【ビフィズス菌編】乳酸菌の種類別、ヨーグルトの効果

いまや乳酸発酵食品で健康に寄与するものといった場合、まず一番に名前が挙がるのではないかと思うのがビフィズス菌です。

ヨーグルトと言えばブルガリア菌が有名ですが、このごろではビフィズス菌のほうが知名度が高いように感じられます。

ビフィズス菌はビフィドバクテリウム属に分類される乳酸菌の一種ですが、このビフィドバクテリウム属は他の乳酸菌とは異なる大分類の下位にあります。そのため乳酸菌とは別の存在のように扱われることも多いですね。

しかし、理論値ながらビフィズス菌は乳酸菌の条件を満たしている細菌なのです。

現在のところ約60種と、いくつかの種の下位に亜種が見つかっています。ただ、人間に関係する種は7~8種類ぐらいです。

ビフィドバクテリウム属ロンガム種のヨーグルト

まずはビフィズス菌を有名にした製品に使われている、ロンガム種から紹介します。ロンガム種には3つの亜種が存在しますが、私たちが普段目にするのは基亜種であるロンガム亜種です。

他には人間とは関係のないサルス亜種と、赤ちゃんで見られるインファンティス亜種です。ですので、基亜種を前提にお話します。

ビフィズス菌BB536・森永ビヒダスヨーグルトBB536

森永ビヒダスヨーグルトBB536商品イメージ

日本でビフィズス菌の名前を有名にしたのは、この森永ヨーグルトだと言っても過言ではないでしょう。これはヨーグルトを作るブルガリア菌・サーモフィルス菌と一緒にビフィズス菌を使って作られたヨーグルトです。

ビフィズス菌は、赤ちゃんのお腹の中で最初に繁殖する善玉菌なのです。そして、年齢とともにその数は減って行きます。ですから、ビフィズス菌を補充することは、腸を若く保つ上で役に立つと言えるでしょう。

菌の正式名称は、ビフィドバクテリウム属ロンガム種ロンガム亜種BB536株です。ビフィズス菌は偏性嫌気性菌と言って、通性嫌気性菌である一般的な乳酸菌より酸素に弱いのです。酸素がある環境では基本的に生きられません。

ですから、人間の大腸に定着しているんですね。消化管の中では一番酸素と出会う可能性が低いところです。そして、胃酸レベルの酸に対しても、一般的な乳酸菌より弱いので、「生きて腸まで届きにくい」乳酸菌と言えるでしょう。

ですので、次に紹介する雪印メグミルク製品のような方法で腸に届かせる工夫が行われる場合もあります。それに対してBB536は、もともとビフィズス菌の割には酸や酸素に強い菌株なのです。

それでも、空腹時の胃酸には耐えられない可能性もありますから、食後に食べるのがおすすめです。

ビフィズス菌SP株・雪印メグミルクカプセルヨーグルト

雪印メグミルクカプセルヨーグルト商品イメージ

上でも紹介したように、酸素や酸に弱いビフィズス菌を生きて腸まで届けるために工夫されたヨーグルトです。菌の名称はビフィドバクテリウム属ロンガム種ロンガム亜種SBT2928株です。

この乳酸菌は、雪印メグミルクの特定保健用食品のヨーグルト、ナチュレ恵に、ガセリ菌SP株と一緒にも使われています。

これをガラクトオリゴ糖と言う「ビフィズス菌のエサ」と一緒に腸で溶ける被膜に包み、さらにその外側を耐酸性の被膜で覆ったシームレスカプセルに封入して、ヨーグルトに混ぜ込んであるのです。

物理的にビフィズス菌を保護するというやり方で腸に送り込むのですから、ビフィズス菌の生存率は高そうですね。

私もこの記事を書くにあたって購入し、食べてみました。入れ物には「つぶ(ビフィズス菌カプセル)は、かまずにお召し上がりください。」と書いてあるのですが、ヨーグルトタイプの方ではついプチプチと噛んでしまいます。

ドリンクヨーグルトタイプの方が飲みやすくて良いですね。なお、ベースになっているヨーグルトについては全く情報がありませんので、おそらくブルガリア菌とサーモフィルス菌を使った「普通のヨーグルト」なのだと思われます。

ビフィズス菌の効果については、腸内環境の改善以外の情報は見当たりませんでしたが、少々強引な方法ながら、確実にビフィズス菌を腸に送り込むヨーグルトという意味では高評価ですね。
マイクロカプセルとは言っても、結構口の中で存在感があるんですよね。ついついプチプチしたくなります。

ビフィドバクテリウム属アニマリス種ラクティス亜種のヨーグルト

この菌の特性としてまず挙げられるのは、耐酸性の強さです。特定の菌株だけでなくアニマリス種ラクティス亜種は、多くの菌株で耐酸性が強く、生きて腸まで届きやすいことが知られています。

ビフィズス菌は比較的環境変化に弱い菌ですが、どうやらこの種はタフなビフィズス菌のようですね。

ビフィズス菌ビフィックス・グリコ Bifix

グリコBifix商品イメージ

メーカーであるグリコが売りにしている、このビフィズス菌の一番の特徴は「お腹の中で増殖する」と言うポイントです。もちろんビフィズス菌は腸内細菌の中で善玉菌の中心的な存在ですから、増えてくれるのはありがたいですね。

ビフィズス菌ビフィックスは、ビフィドバクテリウム属アニマリス種ラクティス亜種GCL2505株です。アニマリス種は、名前の通り動物から見つかったのが最初の乳酸菌です。

しかし、グリコの公式な発表で、このビフィックスは人間から分離された菌だとしています。人間の中で増殖できるビフィズス菌ですから、個人的には何由来でも構わないと思うんですけどね。

そして、生きて腸まで届きやすいだけでなく、最初に書いたように腸の中で増殖することも確認されています。定着性についての情報は見当たりませんでしたが、増殖するからにはある程度の定着性があると見ていいでしょう。

また、その働きについて、特定保健用食品としては腸内環境の改善が効果として挙げられていますが、ビフィズス菌としての研究では、内臓脂肪の減少に効果が期待されています。

ビフィズス菌Bb-12・多くの企業が使用している

ビフィズス菌Bb-12を含む製品のイメージ

この菌の正式な名前もビフィドバクテリウム属アニマリス種ラクティス亜種BB-12株です。この菌株はLGG乳酸菌と同じ、デンマークのクリスチャン・ハンセン社が権利を所有しているビフィズス菌です。

そのため、一つの会社のヨーグルトだけではなく、数多くの乳業会社が菌株を購入して使用しています。ざっと調べた範囲ですが、ご紹介しましょう。地域ブランドもあるようですね。

  • よつ葉乳業・よつ葉北海道十勝プレーンヨーグルト生乳100
  • 小岩井乳業・小岩井生乳100%ヨーグルト
  • いかるが牛乳・いかるがヨーグルトBB-12
  • 南日本酪農協同・高千穂牧場 プレーンヨーグルト
  • フルヤ乳業・Bb-12 プレーンヨーグルト
  • 大山乳業農業協同組合・白バラヨーグルト生乳100
  • トモヱ乳業・北海道プレーンヨーグルト
  • チチヤス・チチヤスのむヨーグルト
  • 湯田牛乳・プレミアム湯田ヨーグルト
  • 安曇野食品工房・EMIALごろっと果肉のスムージー Wピーチ&YG

などに使われています。なお、小岩井乳業はCO-OPブランドの製造の受託を行っていて、そこでもBb-12は使われています。そのほかにも、いくつかの食品スーパーのショップブランドでも使われているようですね。

この菌は整腸効果はもちろん、ラクティス亜種の特徴である「胃酸に強い」と言う特徴もありますし、十二指腸で出会う胆汁酸にも強いのです。免疫賦活能力も期待されていますね。

さらに、ビフィズス菌Bb-12は、ヨーグルトだけでなく、富士フィルムからサプリメントとしても売り出されています。富士フィルムと言えばデジカメや記憶媒体、近頃人気が再燃している「写ルンです」のイメージがありますよね。

でも、もともとレントゲンフィルムと言うジャンルから医療・ヘルスケア関係にも強いんですよ。他にもいくつかのサプリメーカーから出ているようです。

ビフィズス菌LKM512・協同乳業 メイトーおなかにおいしいヨーグルト

メイトーおなかにおいしいヨーグルト商品イメージ

この菌の正式な名前もビフィドバクテリウム属アニマリス種ラクティス亜種LKM512株です。詳しい情報はありませんが、Bb-12とは違って、協同乳業または産学協同体での研究で発見されたもののようですね。

メイトーブランド以外ではセブンプレミアムやVマークバリュープラスなど、大手ショップブランドに用いられているところから見て、OEM供給が行われているのではないかと思います。

このビフィズス菌はポリアミンという物質を作り出すことが知られています。ポリアミンは、どうやら細胞分裂を制御し、DNAを保護することで動物の寿命を伸ばすのではないかと考えられています。

そういう意味ではアンチエイジングビフィズス菌といえるかもしれませんね。もちろんポリアミンは大豆などから食べ物として摂ることは可能です。

しかし、そうした場合小腸で消化吸収されて、腸内細菌がたくさん活躍する大腸には届きません。ですので、このビフィズス菌を摂って、体内で生産するのが効率的だと考えられています。

この他、ダノンビオのBE80株も、このアニマリス種ラクティス亜種なので腸まで届きやすいビフィズス菌ですね。

ビフィドバクテリウム属その他の種のヨーグルト

いわゆるビフィズス菌にはさまざまな種類があります。菌株を明記せず、単にビフィズス菌としているものは、ビフィドバクテリウム属であることは確実ですが、種名は判りません。

それとは別に、ヤクルト本社は2種類のビフィズス菌を商品化してリリースしていますね。

B.ビフィダムY株・ヤクルトBF-1

ヤクルトBF-1商品イメージ

ビフィドバクテリウム属ビフィダム種YIT 10347株がこのビフィズス菌の本名です。この菌は「胃で効くビフィズス菌」と言うキャッチフレーズで売られていますね。

実際、大学での研究でも、た重症の機能性消化管障害の患者さんに飲んでもらったところ、症状が軽減し、ストレスマーカーも下がったとあります。

その他にも、ピロリ菌の抑制効果など、「胃の不調を改善する」と言う、乳酸菌やビフィズス菌には珍しい効果が見つかっています。

ビフィズス菌BY株・ヤクルトミルミル

ヤクルトミルミル商品イメージ

ヤクルトミルミルは、森永ビヒダスが発売された翌年には、初のビフィズス菌飲料としてリリースされましたが、2005年に一度発売中止になっています。

そして、2010年3月にはビフィドバクテリウム属ブレーベ種ヤクルト株に菌を替え、満を持して再発売されました。

特定保健用食品の許可を得ていて、お腹の調子をととのえることが主眼点のようです。もちろん、それによって間接的に便通を調整し、美肌に寄与します。

ヤクルトとビフィズス菌ってピンとこない人もおられるかもしれませんね。でも、乳酸菌を扱うメーカーの中でも最大級の会社ですから、いろいろ研究してるんですよ。

ビフィズス菌は大腸に棲んでいる菌なので増やす工夫をする

このように、ビフィズス菌製品はたくさんありますし、ここには紹介しきれなかったものや、ビフィズス菌の菌株を明らかにしていない製品もたくさん存在します。

いずれにせよ、もともとビフィズス菌は私たちのお腹の中に定着して、良い働きをしてくれている善玉菌です。生きて腸まで届けば定着してくれる可能性もありますね。

また、胃で殺菌されたり、腸まで届いても定着できないものも数多くありますが、そうした物でも菌体成分が役に立ちますし、腸の中にいる間は善玉菌として働きます。

ですから、ヨーグルトを食べるときは、ビフィズス菌の入ったものも時々は食べるようにしましょうね。

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