頭痛に効果がある乳酸菌はある?アシドフィルス菌を摂るならこの商品

乳酸菌が健康に役立つという情報は世の中にあふれかえっています。そのせいか、少しでも変わった情報を提供しようとするあまり、時々妙なものを目にすることがあります。

今回はそんな話題の一つ「頭痛に効く乳酸菌」と言うお話をしましょう。実は、頭痛と乳酸菌は全くの無縁ではないのです。

とは言え、乳酸菌が頭痛薬になるといったシンプルな話ではなく、かなり持って回ったお話になります。

そんな中で、ラクトバチルス属アシドフィルス種(通称:アシドフィルス菌)の頭痛改善効果の可能性について言及されているお医者さんがいらっしゃいました。まずはそのあたりから紹介してみましょう。

さらに、他ではあまり見られない話題として、乳酸菌によって頭痛が起こるという可能性についても、後半でお話することにします。

アシドフィルス菌は頭痛に関係する「ビオチン」を産生する

ビオチンというビタミンがあります。ビタミンB群に属しているのですが、ナイアシンやパントテン酸、葉酸などに比べると同じビタミンB群の中でも知名度が低いように感じます。

これはビオチンが体内で作られるビタミンだからというのもあるでしょう。もちろんビタミンですから人間の生理機能で必要量を作り出すことはできません。

しかし、腸内細菌の力によってビオチンは作り出されますので、健康であれば不足して欠乏症が起こることがないために、あまり注目されなかったのでしょう。

もしかするとビオチンが偏頭痛を改善する?

残念ながら研究論文などは見当たらなかったのですが、とある神経内科のお医者さんが、ビオチンには偏頭痛改善効果が期待できるのではないかという意見を公開していました。

ビオチン自体には皮膚症状や神経障害、インスリン抵抗性などの欠乏症が知られていますが、頭痛について言及されたものは見当たりませんでした。ただ、神経症状の一つにカウントされている可能性はあります。

ビオチンは、もちろんビタミン剤やサプリとしても販売されています。一方で、腸の中にいる悪玉菌の中には、ビオチンを利用して消費してしまう物がいるのです。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの皮膚病の治療に、ビオチンが投与されることもありますが、その際にはミヤBM(処方箋薬)と言う酪酸菌製剤が同時投与されます。それは悪玉菌を抑制してビオチンを横取りされないためです。

自分でビオチンのサプリを利用しつつ、強ミヤリサン(指定医薬部外品)と言う酪酸菌整腸剤を利用する人もいます。原理としてはお医者さんによる処方と同じですね。

ビオチンを作り出す腸内細菌は乳酸菌

腸の中でビオチンを作り出してくれているのは、アシドフィルス菌です。アシドフィルス菌は乳酸菌ですから、乳酸を作り出して悪玉菌を抑制すると同時にビオチンを作り出してくれるのですからありがたいですね。

このアシドフィルス菌と、必要に応じてビオチンを含むビタミン剤やサプリを摂ることで、偏頭痛の改善に役立つ可能性があります。

ただ、偏頭痛は緊張性頭痛に比べて痛みも強く、不快感が大きいので、乳酸菌はあくまで「治療薬の補助として飲む」ぐらいに考えておいて下さい。

乳酸菌自体に鎮痛効果はありません。また、偏頭痛の改善効果がある場合でも即効性はありません。ゆっくりと改善するという感じになりますので、普段の生活の中に乳酸菌を摂る習慣を組み込んで下さい。

アシドフィルス菌を摂る手軽な方法

手っ取り早いのはヨーグルトと言いたいところなのですが、実はアシドフィルス菌を使ったヨーグルトというのはあまりありません。

ざっと探してみて見つかったのは、オハヨー乳業の「たっぷり生乳ヨーグルト」でした。岡山県の中堅メーカーですから全国のスーパーにあるかどうかは判りません。通販ならamazonでも楽天でも取扱がありますが、こうした冷蔵商品は送料が問題ですね。

▼たっぷり生乳ヨーグルト
たっぷり生乳ヨーグルト商品イメージ

一方、カルピスの乳酸菌飲料やサプリに配合されている、L-92乳酸菌と言うのもアシドフィルス菌です。こちらはアレルギー対策として人気があるようですね。

こちらの商品は常温で流通していますし、親会社のアサヒ飲料が流通させていますから、全国どこででも入手しやすいでしょう。

商品名は、アサヒ飲料から出ている乳酸菌飲料は「守る働く乳酸菌 L-92」です。200mL入りペットボトルなので手軽ですね。常温保存で製造から6か月の賞味期限があります。

▼守る働く乳酸菌 L-92
守る働く乳酸菌L-92商品イメージ

一方、カルピス健康通販からリリースされている「アレルケア L-92」は錠剤タイプのサプリです。商品名の通り、アレルギー症状軽減を意図したサプリですが、有効成分はアシドフィルス菌です。

偏頭痛に即効性があるわけではありませんが、お腹の調子を整えながら、徐々にでも頭痛が軽くなるといいですね。

便秘が原因の頭痛は乳酸菌が役に立つ

これも医学的な根拠があるかと言われると、やや薄弱ですが便秘が頭痛の原因になる可能性はあります。

東京学芸大学保健管理センターによると、便秘が原因で頭痛・肩こり・めまいが発生することがあると言うことです。

(参照:“便秘”について|東京学芸大学保健管理センター)

便秘によって起こる頭痛なら乳酸菌の出番

便秘になると、どうしても腸内環境が悪くなり、いわゆる悪玉菌が増えることによって有害物質が生成されます。さらに排便が少ないと、その有害物質が長く腸にとどまり、身体に吸収されてしまうこともあります。

それがそのまま頭痛の原因になることはめったにないでしょうが、全身の不調、例えば血圧の変動などを通じて頭痛の引き金になる可能性は否定できません。

ですから、日常の食生活にヨーグルトなどの乳酸菌食品を組み入れることで、腸内環境を改善すると同時に便秘を解消して、体調全体を良くすれば、頭痛も減ってくれるでしょう。

便秘の基準には個人差があって、2日に1回でも、自分に不快感がなければ便秘ではないし、毎日出ていてもスッキリしない場合は便秘だといいますね。

その時に目安になるのが便の臭いです。よく「善玉菌優勢な腸の場合は便が臭くない」と言いますが、やっぱり便というのは臭いものです。ただ、悪玉菌優勢な場合とでは臭いの質が違います。

腸内環境が悪いと、便に「肉の腐ったような臭い」などの、強い腐敗臭が感じられます。鼻にツンとくるような臭いであることもあります。

一方で、腸内環境が良い状態だと、古い漬物樽のような臭いがします。決して芳香というものではなく、また無臭でもありませんが、刺激的な臭いではなく「古びた感じの臭い」とでも言った感じの臭いになります。

さらに便の状態も、善玉菌優勢ないい状態の腸内環境だと、いわゆる「バナナうんこ」になってくれます。臭いと形から腸内環境を知るというのは大事なことですね。

色については食べたものによって変化しますから、それほど敏感にならなくてもいいです。ただし、お肉をあまり食べていないのに真っ黒な便の場合は、胃腸のどこかで出血している恐れがあるので、一度検便を受けて下さい。

便秘解消なら乳酸菌の種類は問わない

便秘を解消するということは、腸内環境を整えて、本来定着しているビフィズス菌を中心とした善玉菌を増やすことが大切になります。一方その場合、ビフィズス菌を摂らなくてはいけないというものではないのです。

乳酸菌であればなんでもOKです。生きて腸まで届く必要もありません。もちろん届いても悪くはないんですよ。乳酸菌の菌体成分が、腸の免疫細胞に取り込まれると、その働きで増えすぎた悪玉菌を減らし、善玉菌が増える環境を作ってくれます。

ですから、どんなものでもいいので、乳酸菌を使った食品や飲料を毎日取る習慣を身に着けましょう。

そして、ビフィズス菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖をしっかり摂って下さい。食物繊維は野菜やフルーツですね。海藻やキノコも良いです。野菜は1日に350g以上食べましょう、そんなに多い量じゃありませんよ。

例えば、大きめのトマト1個と太いきゅうり1本で350gに届きます。玉ねぎ中1個とかもやし1袋とかは200g相当です。加熱調理すれば350gはおろか、700gだって充分食べられるはずです。生野菜はちょっとお腹が膨れすぎるかも知れませんが。

フルーツについては、りんご1個相当を食べれば充分です。バナナやオレンジも手軽でいいですね。オリゴ糖についてはアブラナ科野菜やアスパラガス、大豆などに含まれていますので、野菜を食べておけばOKです。

牛乳でお腹がゴロゴロする人の便秘はヨーグルトで解消

また、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人の場合、そのゴロゴロのいくばくかは、ビフィズス菌が牛乳の成分を利用しているせいかも知れません。

ですから、無理に飲む必要は全くありませんが、気が向いた時に、カフェラテやいちごミルクぐらいなら、挑戦してみてもいいと思います。

牛乳でお腹がゴロゴロする人は、十二指腸から小腸で働くラクターゼという酵素の活性が低い人なのです。ラクターゼは母乳や牛乳の糖質である乳糖をブドウ糖とガラクトースに消化します。

ブドウ糖とガラクトースは小腸で吸収されますが、乳糖はそのままでは吸収されません。その結果、ラクターゼ活性の低い人では、乳糖はそのまま大腸に流れ込んでしまいます。

乳糖は水によく溶けるので、大腸に入ると腸の中の浸透圧を上昇させ、腸壁から水分を滲み出させます。すると便の水分が増えてしまいます。それが再吸収しきれないと下痢をしてしまうわけですね。

一方、乳糖はビフィズス菌が分解して、自分のエネルギーに変えます。その際、乳酸と酢酸を作り出して、さらに悪玉菌が生きて行きにくい環境を作るのです。

でも、便秘の時には便が水分を失って、さらに出にくくなっていることも少なくありません。ですから、便秘薬の代わりに牛乳と言う方法もありますね。

また、ラクターゼ活性がほとんどない人の場合、ヨーグルトでもお腹がゴロゴロします。場合によっては、それを利用して便秘解消につなげてみることも可能かもしれません。

もちろん、自分の体調を見ながら、徐々に量を増やして行って下さいね。強い不快感を我慢しながら乳製品を摂ると言うことは絶対にやめて下さい。

ヨーグルトは牛乳の乳糖を乳酸菌が消費した結果、できあがっているというものなのです。ですので、牛乳が苦手な人にはオススメと言えるんですよ。

乳酸菌が頭痛を引き起こす?

たんぱく質を構成しているアミノ酸はアミンという化合物を含んでいます。このアミンの中には偏頭痛を増悪させる可能性が指摘されている物質がいくつか存在しています。

そのうちのひとつに、神経伝達物質のノルアドレナリンとよく似た構造を持っているため、強い生理活性を持つチラミンと言う物があります。この物質は偏頭痛に影響を及ぼします。

そして、実はこれを一部の乳酸菌が作り出すことがあるのです。

偏頭痛で治療を受けている人は発酵食品を避ける

明らかに偏頭痛であるという診断を受けている人は、発酵食品を避けるよう指導されている人もいると思います。それはこのことが原因なのです。

特にセレギリン塩酸塩(商品名:エフピー・ジェネリックあり)など抗パーキンソン病薬や抗うつ薬などを飲んでいる人では、チーズを1かけ食べただけでも偏頭痛が起こることがあります。

チラミンは乳製品だけでなく、ワインや紹興酒、味噌や醤油にも含まれます。ただ、たくさん飲食できないという意味から、味噌と醤油は安全だと思います。

データで見ると、フレッシュチーズのモツァレラや、粉チーズでおなじみのパルメザンは比較的少ないですし、エダムやチェダーは中間ぐらいです。

一方、ロックフォールやスティルトン、カマンベールと行ったカビ系のチーズはすごく多いですね。もしかすると、乳酸菌だけでなく、カビによる熟成の折にも発生するのかもしれません。

ですから、偏頭痛で治療を受けている人や、パーキンソン病、うつ病などで投薬治療を受けている人は、こうした発酵食品は警戒しておいたほうが良いでしょう。

チラミン生成量が多い乳酸菌はフェカリス菌

乳酸菌類の多くはチロシンというアミノ酸からチラミンを作り出します。多くの菌株の中から、チラミンを作り出すことが確認されたのは以下のとおりです。

  • ラクトバチルス属デルブルッキー種ブルガリクス亜種(通称:ブルガリア菌)
  • ラクトバチルス属プランタルム種
  • リューコノストック属メセンテロイデス種
  • ストレプトコッカス属ラクティス種クレモリス亜種(通称:クレモリス菌)
  • エンテロコッカス属フェカリス種(通称:フェカリス菌)

この中で特に産生量が多かったのはフェカリス菌です。また、この他にも多くの乳酸菌から検出されていますが、私たちが普段、ヨーグルトなどで食べる機会があまりないものなので省略しました。

このようなことがあるので、参考にしてください。

最初に紹介したアシドフィルス菌がチラミンを産生するという情報は見当たりませんでした。ですので、あとは自分の体調と見比べながら利用してもらうのが良いでしょう。

基本的に頭痛を乳酸菌で治すのはあまりに遠回り

このように、乳酸菌が頭痛と関連するのは、むしろ良くない方向性のほうが目立ちます。とは言え、その頭痛が偏頭痛でないのなら、乳酸菌を摂って体調を良くすることは、身体全体で見た場合良いことです。

ですので、乳酸菌を摂って体調管理をすることは強くお勧めしますが、頭痛が治るということを期待するのはちょっと難しいかもしれませんね。

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