ヨーグルトで低血圧は改善できない!乳酸菌を避けた方がいい場合もある

世の中には若い女性を中心に、低血圧で悩んでいる人も少なくありません。けれど、血圧について世の中の話題の中心は「高血圧をいかに下げるか」が中心で、逆はあまり見られません。

そこで「ヨーグルトでも食べて体質改善をしよう」と一念発起したとき気になるのは、「高血圧に効果のあるヨーグルトを食べると、さらに血圧が下がってしまうんじゃないか」ということです。

それともう一つは、そもそもヨーグルトや乳酸菌で、血圧を上げることができるのかと言う疑問ですね。それぞれについて掘り下げてみましょう。

普通のヨーグルトは低血圧を悪化させない!でもヤクルトは避けた方がいいかも?

ヨーグルトに高血圧を改善する効果があるということについては、別の記事で扱っています。重要なポイントについてはここにも掲載しますから、この記事だけ読んでもらっても判ると思います。

でも、この記事の内容と関係が深い内容もありますから、興味のある方はそちらもご覧ください。

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高血圧の人おすすめの血圧を下げるヨーグルト

GABAによる降圧効果は低血圧の人には働かない

食品に添加されたり、サプリメントとして市販されたりしているGABAは、正式にはγ(ガンマ)-アミノ酪酸と言うアミノ酸です。このGABAには主にリラックス効果が期待されています。

一方、乳酸菌の中にはこのGABAを作り出すものがあって、それによってヨーグルトの中や腸の中でGABAが作られると、その効果が期待できますね。

さらに、GABAには「高血圧の人の血圧だけを下げる」と言う、とても都合の良い効果があるのです。これは過剰に血圧を上げる交感神経を、末梢において抑制することで効果を上げていると考えられています。

ですので、低血圧の人や普通血圧の人では、ヨーグルトを食べることで得られるGABAの働きで、血圧が下がることはありませんから心配無用です。

このGABAを作り出す乳酸菌には、いわゆる「普通のヨーグルト」を作る、ラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種(通称:ブルガリア菌)と、ストレプトコッカス属サーモフィルス種(通称:サーモフィルス菌)があります。

さらに、ビフィズス菌を保護する目的で使われることもあるラクトコッカス属ラクティス種にもGABA産生能力がありますし、その亜種であるクレモリス亜種(通称:クレモリス菌)にも可能性が示されています。カスピ海ヨーグルトやケフィアの菌ですね。

一般的なヨーグルトであれば安心して大丈夫

一般的なヨーグルトに期待されている高血圧改善効果は、大半がこのGABAによるものです。つまり、低血圧の人が食べても血圧を下げることはないということですね。

ですから、安心して食べてもらって大丈夫です。また、特別な効果を持っていることをアピールしているヨーグルトでも、高血圧の正常化について直接効果を謳ったものはないと思います。

一部に脂質代謝を良くすることで、間接的に高血圧やメタボリックシンドロームを予防改善すると言うものはありますが、これは血圧に直接働きかけていませんので、低血圧の人でも心配無用です。

ヤクルトはちょっと注意したほうが良いかもしれない

ヤクルトといえばラクトバチルス属カゼイ種の乳酸菌を使っています。このカゼイ種の乳酸菌の細胞壁にある多糖類には、血圧を下げる効果があることが知られています。

実際にヤクルトで血圧を下げると言うと、GABAの効果を利用したサプリが発売されていますが、カゼイ種の効果による高齢者の高血圧予防については、別段でヤクルト本社から研究発表が行われています。

また、菌株こそ違うもののカゼイ種の乳酸菌を使った乳酸菌飲料は、日清ヨークのピルクルをはじめ、各社から数多く出ています。

ですので、低血圧で悩んでいる人は、念のためヤクルトやヤクルトと似たスタイルの乳酸菌飲料は避けておいたほうが良いでしょう。

血圧を下げるサプリや飲料は摂ってはいけない

乳酸菌から得られた成分で血圧を下げることを謳った、特定保健用食品や機能性表示食品に指定されているものがあります。具体的にはカルピス酸乳から見出されたラクトトリペプチドを配合した製品です。

飲み物としては「アミールS」、サプリとしては「アミール・サプリメント」があります。このラクトトリペプチドは、アンジオテンシンIと言う物質を、血圧を上げる働きを持つアンジオテンシンIIに変換する酵素の働きを抑えます。

同時に、アンジオテンシンIIは、水分とナトリウムの再吸収を促進して血圧の低下を抑える働きも持っています。ですので、低血圧の人がこれを摂ると、低血圧が悪化する恐れがあります。

もっとも、血圧を下げると言う効果が書いてあるものを、低血圧で困っている人がわざわざ摂ることはないと思いますので、あまり心配しないでもいいでしょう。

念のためカルピスと一部のチーズは控える

このラクトトリペプチドはカルピスの元であるカルピス酸乳を作る際に、乳酸菌の力によって牛乳のタンパク質から作り出される成分です。ですので、カルピスにも含まれています。

ただ、わざわざ専用の特定保健用食品の飲料や機能性表示食品のサプリを作っているということは、カルピスでは充分な濃度が確保できないのかもしれません。

それでも、夏場の暑い時に、ついついたくさんカルピスを飲んでしまったりすると、血圧を下げる効果が現れないとも限りません。ですので、低血圧に悩んでいる人は、カルピスは控え目にしておきましょう。

カルピスは牛乳を乳酸菌で発酵させ、さらに酵母で発酵させるという二段発酵で独特の味わいを出しています。その乳酸菌の一つがこのラクトポリペプチドを作り出していることが判っています。

それはラクトバチルス属ヘルベティカス種と言う乳酸菌です。この乳酸菌は、スイスやイタリア北部でのチーズ作りのスターター(種菌)としてもよく用いられます。ですので、そうしたチーズにもラクトトリペプチドが含まれている可能性はあります。

メジャーなチーズでこの菌をスターターに使うののは、スイスのエメンタールやグリュイエール、イタリアのグラナ・パダーノやパルミジャーノ・レッジャーノですね。

イタリアの2つのチーズは日本では粉チーズとして利用することが多いです。特にイタリア料理屋さんで、大きなチーズの塊を中央から専用のスプーンで掻き取って、自由に振りかけられるようになっているのはグラナ・パダーノが多いです。

逆に、スーパーなどで入手できるパルメザンチーズは、アメリカで作られているパルミジャーノ・レッジャーノ風チーズです。でも、スターターには同じ菌を使っている可能性は充分にありますので、念のため気をつけて下さい。

スイスの2つのチーズは、チーズフォンデュによく使われます。またカフェで人気のメニュー、クロックムッシュやキッシュにも使いますが、日本では別のチーズが使われることのほうが多いかと思います。

ですので、低血圧の人が念のため注意しておいたほうが良いのは、粉チーズとチーズフォンデュです。それと上で挙げた4種類のナチュラルチーズですね。

チーズには塩分もあるので、それと入れ合わせが付くかもしれませんが、往々にして高血圧の人には塩分が、低血圧の人にはラクトポリペプチドが効いたりするんですよね。

乳酸菌やヨーグルトで低血圧が治るという証拠は見当たらない

残念ながら、乳酸菌やヨーグルトなどを摂ることで、低血圧が改善すると言った結果が示された、きちんとした学問的な研究は見当たりませんでした。

ですので、ここでは低血圧の原因と、それを改善する可能性のある乳酸菌食品の利用のしかたについて見てみます。

対象になるのは原因不明で慢性の低血圧

低血圧には急性と慢性がありますが、急性というのは、怪我や病気によって出血したり、お薬の影響で起こったりするもので、例えば心筋梗塞で血液が送り出されにくくなって起こるものも「低血圧」に分類されます。

もちろんこうした急性の低血圧はショック症状を伴うことも珍しくないため、大急ぎで病院に向かう必要があります。

一方、慢性の低血圧も病気が原因で起こることが割合多く見られます。ですので、低血圧症状がある場合、まず一度は受診して、原因になる病気がないかどうかを検査してもらいましょう。

お薬の副作用で起こっているケースもありますから、通院している人はお医者さんに症状を報告して、お薬のチェックも受けて下さい。

そうしたことが全部否定されて始めて「本態性慢性低血圧」、つまり原因不明の低血圧と言うことになるのです。ところが、原因になる病気がない低血圧は、高血圧に比べて生命に危険が及ぶことがないため、あまり熱心に研究されていません。

もちろん、病気や怪我で急激に血圧が下がった時には、アドレナリンなどのカテコールアミンやバソプレッシンなどの昇圧剤が用いられますが、これは一時的かつ緊急対応のものなので、いわゆる「一般の低血圧」には使えません。

症状が出なければ低血圧ではない

例えば収縮期血圧(上の血圧)が90mmHgであった場合、数値的には低血圧と言うことになりますが、若い女性などではもっと低い数値でも平気で生活している人も珍しくありません。

ですので、全身のだるさや頭痛、動悸、息切れ、食欲不振などの何らかの症状があれば低血圧と言うことになりますが、全く症状のない人の場合、それは低血圧ということにはなりません。

健康診断などで血圧が低いことを指摘されても、健康で毎日を元気に過ごせているのであれば、その数字は気にしなくてもOKです。

逆に、収縮期血圧が100mmHg以上あっても、そうした症状があるのであれば、血圧を上げるというより、そうした症状が消えるように生活習慣・食習慣を見直して下さい。

低血圧改善には睡眠のリズムを整えるのが効果的

低血圧に悩む人は、朝起きられないと言うイメージがありますが、それだけではなく不眠や寝付きの悪さも関係していることが多いようです。そこで、夕食後にヨーグルトを食べてみることを習慣づけることに効果があるかもしれません。

先にお話したように、多くのヨーグルトにはリラックス物質のGABAを作り出す能力があります。それによって、就寝前にリラックスできると、寝付きの悪さが解消されてくる可能性があります。

寝付きの悪さが解消されると、朝の起きにくさも改善するでしょう。そうして生活のリズムを整えて行くと、低血圧症状も徐々に改善する可能性があります。

腸の調子が整うと食欲も湧いてくる

低血圧の人の悩みといえば食欲不振も大きなファクターですね。食欲不振と言うと、どうしても「胃の具合が悪いから」と考えてしまいがちですが、胃腸そのものに病変がない場合、腸の影響が少なくないのです。

そこでヨーグルトを利用しましょう。今度は朝に食べるヨーグルトです。もちろん、乳酸菌が大腸で活躍してくれることを考えた場合、胃や小腸などの通過時間を考えると、前の日の夜でも問題ありませんし、お昼でもOKです。

でも、酸味の刺激とさっぱりした冷たさを口に入れることで、交感神経が働いて血圧を上昇させてくれる働きも期待できますから、朝のヨーグルトも低血圧の人にはおすすめです。

低血圧の人は腸の血流の悪さが原因で、消化器の動きが悪くなって食欲不振を招いていることがあります。ヨーグルトの乳酸菌は、腸の中で炭水化物を代謝して乳酸を作り出します。この乳酸が腸を刺激して、腸の蠕動運動が起こり、食欲が湧いてきます。

また、大腸では乳酸菌が作り出した乳酸をエサにして酢酸やプロピオン酸、酪酸を作り出す善玉菌も住んでいます。そのままでは吸収されにくい乳酸は酪酸などの有機酸に代謝されることで大腸に吸収され、そのままそこでエネルギーとして使われます。

つまり、血流が悪くて栄養不良になっている大腸に、自前でエネルギーを準備させることができるのです。さらに大腸で使い切れなかったエネルギーは、逆に血流に乗って小腸や胃など、他の臓器に供給されるのです。

その結果、食欲が湧いてくることが期待できます。

市販のフルーツヨーグルトを利用しよう

「低血圧で朝食なんて入らない」と言う人でも、冷たくて口当たりの良いフルーツヨーグルトなら何とか入るんじゃないでしょうか。

朝が苦手な低血圧の人に、朝からフルーツヨーグルトを作れなどと無慈悲なことは言いません。市販品で良いんです。各乳業メーカーからは4連パックで色んな種類のフルーツヨーグルトが出ていますね。これを利用しましょう。

4連パックなら1個あたり70g~75gです。これぐらいなら何とか食べられるんじゃないでしょうか。そこから始めれば良いと思います。もっと食べたくなったら2個、3個と増やせるのも便利でいいですね。

大手メーカーだけでも、驚くほど種類が出ています。2017年7月現在のラインナップを見てみましょう。

明治ブルガリアヨーグルト
ジューシー4種の葡萄
白桃&3種のフルーツ
芳醇いちご
ブルーベリー&4種のあじわいベリー
しゃきしゃきアロエ
朝のあじわい フルーツミックス

明治ブルガリアヨーグルト4連パックフルーツシリーズ商品イメージ

森永ビヒダスヨーグルトBB536
アロエ
ストロベリー+ブルーベリー
バラエティパック
ナタデココ
ピーチミックス+パイン

森永ビヒダスヨーグルトBB536ヨーグルト4連パックフルーツシリーズ商品イメージ

ナチュレ恵・フルーツヨーグルト
ブルーベリー+いちご
7種のフルーツミックス+ベリーミックス
白桃+マンゴーミックス
アロエ+チアシード

ナチュレ恵ヨーグルト4連パックフルーツシリーズ商品イメージ

ダノン・ビオ
香る白桃
アサイー&ラズベリーミックス
しゃきしゃきフルーツミックス
芳醇いちじくミックス
ワイルドブルーベリー2個+手摘みストロベリー2個
ぷるぷるアロエ

ダノン・ビオヨーグルト4連パックフルーツシリーズ商品イメージ

ラインナップを見ているだけで食べたくなってきませんか?近所のスーパーで見てみると、4連1つあたり148円で安売りしていましたので、決して高価すぎるということはないでしょう。

こうしたものを上手に利用して、身体を元気にしてあげて下さいね。
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