腸活で便秘改善!便秘の原因となる悪習慣と、快便になる方法

腸の調子が悪いとどうにも気分が落ち着きませんね。

便秘には多くの男女が悩まされ、またある程度の年齢以上になると大腸がんの不安と言うのも出てくるので、その心配自体がストレスになる人もいます。

かと言って、特段の症状もないのにお医者さん通いするのも気が引けますし、便秘薬の乱用も注意したいところ。まずは生活習慣や食習慣を整えるいわゆる「腸活」で腸の健康を維持し、便秘改善、大腸がんしらずの腸をつくる方法を考えてみましょう。

まず意識しておいてほしいのは、万人に共通の健康法などと言う物は存在しないという事です。自分のお腹の調子を見ながら、最もいい方法を模索するという気長な姿勢が望まれるのです。

便秘の原因となる悪習慣と、排泄の習慣が大切な理由

便秘は腸の健康にとって決して良くないものですが、かと言って一日出ないだけで便秘薬を飲むようなことをしてはいけません。便秘薬は緊急避難的なもので、できれば使わない方が良いのです。

これは風邪薬を考えてみればわかります。体力をつけるためにビタミン剤を常用することはあっても、年中風邪薬を飲む人はいませんね。同じことで、整腸剤を常用することはあっても、便秘薬を常用するのは良くありません。

朝寝坊は腸の調子を狂わせる

便秘で悩む人のために、世の中にはさまざまな情報が流れていますが、決してお勧めできないのが「朝食抜き」です。もちろん、夜勤などで昼夜が逆転したりずれたりする人の場合は、起床して最初の食事と考えて下さい。

人間を含む動物の排便は、食事ごとに行われるのが自然な姿です。ですから、一日三食であれば、毎食後一日に三回排便することは異常ではありません。

一方、人間の大腸は三食分以上の、排便できる状態の便を溜め込むキャパシティを持っていますから、一日一回排便があれば何の問題も起きませんし、キャパシティが大きい人で不快感がないのであれば、もう少し頻度が低くても良いでしょう。

さて、そこで見出しの「朝寝坊」です。朝寝坊すると、一日のスタートの準備に追われて朝食を摂らなかったり、不充分な量の朝食で済ませてしまったりすることが多くなります。

また、朝食後に便意を催しても、時間がなくて我慢してしまったりすることも多くなるでしょう。これは確実に腸の具合を悪くします。

通勤や通学などで、毎朝一定の時間に家を出る人は、出かける時間の2時間から3時間前には起床して、必ず朝食を摂る習慣を身に付けて下さい。

便は一日がかりで形作られる

朝は排便の時間帯だから食事で消化器に負担をかけないよう、朝食は抜くべきだという話題を時々見かけますが、これは決してお勧めできません。排便はどのように起こるかから見てみましょう。

口から摂った食べ物は、食物の種類にもよりますが、平均4~5時間で小腸での消化吸収を終え大腸へ送られます。そこから後は水分を吸収されてだんだん固形状になりながら、身体の中の老廃物や腸内細菌の死骸などと混ぜ合わされて便になって行きます。

大腸のはたらきと解剖イラスト
(出典:大腸について ~はたらきと解剖~|広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 消化器・移植外科学)

盲腸の位置からわかってもらえると思いますが、青の背景に白抜き縦書きで「大腸」と書いてある側が、身体の左側になります。

便は下行結腸の半ばあたりで半固形状になり、S字結腸で固形状の便として成立します。ここまでで、食べ物を摂ってから半日~一日くらいかかります。

つまり、食事をとってすぐに便意をもよおし、トイレで出したとしても、それは一日くらい前に食べたものが出ているということです。もちろん、悪いものを食べて下痢をした場合などは、もっと短時間で出て行ってしまいます。

朝食抜きは便秘を悪化させる危険性がいっぱい

食べたものなどは、胃腸の蠕動(ぜんどう)運動によって、後ろへ後ろへと送られますが、直腸へはこの「順次送られる蠕動運動」によって送られるのではありません。

便は、一日に一回から三回程度発生する「大蠕動」と言う働きが起きて初めて、S字結腸から直腸に送り出されるのです。それまでの間、直腸は空っぽで縮んだ状態になっています。

そこに便がまとめて送り込まれると、直腸は押し広げられます。その圧力が直腸壁から信号となって神経を通じて脊髄に送られ、さらに脳の排便中枢に届きます。そして、その信号が強くなると大脳皮質が便意を感じ取ります。

便の出口である肛門には、内外の括約筋があって便の漏れ出しを防いでいます。そして、直腸が受ける圧力が強くなると、排便反射が起こり内側の括約筋が自然に緩みます。

一方、外側の括約筋は自分の意志でコントロールできますので、安全に排便できる環境になければガマンすることもできます。そして、トイレでホッとできる状態であれば、そのまま外側の括約筋を緩めて、便を送り出すことができるのです。

問題は、排便時ではなくその前の「大蠕動」がきちんと発生しているかどうかです。大蠕動は胃の中に多くの食物が入ったと言う刺激が大腸に送られて発生します。これを胃-結腸反射と言いますが、多くの人では朝食後に最も強い反射が起こりやすいのです。

ですから、朝食を抜いてしまうと、この最も排便しやすいチャンスを逃してしまうことになります。

もちろん昼食後にも夕食後にもチャンスはありますが、社会生活を営んでいると、そのタイミングでは、外来のストレスによって腸の動きが悪くなりやすいですね。

ですから、朝食の後にトイレに行く時間を確保した上で、「お腹が膨れた」と言う満足感が得られる程度に固形物をしっかり食べるのが、健康な腸を維持する最も重要なポイントと言えるでしょう。

胃腸は「内側から押し広げられた」と言う圧力を検知してさまざまな動きをスタートさせます。ですから、牛乳だけとかシリアルバーだけとかでは、栄養は摂れても、腸の動きにはつながりにくいのです。

便秘改善!ヨーグルトや発酵漬物を取り入れたおすすめ食習慣

このサイトではほかの記事でも、いかに発酵食品が腸のために役に立つかをお話してきました。ですので、一通り他の記事を読んでもらえれば情報は充分にあると思いますが、時間の節約のため、ここでまとめて書いておくことにします。

特に腸内フローラについては、日々新しい知見が得られていますし、この記事もそのうち古い情報になるかも知れませんから、常に更新できるよう頑張っていきたいと思います。

腸の中には人体の細胞数より多くの細菌が棲んでいる

人間の身体を構成する細胞は、約60兆個あるということです。もちろん身体の大きさなどによって多少の差はありますが、一つの目安として知っておいてください。

腸内細菌の数は、100兆個から1000兆個に及ぶとされています。腸内環境によって、10倍くらいの差は見られるようですね。この数自体は培養によって確認され、おおむねこの程度であろうと言う見解に変化は見られません。

一方、培養によって確認されてきた腸内細菌の種類ですが、以前は数百から数千種類程度だと考えられてきたものの、培養できない菌も少なからずあることも分かっていました。

20世紀の終わりごろから、遺伝子系統分析が良く行われるようになり、その中でも16SリボソームRNA系統解析と言う、たんぱく質合成にかかわる核酸の塩基配列をもとにした微生物の分類が良く使われています。

この手法で分析した人間の腸内細菌は、少なくとも1800属におよび、約4万種くらいが存在していることが分かりました。

世の中で善玉菌と呼ばれている細菌の大半はビフィドバクテリウム属(通称:ビフィズス菌)です。善玉菌の99.9%以上とも言われていますね。腸内細菌全体を見渡しても、五本の指に入るくらい多く棲んでいる菌です。

ですから、シンプルに考えた場合、ビフィズス菌の数を増やしておくことが腸の健康には役に立つであろうという事がわかります。

乳酸菌を摂っておけばビフィズス菌は増えてくれる

乳酸菌は生きて腸まで届けば、そこで炭水化物をエサに乳酸を作り出します。その乳酸は大腸の環境を酸性に傾け、もともと酸性環境に弱い悪玉菌を減らし、悪玉菌の持っていた縄張りをビフィズス菌が占める手助けをします。

もちろんビフィズス菌も乳酸を作り出す乳酸菌の一種ですので、自分自身でも環境を良くします。さらに乳酸は、酪酸菌やプロピオン酸菌などの善玉菌のエサになって、酪酸やプロピオン酸の生成をもたらします。

乳酸は大腸で利用されにくい有機酸ですが、酪酸やプロピオン酸などは大腸自身がエネルギーとして利用できる有機酸ですから、善玉菌が活躍すると大腸自身にエネルギーを供給できるというわけです。

また、強い殺菌力を持つ胃酸によって殺菌されてしまった乳酸菌も、その菌体成分が小腸のリンパ組織で免疫細胞に働きかけて、免疫調整機能を発揮することで、免疫力アップやアレルギー軽減の役に立ちます。

免疫力がアップすると、腸内の日和見菌が病原性を持ってしまうことを予防できます。そうすると病原性を持つ菌によって腸にかかるストレスが減らされることで、場合によっては抑うつ状態などの精神的トラブルを解消できることさえあるのです。

野菜と果物もしっかり食べよう

野菜と果物をしっかり摂ることは、食物繊維を摂ることにつながります。水溶性食物繊維は大腸でビフィズス菌のエサになり、それは大腸へのエネルギー供給や悪玉菌を減らす役目を果たしてくれます。

不溶性食物繊維は、消化液としてコレステロールから作られる胆汁酸をからめとって、小腸で再吸収できなくして大腸へ送り込みます。

すると、コレステロールのリサイクルができなかった肝臓は、血中コレステロールから胆汁酸を新たに作り出すことで、血中脂質の状態を改善します。

遠回りではありますが、肝臓や膵臓の調子を整えることが、ひいては腸の調子も良くしてくれるでしょう。

また、野菜や果物は先にお話しした「胃を膨らませる刺激」にもってこいです。カロリーの割にボリュームがありますので、胃腸を活発に動かしてくれるでしょう。

もちろん、肉や魚、米や麦も食べて下さいね。たんぱく質も炭水化物も、人間には必要な栄養素です。特に代謝系の病気に悩まされているのでなければ、特定の栄養素を制限するとかえって身体を壊します。

発酵食品はヨーグルトでも発酵漬物でもOKです。大切なのは毎日食べ続けることですね。また、漬物や味噌、醤油は塩分に、お酒はアルコールの絶対量に注意して摂るようにして下さい。

40歳過ぎたら毎年大腸がんのチェックを

腸の健康と言う話になると避けて通れないのが大腸がんです。2013年の統計によると、大腸がんは女性では乳がんに次いで第2位、男性で肺がんと胃がんに次いで第3位の患者数の多さです。

そして、死亡数では女性でトップ、男性では罹患率と同じ並びで第3位ですから、決して軽く見てはいけないがんなのです。

大腸がんは生活習慣で予防できる

大腸がんのリスクファクターには次のようなものがあります。

  • 喫煙
  • 肥満
  • 運動不足
  • 飲酒
  • 赤身肉・加工肉の摂取
喫煙は大腸がんにかかわらず論外であると言えるでしょう。また、最近流行の加熱式たばこについては、まだ市場に出てから日が短いため、研究データがそろっていません。

しかし、加熱式たばこや、日本では認可されていませんがニコチンを含んだ電子たばこも、副流煙を含めて普通のたばこと同等以上に身体に悪い要素が見られるという予備的な報告は数多くありますので、やめておいた方が良いですね。

肥満と運動不足は連動するかもしれません。この二つも大腸がんのリスクファクターですので、身体を動かす習慣はつけておいた方が良いです。

飲酒も決して身体に良いものではありませんし、飲まない方が良いのですが、一応厚生労働省などは「節度ある飲酒」と言う許容範囲を示しています。

それによると、一日に純アルコール量換算で20gを上限値として示しています。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーならシングル2杯くらいです。できれば週に連続した2日間の休肝日を設けるのが好ましいです。

赤身肉・加工肉と言うと、脂身は良いのかと言う人がいるかもしれませんが、肉類全般と考えて下さい。目安として週に500g以下が推奨されています。

実は、これらの要素に「野菜・果物をたくさん食べる」と言う物を加えると、大腸がんのリスクを下げられることが分かっています。これは食物繊維の効果なども影響しているのでしょう。

大腸がんの検査は安くて簡単なので毎年受けよう

初期の大腸がんには症状がありません。一方、大腸がんは初期に発見できると、ほぼ完全に治癒します。ですから、がん検診が重要になるのです。

しかし、がん検診と言うと出かけて行く手間や、事前の絶食などが気になって、つい受けないという人も少なくありません。

しかし、最初のスクリーニングは検便だけですし、数百円の費用で受けることができます。そこで便潜血反応が陽性であった場合にのみ、さらに踏み込んだ検査を行うという事になります。

毎年この検査を受けておけば安心ですね。各地方自治体で検査の受付を行っていますから、ネットで検索して、毎年受けるようにしておきましょう。

大腸がんの検診は、胃がんや肺がんの検診とセットになっていることも多いですね。その場合は検査施設に出向くことになりますが、年に一度くらいはしっかり調べておきましょう。

つまり腸の健康は体の健康!「当たり前のこと」実践できていますか?

腸の健康を保つためには、一日三食を規則正しく摂り、朝の時間に余裕を持つこと。そして、発酵食品や野菜・果物をしっかり摂ること。

さらに飲酒を控え、禁煙し、肉類は控えめに食べ、運動で肥満を防ぐこと。そして、40歳を超えたら大腸がん検診を毎年受けること。

あまりに当たり前のことばかりで拍子抜けですね。でも、そうした当たり前を抜きにして、どんな健康法やサプリメントも全く無力であるという事は意識しておくべきでしょう。

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