを勧める人もいますね。

もちろん高温にしすぎなければ、ある程度乳酸菌は生き残るでしょうが、湯煎などと比べると「芯から熱する力」が強い電子レンジでしっかり加熱すると、生きて腸まで届くはずの乳酸菌が、生きて口まで届かなくなるかも知れません。

それに対して、寝付きを良くするという効果を狙うのであれば、菌体成分だけで充分なので、沸騰したヨーグルトでも全く問題ありません。でも、やけどには気をつけてくださいね。

冗談はさておき、どんなヨーグルトをホットヨーグルトにするのが良いかと言うことは断言できませんが、SBL88乳酸菌にできるだけ近縁の物が良いと思います。

ラクトバチルス属ブレビス種と言えば、いま一番メジャーなのはコアギュランス亜種KB290株(通称:ラブレ菌)ですね。この乳酸菌は京都の三大漬物の一つ、すぐき漬けから分離された、やはり植物性乳酸菌です。

学術研究による睡眠障害への効果というものは確認されていませんが、市販されている乳酸菌飲料の中で、最もSBL88乳酸菌に近い位置にいる乳酸菌だと思われます。

カゴメのラブレでホットドリンクを試してみるというのも一つの方法かもしれません。ただ、私自身試したことがないので、効果だけでなく味の方も保証の限りではありませんので、挑戦は自己責任でお願いします。

無責任なネタを投下してしまいましたが、普通のヨーグルトでも効果がある可能性はあるので、お好みのもので試して下さい。

京都のお漬物は無敵!?ストレスと解消する三大漬物のヒミツ

京都はお漬物の文化が発達していますが、中心になっているのは乳酸発酵した「酸っぱいお漬物」です。ですから、浅漬文化の地方の人にはちょっと食べにくいかもしれませんね。でも健康には良いんですよ。

その沢山の種類があるお漬物の中でも、特に「三大漬物」と呼ばれているものがあって、名前は全国に知られていると思います。それは

  • 千枚漬け
  • すぐき漬け
  • 柴漬け

です。

本来はどれも乳酸菌を使って発酵させた漬物ですが、現在ではすぐき漬けだけが発酵食品で、ほかの2つは甘酢漬け、梅酢漬けで置き換えられた商品を多く見ます。

特に千枚漬けは京都の商品であっても甘酢漬けが多いのは残念ですね。

本物の千枚漬けはGABAを作り出してストレスを解消する漬物

京都土産で親しまれている千枚漬けは、もうかつての製法で作られたものがほとんど存在せず、甘酢に漬け込んだものが大半です。もちろん昆布や酢を選ぶことで、見た目にも白くて美しく、歯ざわりも良い美味しいお漬物です。

ただ、サラダ感覚で食べられるこのタイプの千枚漬けは乳酸発酵をしていないものが多いので、健康効果は期待できません。昔ながらの製法のものがおすすめです。ごく一部のお店ではまだその製法を使っているとか。

国立京都工芸繊維大学大学院などの研究グループによると、京都の発酵漬けから検出され、分離培養された約100種類の乳酸菌のうち、最もGABA生産能力が高い乳酸菌を選びだして研究したそうです。

GABAはγ(ガンマ)アミノ酪酸と言う、ストレス低減作用などを持つアミノ酸の一種です。

その乳酸菌は、これまで見つかっていなかった菌であったため、ラクトバチルス属菌種未同定L13株(通称:L13乳酸菌)と名付けられました。この乳酸菌は伝統製法で漬け込まれた千枚漬けから分離されたものです。

L13乳酸菌はグルタミン酸というアミノ酸を代謝してGABAを作り出します。千枚漬けは昆布をたくさん使って漬け込みます。昆布の旨味成分と言えばグルタミン酸ですね。こうしたことも関係しているのかも知れません。

(参照:漬物からγ-アミノ酪酸(GABA)高生産性乳酸菌の分離とその応用|京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科応用生物学部門・上野義栄氏ほか) 

千枚漬けは、聖護院蕪と言う巨大な蕪をスライスして漬け込んだお漬物です。古くは塩漬けで乳酸発酵させただけのものに始まり、江戸時代の終わり頃に、乳酸発酵させたものに昆布や甘酢を加えた調味法が完成しています。

千枚漬けという名前もこの頃にできたようです。残念ながら終戦後は、発酵工程を用いない甘酢漬けが多くなっています。食べやすくて美味しいですけどね。

ラブレ菌が分離されたのはすぐき漬けから

すぐき漬けは京都市内でも北区と左京区のうち、賀茂川・高野川・深泥池に囲まれる、ごく限られた地域でしか作られない漬物で、主産地は上賀茂地区です。似たものは長野県にもあるそうですが、内容は異なるということです。

冬に一週間あまり塩漬けしたものを、加温した発酵室でやはり一週間以上発酵させて作ります。

発酵工程で非常に大きく膨らむため、これを押さえるため、てこの応用でプレス(天秤押し)するのが特徴的な漬物ですね。このお漬物から分離されたのが上でも紹介したラブレ菌です。

漬け上がって間もないすぐき漬けは、口に入れると酸味と同時にビールのような炭酸感のある味わいです。あまり安価な漬物ではありませんが、チャンスがあれば食卓に乗せて健康に役立てて下さい。

冷蔵庫の中でなら結構持ちますが、古漬けになると酸味が強烈ですので、慣れない人には食べにくいかも知れません。

すぐき京漬物の写真
(出典:すぐき ~門外不出を永く守った宮中由来の味~|京漬物.com 京都府漬物協同組合)

このすぐき漬けもGABA産生菌の分離を試された漬物です。ベストの性能を持っていた乳酸菌は、伝統製法の千枚漬けけから分離されましたが、もしかするとこちらにも、GABA産生乳酸菌は含まれているかもしれません。

柴漬けも本来の漬け方では乳酸発酵のみで赤紫蘇を発色させる漬物です。ですので、乳酸発酵で作られた本物の柴漬けは、乳酸菌の効果が期待できる食べ物です。

商品化されている抗ストレス乳酸菌商品

メーカーが研究データを元に抗ストレス機能を打ち出している商品は他にもあります。そうしたものを普段の生活に組み入れて、ストレスに対抗するのも悪くありません。

面白いことに、この2つはどちらもガセリ菌なのです。他にもサプリ化されたものがないか、海外サイトでも探してみましたが、どうやら乳酸菌利用については日本がかなり進んでいるようで、日本で知られているものしか見当たりませんでした。

残念ながら2017年5月末現在、明治から発売されていた商品は、発売中止になっていますので、カルピスからのものしか入手はできません。でも再販の可能性に期待して、明治のものも紹介しておきます。

カルピスからリリースされている乳酸菌2種類は同じもの

カルピスからはサプリメントの成分としてC-23ガセリ菌を配合した「ココカラケア」と言うサプリメントが発売されています。

一方、プレミアムガセリ菌CP2305で作られた乳酸菌飲料「届く強さの乳酸菌・プレミアムガセリ菌CP2305」と言うものも発売されています。

これらはサプリと飲料で商品名を使い分けているだけで、正式名称はラクトバチルス属ガッセリー種CP2305株と言う同一のものです。

このガセリ菌には腸内環境の改善から、脳腸相関を通じてストレスの改善に役立つものとして期待が集まっています。

効果としてストレス対応を挙げているのはサプリのほうで、飲料の方ではそれを謳っていませんが、中身は同じですので効果は期待できると思います。

飲料の方にストレス改善効果が謳われていないのは、おそらく飲料の方は機能性表示食品としての届け出と表示を行っているからでしょう。機能性表示食品として腸内環境の改善を表示している関係で、その他の機能を表示できないのだと思います。

また、その関係もあって、ストレス改善を謳うサプリの方とは同じ乳酸菌であっても商品名を変えているのでしょう。

明治のMG28乳酸菌の商品は販売中止になっている

明治からは2015年~2016年頃まで、サプリと、牛乳に混ぜて飲むタイプの栄養食品が発売されていましたが、残念ながら2017年5月末現在ではどちらも販売が中止されています。

これは、ストレス改善と免疫賦活効果が動物実験で示された、ラクトバチルス属ガッセリー種OLL2809株(通称:MG28乳酸菌)を配合したものでした。

ビジネス的な要因や、他の機能の発見で販売が中止されたのではないかと思いますが(平たく言えば売上が悪かったのかも知れません)、今後何らかの形で再販されれることを期待したいですね。

ガセリ菌は、様々な機能が見つかることが多いので、目を離せませんね。

寝る前のホットヨーグルトもおすすめ!ストレス対策に乳酸菌を活用しよう

このように、いくつかの菌株の乳酸菌にストレス改善効果が見つかっています。そうしたものを積極的に摂ることもおすすめですが、なかなかそうした特定の商品を、常に買っておくのも大変です。

ですので、先に紹介したように人肌程度(35℃~40℃くらい)に温めたヨーグルトを、寝る前に飲むことがおすすめです。少し甘い味を付けてゆっくり飲めば、それだけでホッとできますし、そこに乳酸菌の効果が加わるわけですから心が安らぐでしょう。

温かいヨーグルトは便秘気味の人にもいい効果が期待できますよ。

乳酸菌のチカラをうまく利用して、ストレス対策に役立てましょう。

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